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転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
第3章

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始まります


 まだ感情は昂っているけれど、そろそろ落ち着かせないと邸にしてしまう。深呼吸を繰り返して、なんとか落ち着かせる。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫ですわ。ありがとうございます。ところで目は腫れていないでしょうか?」


 わたくしの言葉に、メアリー様は覗き込んで確認してくれる。


「はい、問題ないかと思います。見た目には変化ありません」

「それなら誤魔化せるでしょう。もう少し詳しくお話ししたいですが、一旦持ち込みましょう」

「そうですね。……私も相談したいことがあるので」

「そうなんですの? 今日また時間が取れればいいのですけれど」


 話していると、馬車が止まる。どうやら着いたようだ。御者が扉を開けてくれて、迎えにきてくれた執事の手を借りて馬車から降りる。


「うわぁ……」


 隣を見ると、メアリー様は感嘆の声を上げながら邸を見上げていた。目もキラキラと輝いている。

 正直、男爵家とは比べ物にならない大きさだものね。パトリシア様の住む公爵邸はさらに大きいけれど、わたくしたちの邸も大きい。


「ふふ、お気に召してくれたようで何よりですわ。さあ、母が待っていますわ。行きましょう」

「はい、き、緊張します」

「マナーはパトリシア様のお褒めの言葉をもらえていますもの。大丈夫ですわ」


 玄関ホールに入ると、わたくしの専属侍女のエマを筆頭に出迎えてくれる。中心にはお母様が立っていた。


「「ようこそいらっしゃいました」」


 メアリー様は侍女の人数に怖気付きそうになったのか、わたくしの袖をちょんと掴んできた。庇護欲が膨れ上がり、抱きしめたくなるがなんとか堪える。

 代わりににっこり微笑みながら、お母様の前まで連れて行く。


「お母様、メアリー様を無事にお連れいたしましたわ」

「ご苦労様、ヘンリエッタ。改めて、わたくしはアメリア・スタンホープですわ。ようこそ、スタンホープ家へ。歓迎いたしますわ」

「メアリー・キャンベルと申します。お会いできて光栄でございます」


 メアリー様はゆっくりとカーテシーをする。緊張からか、少し動きが硬い。それでもお母様には満足だったようで、笑顔で頷いている。


「ヘンリエッタと仲良くしてくれて、ありがとう。今日はリラックスして楽しんでくれると嬉しいわ」

「はい」


 お母様の雰囲気と言葉に少し緊張が取れたのか、笑顔になるメアリー様。ここはさすがお母様だ。


「パトリシア様はこれからでしょうか?」

「ええ、もうすぐ来るはずよ。……あら、噂をすればね」


 侍女が近づいてきて、パトリシア様が到着したことを伝えてくれる。

 わたくしたちも出迎えるために、姿勢を正した。


「ごきげんよう。アメリア夫人、それからヘンリエッタ様にメアリー様も。遅くなってしまったようで申し訳ありません」

「ごきげんよう、パトリシア嬢。少し見ない間にまた綺麗になったようだわ」

「お褒めいただき光栄ですわ。今日も無理を言ってしまいましたのに、希望を叶えてくださって感無量でございます」


 お母様とパトリシア様が話していると、メアリー様がため息を吐いた。その吐息は心なしか熱を孕んでいるようだ。


「……パトリシア様は本当に、淑女ですね。姿勢、声、眼差し全てが気品に満ち溢れていますね」

「そうですね。学園にいる時とまた雰囲気が変わっていますわ。これぞ貴族令嬢です。わたくしも努力しなくてはいけませんわ」

「ヘンリエッタ様も、とても素敵です。いつだってこちらを気遣ってくださってくれています。とても嬉しいです」

「ふふ、ありがとうございます」


 お母様とパトリシア様がこちらを向く。どうやら挨拶は終わったようだ。


「では、庭にお茶を用意しているの。今日は天気も良いことだし、外で親睦を深めましょう」

「わたくしたちの侍女はお茶を入れるのが上手なんです。気に入ってくれるといいですわ」

「は、はい」

「お茶菓子も、とても美味しいですわ。メアリー様、遠慮してはいけませんわ。損してしまいますもの」

「まあ、パトリシア様ったら」


 わたくしたちのやりとりを見て、お母様はクスリと笑う。


「大丈夫よ。たくさん用意してあるから、皆召し上がりなさいな。今日は楽しみましょう」


 そう言って、座るように促した。


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