ずっとあなたが好きでした
***
「お隣に越してきた武田です。よろしくお願いします」
王仁の母親が差し出した菓子折りに、桜美千代は「ああ、ありがとうございます」と気の抜けた調子で返した。
5歳の王仁の視線は、美千代の陰に隠れている女児に引き寄せられていた。
見るからに引っ込み思案という感じのその子は、しかし王仁のことが気になるようで、おずおずと彼の様子を見守っている。
「娘さんですか? 可愛いですね」
「あ、はい」
「何歳なんですか?」
「4歳——ああ、5になったんだっけ。……はい、5歳です」
「じゃあうちの息子と同い年ですね! 仲良くしてくれると嬉しいです。引っ越してきたばかりで全然友達がいないので……」
母親たちの会話は、王仁の耳には入ってこなかった。
綾子に重力でもあるかのように、王仁は意識を彼女に絡め取られていた。
幼稚園で綾子の姿がないか探したが、彼女は見当たらなかった。
母親に綾子が幼稚園にいなかったことを伝えると「この地区の子はみんなあそこに行くと思うんだけどねえ」と不思議そうな顔を一瞬した後「まあそういう家庭もあるよね」と勝手に納得した。
綾子は幼稚園に行っていないようだ。幼稚園で一緒に遊べると思っていた王仁は落胆したが、それならばと綾子を直接訪ねることにした。
午後3時。綾子の家のインターホンを押したら、まず母親が出てきた。
「なに子ども?」
不歓迎な様子を見せる母親に怯まず「女の子いないの?」と尋ねる。
「綾子のこと? なんで綾子を出してほしいの」
「俺、隣の家に引っ越してきた奴。そんでその……遊びたくて」
「ああ〜隣の家の子どもか」
母親は眠そうに頭をかくと、奥に引っ込んでいった。戻ってきた時には綾子を連れていた。
「あと二時間で仕事行かなきゃだから、それまでには帰ってきな」
躊躇う綾子を押すように外に出すと、綾子の母は目の前で玄関のドアを閉めた。
綾子は宇宙人でも見るように王仁を見ている。
「俺のこと覚えてる?」
この質問に綾子はわずかに顎を引いて頷いた。
それだけのことに、王仁は踊り出したくなるほど胸が沸き立つ。
「俺の名前、王仁っていうんだ。カッケーだろ。お前は?」
「綾子……」
「行こう、綾子」
綾子の手を引いて、王仁は公園に向かう。
王仁の家の目と鼻の先にあるその公園は、5歳の王仁が唯一親の同伴なしで行ける貴重な遊び場だった。
王仁は公園に入るなりブランコに座るも、綾子は離れたところから王仁を見ているだけだった。
「なんでそんなとこいんの。こっち来いよ」
「私漕ぐの下手だもん。前それで知らない子に笑われた」
「じゃあ俺が押してやるよ」
戸惑う綾子の手をグイグイ引っ張って、強引に座らせてしまうと、王仁は背中を軽く押して綾子の体を空に近づけさせた。
一瞬ふわりと浮き上がり、すぐにまた戻ってくる。体に羽が生えたような一瞬の快感を何度も繰り返すうちに、綾子の気分も羽が生えたように軽くなっていった。
王仁は、一瞬遠ざかったのちに必ず自分の元に戻ってくる綾子に、感じたことのないときめきを感じていた。風と共に自分とは違う匂いが香って、温もりを纏った自分よりも小さな背中が手のひらにやってくる。王仁はこの瞬間が永遠になればいいと思った。
ふと、綾子の気遣いが現れる。
「押してるだけで楽しいの?」
「楽しい。めちゃくちゃ楽しい」
「そうなんだ」
夢のような時間は、綾子の「もういいや」という言葉で打ち切られた。
「次あれやりたい」
綾子が指差したのは滑り台だった。
綾子の表情は、おどおどしたものではなくなっていた。頬は赤みを帯びて、目はキラキラと輝いている。
