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転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
4章

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タスク管理って難しいですわ


 授業が始まるので、教室に戻った。

 殿下もダニエル様もいる。お2人とも特にお変わりないようで安心する。あれ以来、再び殿下たちは忙しくなってしまい会えていなかった。

 けれど殿下から手紙が届くようになったので、近況は知ることができている。

 そう、手紙。手紙交換をすることになってしまった。聞けば、パトリシア様を含めた婚約者候補全員と手紙のやり取りはしているらしい。わたくしだけが、避けていたことで今まで出来ていなかったと恨めしげな視線と共に言われてしまった。

 本当だろうか。だってそういうことがあれば、パトリシア様が言ってくると思うのだ。自慢話とかではなく、わたくしも参加しろという意味で。

 本心で言えば断りたかった。しかし、殿下は有能なのだ。

 また殿下が事件の件で忙しくなる聞いたわたくしは、当事者の1人として協力すると言ったのだ。けれど再び禍々しいオーラを出して殿下は拒絶した。

 なぜそこで再び怒ったのか、流石に分からない。心の中で「なんでやねん!」と突っ込んだわたくしは悪くない。

 どうしてそんな言い方になったかもわからない。

 そもそも、殿下の私情によりわたくしとトミーは絶賛引きこもり中である。(もちろんお母様のこともあるけれど)

 殿下との蟠りも解けたことだし、協力するように言われると思ったのだけれど。というようなことを言って食い下がったけれど、もう聞き取りは大体終わっているらしい。

 後やることといえば、それこそ殿下が動かないと意味がないとのこと。パトリシア様もメアリー様も、普通に過ごしているらしい。

 余談だけれど、事件の処理が落ち着いたらメアリー様への対応も改めて考えると言う。

 それはさておき、何もしていないわたくしはそれでは落ち着かない。

 雑用でもやると言ったら、笑みを黒いものに変えて手紙をねだったのだ。

 うん、勘だけれど。やっぱり他の方とは手紙のやりとりをしていないと思う。

 そして逃げ場を失い、手紙交換をすることになったのだった。

 なんだか外堀を埋められているような気がしてならない。なんとかして逃げたい。

 殿下のことで頭がいっぱいになりそうなのを、なんとか思考から追い出す。そうして今度はパトリシア様のことが思い浮かんだ。

 先ほどのパトリシア様は緊張しているというか、怖がっているようなそんな雰囲気があった。

 何か悩みを抱えているのだろう。しかも今日、急に相談したいというのも珍しい。最初に日程を決めるのがいつもの流れなので、よっぽど深刻な悩みなのだと推測してしまう。

 そういえば以前に、何か悩みがあるそぶりをしていらっしゃったわ。あの時は、もう少し待ってほしいと言われていたけれど……。

 いよいよ話せるようになったのかしら。それならしっかり聞いて、解決の糸口を見つけたいわ。

 あ、あら? そういえば……トミーとお出かけの約束をしていたわね。

 色々あって先延ばしになっていたけれど、これは先延ばしにしすぎじゃないかしら。トミーも何も言わなかったけれど、忘れているわけではないだろうし。こちらも早急になんとかしなくては。

 まあ。わたくしは今まで何をしていたのかしら。パトリシア様にトミー。一気に色々あるわね。

 ちょっとタスク管理が下手じゃないかしら。これはまずいわ。

 今までが忙しかった反動と言い訳したくなるけれど、だからと言って蔑ろにしていいわけじゃないわ。

 とにかく、後でトミーに謝らないと。改めて日程を決めましょう。

 と、色々思考を巡らせていたら、授業が終わっていた。全く聞いていなかったわ。なんということ。

 まだ引きこもりの弊害が続いているわね。気合を入れ直さないと。

 心の中で誓いを新たにする。

 おかげさまで殿下とのことは、すっかり頭から追い出すことができたのだった。

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