第7話 最強の暗殺者、襲来! 迫る死の気配
「……やれやれ、まさかここまでとはな」
ユリウスは倒れ込んだまま、苦笑した。
俺は荒い息をつきながら、拳を握り直す。
「俺の勝ち……ってことでいいか?」
「……ああ。完敗だよ」
ユリウスは薄く笑いながら、ふっと空を仰いだ。
「レオン・グリード……お前の力は、確かに"規格外"だ。だが、それゆえに——」
——スッ……
ユリウスの指先がわずかに動いた瞬間、俺の背後で"何か"が音もなく降り立った。
——ゾクリ。
背筋が凍る。
(……な、んだ、この"気配"は!?)
「……遅かったな。《死の暗殺者》」
ユリウスの視線の先——そこには、黒いマントを羽織った"何者か"が立っていた。
「……報告では、お前が負ける可能性は1%未満だったはずだが?」
そいつは、氷のように冷たい声で呟いた。
俺は直感した。こいつは——ヤバい。
ユリウスですら、"殺気"をまとわせていなかったのに、こいつは存在そのものが"死"そのものだった。
(……ダメだ。勝てない)
そう思った瞬間、俺の視界が闇に塗りつぶされた。
「暗殺者《死神》が動いたか……」
ギルマスは報告を受け、静かに椅子に腰掛けた。
「……これで、"経験値錬金"の力も終わりだな」
彼は微かに笑い、机の上の書類を指で弾く。
そこには——
『レオン・グリード——ギルド全土における指名手配を決定』
という文字が刻まれていた。
「世界は"安定"のもとにある。異端は……排除せねばならんのだよ」
視界が漆黒に包まれる中、俺は身動きすら取れなかった。
「……お前の"経験値錬金"の力。俺には不要だ」
《死神》は冷たく言い放つ。
「お前はただ、"この世から消えればいい"」
その言葉とともに——
——ザシュッ!!!!
次の瞬間、俺の首元に冷たい刃が突きつけられた。
(……くそっ、早すぎる!!)
ユリウスとの戦いで、俺の体力はすでに限界に近い。
だが、俺は"死"を待つつもりはなかった。
「……悪いが、俺も諦めが悪いんでな」
俺は、最後の"経験値"を燃やし——
「経験値錬金——最終変換!」
俺の体が黄金の光に包まれた。
(……これで決める!!)
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