王仁はうるさい心臓に戸惑いながら、綾子の願いを叶えてあげた。
綾子を優先的に滑らせて、自分はほとんど何もしないままだった。何もしないで綾子を見ているのが、どんなことをするよりも魅力的に思えたので、不満はなかった。
17時のチャイムが鳴って、綾子はにわかに慌て出した。
「帰らなきゃ」
駆け足で帰っていく綾子の後ろをついていく。どうせ帰り道は一緒だ。
別れ際に王仁は言った。
「明日も来るから」
「うん。また遊ぼ」
バイバイ、と手を振ると、綾子も振り返してくれた。王仁は夢の中にいるみたいだった。
夢見心地な気分は翌日以降も続いた。王仁が幼稚園から帰ってくる時間になると、綾子がすでに外に出て待っているのだった。
やがて王仁の家で遊ぶことが増えた。
おままごとで夫婦の役割を演じた時、王仁はかつてないときめきに胸が支配された。
王仁の家にはよく出入りしていた綾子だが、反対に綾子が王仁を自宅に上げることは一度もなかった。
綾子には二つ上の兄がいた。兄が他人が家の中にいるのを嫌うからという理由で、綾子は友達を家に招けないのだった。
小学校に上がってからも二人の交流は続いた。むしろ一層一緒にいるようになった。綾子と並んで学校に行く登校の時間があまりに煌めいていて、王仁は学校を休みたいとは一度も思わなかった。
小学生になった頃には、自分は綾子に恋をしているのだとハッキリわかるようになっていた。
過剰な照れやドキドキは恋に落ちてからの半年間で落ち着き、王仁はふとした瞬間に綾子に「好きだ」と伝えるようになっていた。
綾子が必ず「私も好き」とこの世で一番嬉しそうな顔で伝えてくれるのも、王仁を素直にさせていた。
付き合うようになってからも、別段今までと変わりない。王仁はずっと綾子を好きで、綾子も王仁を好きだった。好きだから一緒にいるというスタンスは、思春期に入ってからも変わらない。
中学生になり、王仁は柔道部に入った。一年生であるにも関わらず部内で最も体格が優れていた王仁は、すぐに大会に出させられた。体を動かすのは嫌いではなかったし期待されるのも嬉しくて、王仁は部活に打ち込んでいった。
帰宅部である綾子とは、登下校時間が合わなくなっていった。放課後も週一回会うのがせいぜいになっていた。
「王仁くんが好きなことに打ち込んでるのを見るのが幸せだから。私、絶対大会見に行くから。頑張ってね」
綾子はそう言って、寂しいのをおくびにも出さなかった。
この時、笑顔の裏に隠された憂いを見抜けなかったことを、王仁はずっと後悔することになる。
大会の日。綾子が病院に運ばれたと聞いた王仁は、大会をほっぽり出して綾子の病室へ駆けつけた。
産婦人科の病室で、綾子は虚ろな目で腹をさすっていた。
「綾子……」
「王仁くん……」
王仁の顔を見た瞬間、綾子の涙腺が決壊した。
顔を覆って泣きじゃくる彼女を抱きしめて、頭を撫でる王仁。
「もう子ども産めないんだって。私」
子宮に重大な傷を負った綾子は、泣く泣く子宮を全摘することになった。
その重大な傷を負ってしまった原因は、兄からの性暴力だった。
綾子は中学校に入学した頃から、ずっと二つ上の実の兄と、その仲間たちのおもちゃにされてきたのだ。
綾子の兄は、不良グループに属していた。不良仲間に綾子を売っていたのだ。兄は様々な液体をかけられた綾子の写真を撮って、
「大好きな彼氏にこの姿見られたくないなら、誰にもチクるんじゃねえぞ」
と脅した。効果はてきめんだった。
彼らの暴力は日に日に苛烈になっていき、綾子の体はとうとう異常を訴え出した。
試合会場までの道中で倒れた綾子を目にして、道ゆく人が救急車を呼んでくれた。
