05.最初の開発・後編
「どうだった?」
みんなに感想を聞く。
魔法使えない組は…
「魔法って楽しいわねぇ~」
「たのしかった!」
不満はないようだ。
魔法使える父さんは。
「トリガーを引いてからの発動ラグが気になったな」
「あー、やっぱり…最初に試した時魔力の流れから感じた」
不満あり、と。
うん、最初に打った時魔法デバイスの魔力の流れに違和感があったからな、というかそれは…
「あれは単に私が設計をミスった、解決策も浮かんでる」
「んじゃあ俺からは、複合属性とか威力とかぐらいだな」
その辺は魔法メモリーだな。
さて、魔法に優れた種族のアーク種様は?
「ん…さっき言った以外だと、魔術も将来的に使えたらいいと思う」
「ああー、魔術か…」
それは考えてなかったな…ただ魔術がどういう物かまだ分かってない現状では設計図の書きようがないが。
でも、エリサがそういうってことは、理論上可能ということだな。
さっき言った通り私は3から5歳の間で魔術が使えるようになる可能性が高い、考えるのはそれからだな。
「取り敢えずそれは私が魔術を使えるようになってからで…ふんふん、取り敢えずラグの修正と…魔法メモリーはどうすっかな…」
今日はそれで解散になった。
そして翌日両親とエリサに約束したパソコンと、追加で開発したスマホをプレゼントした。
それと、複数台あるならってことでこの屋敷内に限定したネットワークを構築、それに合わせてボードゲームのソフトにオンライン対戦を追加、さらに動画・画像投稿ソフトとそれに合わせて動画編集ソフトと画像編集ソフトを追加した。
これでスマホで撮った動画や写真を編集したりしたうえで投稿できる。
これは言ってしまえば、私が目指す世界のモデルケースだ。
この世界は魔物…というか、風化と魔物の魔素という世界全体に満ちる脅威があるからな、娯楽があまりない。
元日本人としてはそれが辛い…だから誰でも娯楽が作れて発信出来る状況にする、それが現在の当面の目標だ。
それにあたって私が不安に思ったのが、ネットワーク構築だ。
この世界には魔物がいるからな、電波塔建設を邪魔されたり、建設できても破壊されるかもしれない…と、思ったのだが…
私はアイリスと共用の自室にある、テーブルの上にある電波塔のミニチュア…が入った、幼児が口に入れない程度に大きいガラス球を見る。
そう、あれがこの屋敷を覆うネットワークの源だ。
なんと、魔力式の電波塔はあのサイズでこの屋敷を覆えるのだ。
試算したときも実際に作ったときも、起動したときも…実験して結果が確定するまで疑心暗鬼だったが、理論上は前世の電波塔の半分のサイズで王都ぐらいは覆えるほどとなる。
後はまあ馬車が通るような魔物の魔素を退ける魔道具が設置された場所に中継器とかを設置すればいいだろう。
ただ、もう一つ懸念事項…いや、乗り越えなければならないことがある。
この国、というかこの世界では魔法・魔術の使用と魔道具の使用、作成、開発は敷地外でやるなら免許が必要なのだ。
今まで私が行使した魔法も、魔法デバイスもこの屋敷敷地内だったからいいが、これが外なら違法となる。
あ、表の彼岸桜は例外ね、あれは魔道具の基準である術式が刻まれ効果を発揮する物体に該当しない、そういう性質を持った植物だ。
前後編で分けなくてもよかったな…?