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そろそろ避けられなくなりそうです


 お父様に呼ばれた。どうやらお兄様とトミーもみたいだ。執務室に入ると既に揃っていた。


「お待たせしてしまった様で申し訳ありません」

「問題ないよ。2人も今来たところだ」


 ソファに座る様促される。3人で並んで座る。お父様は向かいに座って、話し始めた。


「実は今度、王家が主催するお茶会が開かれるんだ。それで3人に招待が来ているから行ってきて欲しい」


「お茶会ですか? しかも僕たちだけ?」

「お兄様でも年齢的に早いのでは? わたくしたちは早すぎではありませんか?」


 たしか前世ではデビュタントは早くても16歳だったはず。年長者のお兄様ですら14歳だ。世界が違うから年齢が違うのだろうか。


「いや、正式なデビュタントという訳ではない。今回は殿下の誕生日パーティーということで、同年代の令息令嬢とコミュニケーションを取ることが目的だ」

「そうなんですね」


 まあ何事にも例外はあるということか。王族ならその辺りちょいちょいと出来そうだ。

 それにしても殿下かあ。

 ナトゥーラ王国王子、フレディ・イル・ナトゥーラ。わたくしと同じ歳だからもうすぐ12歳か。

 デビュタント前だし、姿はわからない。前世だとテレビとかあったから、平民でも皇族の幼いころの姿とか知れたけれど、人前に出なければ絵姿のみ。もちろん、やたらめったに流失なんてしないからそれこそ知る機会なんてほとんどない。

 唯一知る機会があるとすれば、王宮に行く際に会うということだろうか。それもわたくしたちの年齢では行かないことが多いから、機会はないに等しい。

 それでも、王宮に勤める者から噂は流れるものだ。

 曰く、フレディ殿下は眉目秀麗。ダークレッドの髪に鮮やかなカーマインの瞳。感覚で言うなら彩度の違う赤色の髪と瞳にどこか恐怖を覚えてしまいそうなものだが、それが魅力らしい。わたくしは積極的に知ろうとしなかったのであんまり詳しくない。

 見た目だけでなく、文武両道らしい。既に何度か魔物討伐もしているとか。

 いや、子供に何やらしてるのだ。確かに前世でも15歳くらいの子が世界を救うとか言うゲームがあったけれども。魔物や人間ともバチバチにやり合っていたけれども。なんなら7歳(見た目は青年)が世界救ったものもあったけれども。流石に周りのフォローがしっかりしていたと信じたい。

 とりあえずそれはさておき。つまり別に絶対に姿を隠すというものでもないし、知ろうと思えば知れる、くらいのものだ。

 わたくしが積極的に知ろうとしなかったのは、現在王位継承権第1位の殿下なぞ筆頭攻略対象候補者。しかも見た目良し、勉強、運動よし、神はニ物を与えないを覆した彼がモブな訳がないからだ。

 関わったら破滅へ向かう可能性がある以上、深く知ることは恐怖でしかない。

 それに親バカなお父様のことだ。わたくしが興味持とうものなら、全力で繋げてくるに決まっている。

 その兆候は残念ながら既にある。わたくしが持つフレディ殿下の情報はお父様から得たものだからだ。

 さりげなく誘導されても、家族大好きといえばお父様は嬉しそうにして流されてくれる。さらに家族とずっと一緒にいたいといえばノックアウトだ。

 お父様を暴走させないためにも、定期的に気持ちを伝えることが最善なのである。

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