「王仁くんには絶対に知られたくなかったのに……」
今まで我慢していた分を吐き出すように泣く綾子の背を、王仁は何度もさすり続けた。その顔は「許せない」という思いで、鏡に映せないほど歪んでいた。
許せなかった。綾子を傷つけてめちゃくちゃにした綾子の兄が。我が家が売春宿になっているのを知りながら、知らぬ存ぜぬを貫いていた綾子の親が。
でも一番許せないのは、綾子の心の悲鳴を聞けなかった自分だった。
一番憎いのは、綾子の無理した笑顔に疑いを持つことなく、自分のことにばかりかまけていた俺だ。肝心な時に何もできなくて、こうして全てが台無しになった時にようやく過ちに気づく——。
何のための恋人なのか。何のために綾子のそばにいたのか。世界で一番愛する人間を守れない無力な弱者に価値なんてあるのか。
俺の他人より強い腕力は、恵まれた体格は、やたらと凶悪な顔つきは、何のためにあるんだ?
王仁は、綾子の兄と綾子を犯した不良仲間たちを瀕死寸前まで殴り蹴り、病院送りにした。この暴行事件が原因となって、王仁の元から同級生は離れていった。部活も当然退部させられた。
王仁は学校内、地域内で『ヤベー奴』のレッテルを貼られ、触れてはならぬ存在として孤立していった。
両方の親をも黙らせて、王仁は綾子を強引に家に引き取った。あんな兄がいる腐った家に置いておくことなど、心配でならなかった。
綾子は王仁のものである、決して彼女にちょっかいをかけてはいけない。
そんな認識が学校全体に広がっていった。不良たちは、もう綾子とは目を合わせようともしなかった。
教師も王仁を恐れて何も言えないでいた。それくらい王仁が綾子の兄たちにした復讐は苛烈で、ヤクザも真っ青になるだろうと思われるものだった。
暴力と脅迫をもって綾子を危険から遠ざけることができた王仁は、ようやく自分の強みを理解できた気がした。
高校は綾子と一緒のところにした。王仁は、高圧的な態度と荒い口調を直そうとはしなかった。その理由は、成功体験を積んでしまったことと、未だに身を焦がす「許せない」という激しい苛立ちから来ていた。
もう二度と誰にも綾子を傷つけさせない。次綾子を守れなかったら、一生自分を許せない。
綾子から目を離してはいけない。絶対に絶対に絶対に今度こそ守らなくてはいけない——。
王仁は凶暴な男として振る舞うことで、綾子のそばに変な奴が寄らないようにした。そうしなければ精神が落ち着かなかった。
綾子を傷つけられたことが、根深いトラウマになって王仁をおかしくさせていた。
綾子は時々、真夜中に発作に襲われた。兄たちにされたことを悪夢に見て、泣き悶えながら目覚めるのだ。
そういう時王仁は、彼女を抱きしめて耳元でこう言い続けた。
「大丈夫だ。俺がいるから。もうあんなこと起こらない。俺が起こさせない。だから泣くな綾子。泣くな……」
毎晩同じベッドで寝ていたが、二人の間に性的接触はなかった。綾子は中学を卒業する頃まで、クラスメイトがセックスの話をしているのを聞くだけで過呼吸になるレベルで拒否感を持っていた。
高校3年生になった時には、フラッシュバックに襲われることもなくなり、映画の濡れ場シーンで顔を青くすることもなくなった。
高校を卒業した日の夜、二人は結ばれた。誘ったのは綾子だった。
「王仁くんにお願いがあるの。……私を抱いてほしい」
「怖くないのか」
「王仁くんになら何されても怖くない」
躊躇する王仁を見て、綾子は目の前で服を脱いでいき、一糸纏わぬ体で彼に抱きついた。
「王仁くんが嫌じゃなかったら、私を愛してほしい」
「嫌なわけあるか」
