セックスしないと出られない部屋にルームメイト(女)と閉じ込められてしまった。
この作品は「なろうラジオ大賞6」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
くそっ、一体どうしてこんなことに。
「この電話、誰も出ない……」
「こっちもだ。このドア、1ミリも動かねー」
ラブホみたいな部屋で、男物のシャツだけを羽織り受話器を抱えるのは内田 未優菜。
開かないドアの前で汗だくなのがこの俺、鈴木 隆。
俺たちは友人で、訳ありのルームメイトだ。
不動産屋の奇跡的な二重契約ミスの結果だが、詳細は省略する。
初日に「接触したらルームシェア即解消」の誓いを立てたからな。
体の関係は一切ない。
外見は超好みの美少女だが、中身が男前すぎるから付き合えなくても問題ない。
それでいて、外を一緒に歩くと他の男が羨望の視線を向けてくるので優越感ある。
すんません本当に清い関係です。
しかし困った。
都市伝説にもなっているあの悪名高い【セックスしないと出られない部屋】に閉じ込められるとは。
揺すられて起きると目の前に下着だけのミユナがいた。
夢かと思って危うく手が伸びそうになったがギリ自制。
着てたシャツを剥ぎ取られて今に至る。
この部屋に連れてこられた記憶もなく閉じ込められ俺たち。
暫くして「【セックスしないと出られない部屋】」だと判明。
ドアは開かないし、電話も繋がらない。
もちろんスマホもない。
俺はミユナが本当は好きだからセックスは普通にできるが、コイツは違う。
大の男不信で、信頼を得るまでに時間がかかった。
だからこの信頼を裏切りたくない。
「なあ」
「おう」
「信じてるからな?」
「あたりまえだろ」
それにしても【セックスしないと出られない部屋】は噂通り不思議な空間だった。
お腹は空かないし眠くもならない。
落ち着いてみれば意外と平気だった。
そういや普段からひとつ屋根の下だからな。
懐かしのゲーム機を発見して対戦してみたら意外に盛り上がる。
これ永遠に闘れるヤツだろ。
「少し飽きた」
「だな」
気の所為だった。
うーん、と伸びをするミユナからの甘い匂いで頭がクラッとした。
この部屋に来てからというもの、どうも五感がエロ方面に敏感になっている。
いきり立ちそうになる欲望を必死に抑えるが、限界は近い。
「様子がおかしいな。大丈夫か? 絶対に襲ってくんなよ」
「ああ。外見は超好みだが中身は全然好みじゃないからな。ただの相棒としか思ってないから大丈夫だ」
「あっ、外見は超好……なんだ///」
「外見だけな」
「中身は?」
「おっさん」
自分が何を言ってるのか分からなくなってきたな。
「しっかしお前の理性強すぎんな」
「はあ? 褒め言葉サンクス」
終
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