第9話 S級冒険者襲来! 絶望の討伐戦
——ドォォォン!!!!
天を裂くような轟音とともに、巨大な光の槍が降り注ぐ。
(……な、なんだ、この威力!?)
俺は即座に《経験値錬金》を発動し、全ステータスを瞬間強化する。
だが——
——バキィィィン!!!
光の槍は俺の防御を突き破り、大地をえぐった。
「……マジかよ」
全身が焼け付くように痛む。こんな一撃、今までの敵とは比べものにならない。
——ヒュオオオオ……
砂塵が舞う中、ゆっくりと"奴ら"が姿を現す。
「レオン・グリード。お前を討伐する」
先頭に立つのは、ギルド最強の戦士——
《天翼のゼノ》
「お前の能力は世界のバランスを崩す。"死を超越する"なんて存在は、許されない」
ゼノは長槍を構え、冷酷に言い放つ。
「覚悟しろ」
(……くそっ、S級冒険者の討伐隊か!)
背後には10名を超える精鋭たち。全員が国家クラスの戦力を持つと言われるS級冒険者だ。
(マジでヤバい……!!)
一瞬で思考を巡らせる。
選択肢は二つ。
1. 逃げる
→ だが、この速度と戦力を前にして逃げ切れるか?
2. 戦う
→ 正面突破は無謀だが、"何か"を錬金できれば……?
「……答えは決まってるな」
俺は拳を握り、静かに呟いた。
「俺のスキルは、"突破するため"にあるんだよ」
俺は即座に《経験値錬金》を発動。
(……いま俺が持っている経験値を、何に変える?)
《死の超越》を得たことで、今の俺は"死の概念"すら扱える。
ならば——
「……ふっ」
ニヤリと笑い、俺は宣言する。
「——《死の経験値解放》」
瞬間、俺の体から漆黒のオーラが吹き上がる。
「なっ……!?」
ゼノが目を見開く。
「"死"を……解放した、だと!?」
「俺は"死"を経験値に変えた。ならば、"死"を放出することも可能ってことだ」
俺の全身を包むのは、"死の概念"そのもの。
「さあ、試してみるか?」
ゼノは一瞬の逡巡の後——
「……面白い」
鋭く笑い、長槍を構えた。
「ならば、"天の力"で迎え撃とう」
——閃光が炸裂する!!!
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