王仁は綾子に深く口付けた。綾子とこうすることが自分にとってどれほど幸福なことか、ちゃんと伝わるように気持ちを込めた口付けを落とし続ける。
王仁の丁寧極まりない愛撫に、綾子の心身は喜びを訴えた。
そうしてとうとう王仁が綾子の中に入った時、綾子の目から涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「おい大丈夫か。辛いならもう——」
「やだ。やめないで王仁くん」
岩のように逞しい背中にしがみつく綾子。
「私を王仁くんのものにして」
綾子の流した涙は感動によるものだった。
ずっと不安だった。怖くてしょうがなかった。
このまま一生彼と愛し合えなかったらどうしようと。一つしかないこの体が楔のように打ち込まれたトラウマから、一生解放されなかったらどうしようと。
王仁は決して自分のそばを離れようとしないだろうけど、綾子は全身で彼を受け止めたかった。当然のように王仁に捧げるつもりでいた初体験を無惨に奪われたままだなんて、耐えられなかった。
彼を受け入れられなかったらどうしよう。彼がしてくれることに嫌悪感を抱いてしまったら? 行為中に悲しみが込み上げてきたら?
綾子の不安は、王仁が自分の中に押し入ってきた瞬間、消え失せた。
綾子は喜びと愛情以外に胸を満たすものがないことが、嬉しくて安心して——熱い感情が昂るあまり、感極まって泣いてしまったのだった。
「王仁くん好き。大好きだよ。私、今とっても幸せ」
体内で動き回る王仁を感じながら、綾子は彼のガッシリした腰に自分の細い足を絡ませた。
その日の真夜中、王仁は綾子の啜り泣きで目が覚めた。
「どうした。やっぱり辛かったか」
「違うの。なんでもないの」
「なんでもないことないだろ。俺に気を遣ってんなら必要ねえ。思ってることあったら言えって」
「……王仁くんとようやく結ばれて、すごく嬉しいよ。こういうこと、無理かもしれないって諦めてたから」
嬉しいと言いつつも、綾子の表情は晴れない。
なんだ。何が辛いんだ。言え。お前を悲しませることは俺がなんだってぶちのめしてやるから。どんな願いだろうが俺が叶えてやるから——。
「せっかく愛し合えるようになったのに、王仁くんとの子どもは絶対にできないんだな、って——そう考えてたら、すごく悲しくなってきて……」
王仁は、冷水を頭から被ったような気分だった。
自分がいかに無力か痛感させられた。
いずれは好きな人との子どもがほしい。そんなありふれた彼女の願いを自分は叶えてやれない。
「ごめん。こんなこと言ったってしょうがないのに」
綾子は目元をこすって、無理に笑ってみせようとしたが、うまくいかずに痛ましい泣き顔になっただけだった。
「ごめんね」
やめろ、謝るな。
王仁は血が出るほど拳を強く握りしめた。自分を殴りつけたい衝動を必死にこらえるために。
綾子はもう子どもを産めない体だ。奇跡か魔法が起こらない限りは、綾子の願いは決して叶わない。
絶望的な気分になっていた時、奇跡が起きた。
"主催者"には、どうやら本当に人智を超えた力があるらしいとわかり、これはチャンスだと思った。
悪魔だろうが邪神だろうが関係ない。願いを叶えてもらえるのなら、何にだって縋ってやる。
罪のない人間を殺すことすら厭わない。
綾子には、二人きりになってすぐに、くれぐれも余計な真似をしないよう口を酸っぱくして言い聞かせた。
「絶対に俺から離れるなよ」
お前は何もするな。
お前は何もしなくていいから。何も考えなくていいから。
ただ願いが叶った瞬間、笑ってくれたらそれでいいから。
綾子の足が消えた時、王仁は絶対に負けられないという気持ちがより強くなった。
