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転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
第3章

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攻略対象者:フレディ・イル・ナトゥーラ


「そして婚約者の座に着いたヘンリエッタ様は、かなり横暴な態度が目立っていて殿下からは内心疎まれているのです」

「そうでしょうねぇ。昔はお父様とお兄様がわたくしを際限なく甘やかしていたのですから、我儘になるのは必然でしたわ」


 だいぶ記憶が薄れてしまったが、本当に小さい時(前世の記憶が戻る前)は甘やかされていたなぁ。今も甘やかされている間は否めないけれど、ダメにする方向ではないから安心している。


「殿下ルートでは原作の私(メアリー)は、最初殿下と気がつかないで接触します。殿下もあえて名前は教えませんでしたしね」

「あら、同じクラスではないのですか?」

「そうなのですけれど、会話した時が殿下がカツラを被っていてわからなかったのです」

「お忍びとか……? そんなこともあるのですね」

「そのイベントも起きていないのですけどね。きっとヘンリエッタ様の影響だとは思いますが」

「わたくしがいろいろ改変していますのね……」


 これ、場合によってはメアリー様に恨まれてもおかしくなさそう。


「そうなりますね。そして交流を重ねて、殿下がメアリーに惹かれて外堀を埋めていくのです」

「うわぁ……手に取るようにわかりますわ」


 最近の殿下を思い出し、遠い目になってしまう。メアリー様は苦笑しながら、続けた。


「いろいろイベントはあるのですが、最終的にメアリーを執拗にいじめたこと、今までの素行から王妃に相応しくないとヘンリエッタ様は婚約者の座から下されてしまいます。そして修道院送りになります。ここから急展開というか、メアリーはなんとスタンホープ家に養子に入るんです」

「なんですって⁉︎」


 何がどうなってそうなった⁉︎ 確かに男爵家では王妃になれない。最低でも伯爵位がないと現実問題難しいから、王妃になるために養子に入るのはわかる。しかしいくらなんでもメアリー様もいじめていた家族の養子は嫌がると思う。


「というのも皆様が、娘をそんなふうに育ててしまったことから罪悪感で申し出たのです。王家からの圧力もあったともありました」

「なるほど、これからも貴族として生きていきたいのならばメアリー様を養子とし、協力しろということね」


 メアリー様はこくりと頷く。結局、名前だけ貸すという状態で特に恩恵はないのだろう。それが罰ということか。それならばメアリー様も飲み込めるかもしれない。本人ではないから想像でしかないけれど。


「というのが殿下ルートの主なストーリーです。この王道なシンデレラストーリーと、腹黒系王子様に惹かれる方が多くて1番人気でした」

「腹黒系……あぁ、なんだろう。全く他人事に聞こえませんわ」

「今殿下が気にしているのはヘンリエッタ様ですものね」

「やめて! 現実を突きつけないで! 認めませんわ!」


メアリー様も分かっていたらしい。なんということ。これ、外堀埋められつつあるのでは?

なんとかしないと本当にまずい気がする。


「……えっと、次はトミー様ルートですね」

「そうだわ。トミーのルートもあるのよね。あの子が他の人に執着するのがいまいち想像できないですわ」

「はい、トミー様も原作とはかなり違いますから」

「まあ、そうなのですね」


 どう違うのだろう。今はシスコンこじらせた系(元凶はわたくし)男子ですが。そういえば軟派系男子を目指すと言っていたけれど今のところそんな様子はない。キャラ作りって難しいもんね。ぶれるのは仕方ないと思う。


「そもそもトミー様は飛び級で学園に入学していません。イベントが始まるのは基本街中ですので」

「ええええええ⁉︎ あんなに天才な子が入学できなかったの⁉︎」


 思わず大きな声を出してしまう。それほどまでに衝撃だった。


「そうです。普段の様子を見るに、トミー様はヘンリエッタ様のために飛び級で入学されたのですよね?」

「えぇ、そうね」

「原作ではヘンリエッタ様とトミー様は不仲ですから、当然ではあります」


 それを想像して目眩が起きてしまったわたくしも、大概ブラコンを拗らせている。

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