表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど!?  作者: 水月華
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/282

リーダー失格ですわ


 辺りを見渡すけれど、他の誰かの気配は感じられない。


「他の方はいないのかしら?」

「そうですね、今のところいなさそうです。……いや、近づいてくる魔力を感じるので、もうすぐ来ますね」

「トミーは流石に魔物の気配は分からないかしら?」

「そうですね。魔力のある魔物ならわかりますが、よっぽど高位の魔物でないと魔力を持っていませんしわかりません」


 そういうことなら、周りは警戒した方が良さそうね。


「では少し広がって、近づくものがいないか見張ります?」

「わかりました。姉上は他のご令嬢を見てあげてください。僕たちで見てきます」

「ええ。よろしくお願いしますね」


 そう言うとトミー達は、少し離れたところにバラけていった。

 わたくしはご令嬢2人と集まり、様子を確認した。


「お2人とも大丈夫かしら?」

「わ、私はスタンホープ侯爵令嬢のおかげで大丈夫です」

「私も特に問題ありません」


 チームメイトだった伯爵令嬢は、人数が増えたからなのか少し安心しているのかな。魔物と遭遇した時より、顔色は格段に良くなっているわね。

 もう1人は……初対面だけれど、しっかり目も合わせられて動いていない。大丈夫そう。

 待って、この方も伯爵家だったはず。なんてこと。クラス違うから名前があやふやだわ。

 

「スタンホープ侯爵令嬢、スタンホープ家の方がお2人いるので今だけでもお名前で呼んでもよろしいでしょうか?」

「確かにまぎわらしいですね。かまいませんわ。あなた方も名前で呼んでもよろしいかしら?」

「はい、どうぞ。スコット伯爵家のアンジェラ。アンジェラとお呼びください」

「わ、私はブーリン伯爵家のジェニファーです」


 お互いに今更ながら挨拶する。いや、ジェニファー様のことはクラスメイトですし、知っていましたわ? チーム分けのところに名前書いてありましたし。けれどどうしても魔物のことで頭がいっぱいで、名前を呼ぶということを全く意識できていなかったんです! というかチームメイトの誰も名前で呼んでいませんわ! あああ、わたくし自分で思っていたよりも緊張していたのね。そんな気遣いもできないなんて。

 これではリーダー失格ですわ。

 と心の中で落ち込んでいると、アンジェラ様が話しかけてきた。

 

「ヘンリエッタ様は、トミー様のことをとても誇らしく思っているのですね。見てるだけで愛情が伝わってきました」

「あら、そうですね。トミーは自慢の弟ですわ。けれどそう言われると流石に恥ずかしいですわ」


 よく過激な愛情表現していると言われるけれど、先ほどは特に大きなことはしていないし(頭は撫でたけれど、許容範囲よね?)何気ない仕草にも現れているのかしら?


「クラスでもトミー様は、ヘンリエッタ様のお話ばかりしているんです。特進クラス全体に、お2人の中の良さは広まっています」

「それは……流石にトミーに自重してもらいたいですわ」


 いや、確かに。クラスメイトにもシスコンが広まっているなとは感じていたけれど。改めて第三者から言われると恥ずかしい。

 思わず顔を赤くすると、ジェニファー様は笑った。


「先ほどまでのヘンリエッタ様は、近寄りがたく高潔な方に感じていましたが……やはり同じ人間ですね」

「ジェニファー様にはきついことも言ってしまったと思っております。余裕がなくて申し訳ないですわ」

「いいえ。ヘンリエッタ様は私たちが生きて帰れるようにと考えてくださっていたのは、理解しております。それに甘えてしまって私の方が申し訳ないです」

「ありがとうございます。そう言われると、救われますわ」


 なんていい子。思わず頭を撫でたくなったけれど、流石に自重する。そんな場合でもないし。


「次こそはお役に立ちますと言いたいところですが……先ほどのことを考えると難しいかもしれません。なので私は皆様の迷惑にならないように、逃げられるようにします」

「私もお話を聞いていると、足手まといになりそうですから逃げることに集中します」

「……ええ、ありがとうございます」


 そんな会話が終わった頃。トミーの声が聞こえた。


「面白かった!」「続きが読みたい!」と思ってくだされば広告下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎をポチッとお願いします!

いいね、ブクマもとても嬉しいです。


ランキングにも参加してみています!

良かったらポチッとしていってくれるととても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