奪われたもの全てを取り戻さなければ。
鬼気迫る様子の王仁を前に、綾子の不安は膨れ上がっていった。
四日目の夜、王仁と綾子の元に客人が訪れた。
ほのかだった。
王仁と二人きりで話したいことがある、と言った彼女を王仁は追い払おうとしたのだが、綾子に「話を聞いてあげて」と頼まれて、仕方なく隣の車両に移った。
一番車両にいる綾子の元を訪れることができる人間は存在しないから、少しくらい離れても大丈夫だと安心できた。
殴られるのかもな、と王仁は思った。
おおかたほのかは、三日目のイカれた指示のせいで自分に激しい怒りを感じているのだと考えていた。
哀れなことをしたと思うが、1秒でも早く綾子の元に戻るには、赤の他人に気遣っている場合ではなかった。
綾子と生き残るために何でもすると最初に誓った以上、道徳心は邪魔になる。
ほのかとの行為は、王仁にとっても決して愉快な出来事ではないため、彼女の顔を見た瞬間憂鬱な気分になった。
王仁にとって女というものは綾子一人しかいない。好きでもない女と強制的に行為させられるのは、不快でたまらなかった。
「なんの用だよ。文句が言いたいなら手短に頼むぞ。こっちだって好きでやったわけじゃない。文句なら頭おかしい指示出した主催者に言うんだな」
「別に怒ってるわけじゃない。むしろその逆」
「はあ?」
あり得ないほのかの発言に、聞き間違いを疑う。
ほのかは、王仁に怒りや憎しみを抱いていなかった。
むしろ、自分の性癖に気づかせてくれた彼に感謝していた。
自分は兼と体の相性もまあまあ良いと思っていた。でも、真に自分の望んでいたセックスをされて、そんなことはないと知ったのだ。
自分は兼以外の男を知らなかった。あのつまらないセックスしか知らなかった。知らない物を欲しがることはできないから、今まで兼との性生活を不満に思うことはなかった。そういうものなんだと思っていたから。
5年間も続いた理由は満足してたからじゃない。満足していないということを認識してなかったからだ。
王仁に抱かれなければ、こんな自分気づかなかった。常人離れした欲望が奥底に眠っていることなど知らずに、産湯に浸かっているような行為を繰り返していたはずだ。
「私の彼氏になってよ」
「はぁ? 何言ってんだお前。頭イカれちまったか?」
「お願い。あの彼女のことも、どうせ好きじゃないんでしょ。なら別にいいじゃん」
王仁はこの言葉には返事せずに、くるりと踵を返した。
付き合ってられない。
しかし、聞き捨てならない言葉につい足を止めてしまった。
「あんな欠陥品よりも私の方が気持ちよくしてあげられるよ」
……は?
王仁は、綾子の下腹部と消えた足のあたりに憐れむような視線を送っていたほのかのことを、思い出していた。
あれは憐れみではなくて、優越感が混ざった嘲りだったのだ。
「あの人子ども産めないんでしょ。その上足もあんなになっちゃったし。女として死んでるようなもんでしょ」
気づいた時には、王仁はほのかの首に手をかけていた。
殺した後、何度も何度も顔面を殴りつけた。それでも怒りは収まらなかった。
誰かがやって来る足音で、王仁はほのかの上から退いた。
兼の悲鳴が静寂を切り裂いて、自分は人殺しになったのだと初めて実感が湧いて、口の中に苦いものが溜まるのを感じた。
目が覚めて綾子を攫われたとわかり、もうなりふり構っていられないと決意した。
今すぐに残りのカップルを何とかしなければ。
初めて殺人に手を染めたことで、リミッターが外れていた。
殺される前に殺してやろう。そして、最後の一組になって綾子の体に奇跡を起こしてもらうのだ。
そうすれば俺も——。