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転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
4章

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わたくしって歪んでますわ

昨日投稿出来なかった分です。

担当者の方は遅くまでお疲れ様でした。

ゆっくり休んでいただきたいです。


 その後、何かを言いたげにするパトリシア様とメアリー様をはぐらかすのに苦労する……かと思いきや、そんなことはなかった。

 トミーが朝言った通り、休み時間毎に様子を見にきてくれるからである。

 うん。こう言ったらトミーに失礼だけれど、トミーが来るって言った時に反射的に断らないでよかった。

 おかげでパトリシア様が言いにくい状況になっている。

 お昼休みも、トミーが迎えにきた。メアリー様がおずおずと、トミーに提案した。


「あの、トミー様。今日のお昼は、出来れば3人で食べたいなと考えているのですが……」

「……そうですね。メアリー嬢が姉上を()()()守れるというなら、許可しても良いですが……。ただ、今までのことを考えますと難しいのでは?」

「うっ」


 うーん、メアリー様。申し訳ないけれど、トミーの言う通りにさせていただきます。

 大丈夫! と言い切れないのが、最近のわたくしたちの周囲。いや、それにしても誰も望んでおりませんが。

 それにパトリシア様はわからないけれど、メアリー様は一昨日のことを話してきそうな予感がする。

 予感なだけで外れているかもしれないから、外れたら申し訳ないとは思う。

 断られたメアリー様だけれど、諦めずに次の案を出してきた。


「で、では放課後とか……」

「その時、僕が許可しても兄上が許さないと思いますね。ここのところ、兄上が1番姉上のことで気を揉んでいるので。昨日の件も、兄上が1番暴走しましたから。お2人も、その片鱗を見たんじゃないですか?」

「「……」」

「僕か、兄上か。どちらかが付いていって良いなら、許可は出せますけれどね」


 もう、なんか本当、申し訳ない。

 そう謝りたくなるくらいに、2人は悄気てしまった。いや、そうよね。普通に考えるなら、ただ友人と女の子同士で話したいというのに。

 それをトミーもわかっているから、困っている。代替案も出してくれるけれど、パトリシア様とメアリー様にとっては不本意になってしまうことも理解しているから。

 結局、2人は折れることにしたようだ。


「……仕方ありませんわね。けれど、夏休みに入る前に3人だけで話す時間が欲しいですわ」

「では兄上とも相談して、何かいい案がないか考えてみましょう」


 メアリー様は迷っているようだけれど、パトリシア様に首を振られていた。

 なんとか自分を納得させるようにしている。


「お2人とも、申し訳ありません。邸での家族の様子を見ていますと、暫く難しいかもしれませんわね」

「仕方ありませんわ。本当にヘンリエッタ様の周りでは、色々起きすぎですもの。完全にそれらからわたくしとメアリー様で守れるか、と言ったら難しいのも理解しておりますし」

「何かこう、起きそうな時に察知できるような道具があればいいのですけれど」

「それこそ魔術具の話になるでしょうが……。恐らくあれは起きてから身を守るという話になるでしょうし、難しいですわね」


そんな話をしていると、メアリー様がガバッと顔を上げた。

 

「はっ! 私の光魔術なら!」

「メアリー嬢、良い方法があるのですか?」


 すかさず、トミーが聞く。


「いえ……思いついただけで、方法までは……」


 先ほどの勢いは何処へやら、意気消沈してしまったメアリー様。

 メアリー様の光魔術は、本人のイメージ通りになるという転生チート? があるけれど、やはり完全に使いこなすのは難しいのかしら?


「常時結界のようにして、害意のある人を弾くようにすればとも思いましたが……」

「……昨日の彼女たちのように、歪んだ善意では意味がなさそうですね」

「あうう……」


 落ち込んでしまったメアリー様。

 まあお兄様と話せば、何かいい案が出るかもしれないし。

 そもそも。

 

「お腹が空いては、良い案も浮かびませんわ。とりあえず、ランチを食べながらでも考えましょう?」


 そう言いつつも、内心は、良い案が出ない方が都合がいいと考えてしまうあたり、性格が歪んでいるなと思ってしまった。

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