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転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
4章

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トミーはどうしてるかしら


「ちょっと……お2人とも、何とか言ってくださらないと困りますわ。……恥ずかしいことを言いた自覚はあるのですから」


 パトリシア様の言葉に、メアリー様と揃って我に帰った。


「はっ……申し訳ありません。パトリシア様があまりにも可愛らしかったので、天使かと錯覚しておりましたわ」

「私もです」

「……えっと、喜べば良いのかしら?」

「「最高の褒め言葉です」」


 パトリシア様は何とも言えない表情をしている。


「パトリシア様、わたくしとても嬉しいですわ。友人もとても素晴らしい関係ですが、ライバルも素晴らしい関係だと思いますの」

「……それなら良いですわ」


 肝心のわたくしはどうしたら良いか、これっぽちもわからないのだけれど。

 もっと話したいことはあったけれど(主に2人が)、だいぶ時間が経ってしまったのでまた後日となった。

 明日も学園があるので、メアリー様はディグビー公爵家の馬車で寮に戻るそうだ。

 パトリシア様はわたくしもと言ってくださったけれど、ちょうどお兄様が学園から帰る途中で迎えにきてくれた。

 

「パトリシア嬢、いつもへティがお世話になっているね。ありがとう」

「いいえ、わたくしの方がお世話になっているのですわ。……本当に素敵な妹君をお持ちで」

「そう言ってくれると嬉しいよ。けれどパトリシア嬢も、とても素敵だと思う。もっと自信を持って」

「はい」

 

 そんなやりとりをした後、別れを告げて邸に戻った。


◇◇◇


 邸に戻った後、疲れは感じていたけれどもう一つしたいことがあった。

 トミーの部屋に向かい、扉をノックする。

 入室の許可を貰えたので入った。


「姉上。どうしたのですか?」

「少し話したいことがあって。今大丈夫かしら?」

「僕は大丈夫ですが……。パトリシア嬢とメアリー嬢と話していたのですよね? お疲れなのではないですか?」

「否定はしなけれど、今話したいと思ったの」


 そういうとトミーは、ソファに促してくれた。

 従者にお茶を用意するように頼んでいる。やがて出されたのは、ハーブティだった。


「ディナーの前ですし、疲れをとるハーブティです」

「まあ、ありがとう」


 早速お茶を飲む。スッキリしていて、とても良い香りだ。


「それでどうしたのですか?」

「わたくし、トミーに謝りたかったの。魔物襲撃事件の前に、お出かけの約束をしていたでしょう? ずっと延期してしまってごめんなさい」

「……ああ。その件ですか。いえ、あの状態ではままならなかったでしょう。仕方ありません」


 そうは言いつつも、トミーの顔が暗くなったのを見逃すはずがない。


「けれど、とても楽しみにしていたでしょう? わたくしもトミーがわたくしのために計画を立ててくれていたのは嬉しいもの。それなのに2ヶ月近くも反故にしてしまって……。せめて一言言うべきだったのに、それすらもしなくてごめんなさい」

「……」

「トミーが良ければ改めて、日程を調整したいのだけど……」


 トミーが話さなくなってしまったのに、焦りを感じる。怒っているわけではなさそうだけれど、我慢しているような。


「やはり、今更かしら……」


 不安になってきてそう言うと、トミーは目を合わせてくれた。


「いえ、姉上は何も悪くありません。……僕の心境が変わってしまったというか」

「……っ! もしかして、わたくしとのお出かけが嫌になってしまったの?」

「そう言う訳ではないです。……あの事件で考え方が変わったといいますか。その……」


 言いづらそうにするトミー。

 わたくしに関係はあるけれど、わたくしに言いたくないのかしら。


「わたくしに言えないことなら仕方ないわ。けれど覚えておいて欲しいの。わたくしはトミーとお出かけしたいわ。そうね……お父様もお兄様も少し頼りにならないから、お母様だったら良い案が浮かぶと思うの」


 そういうと、トミーは少し呆れた表情をした。


「父上と兄上が聞いたら泣いてしまいそうですね。僕も姉上が嫌いになったとかでは決してないです。ただ、少し待ってください。気持ちの整理がつくまで」


 パトリシア様と似た状態だ。もどかしいけれど、きっとわたくしではダメなのだ。

 わたくしにできることは待つことだけ。


「ええ、待っているわ」


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