第10話 討伐戦、決着! "死"と"天"の激突
「——《死の経験値解放》!!!」
俺の体から放たれた漆黒のオーラが、大気を震わせる。
(これは……!)
ゼノの目がかすかに揺らぐ。
「まさか、お前……"死そのもの"を操ろうというのか?」
「ああ。お前が"天の力"を使うなら……俺は"死"を極める」
俺は拳を握りしめ、宣言する。
「——《死の奔流》」
瞬間、黒い波動がゼノを呑み込んだ。
——ゴォォォォォォ!!!!
(……決まったか!?)
だが——
「甘いな」
ゼノの声が背後から響いた。
「——!?」
振り向く間もなく、ゼノの槍が俺の腹を貫く。
——ズバァッ!!!!
「がっ……!!!」
激痛が走り、血が噴き出す。
(くそっ……読まれていた……!?)
「お前の力は確かに脅威だ」
ゼノは冷静に言った。
「だがな……"戦い"で重要なのは、力の強さだけじゃない。"速さ"こそが勝敗を分ける」
ゼノの槍が閃き、トドメが放たれる——
「……いや」
俺は血を吐きながら笑った。
「お前こそ、俺のスキルを理解してねぇ」
「……?」
ゼノの表情がわずかに曇る。
「《経験値錬金》は、"過去の経験"すら素材にできる」
ゼノの槍が振り下ろされる——その瞬間。
「——《過去の死の再錬金》」
俺の体が光に包まれ——
——バチィィィィン!!!
ゼノの槍が俺を貫いたはずの体が、"消えた"。
「なっ……!?」
ゼノの目が驚愕に見開かれる。
「"過去の俺の死"を錬金して、"存在の消滅"に変換した」
俺はゼノの背後に瞬間転移し、拳を握る。
「これで、決まりだ……!!!」
読んでいただきありがとうごさいます!
この作品が面白かったら、感想、ブグマ&評価(下の星マーク)をお願いします!




