トミーと合流出来ました
「姉上! ご無事で何よりです。……服が汚れていますね。魔物と交戦したのですか?」
「ええ、けれどなんとか倒せたから大丈夫よ。ところで他のチームメイトは?」
「すぐそばにいます。姉上の気配がしたので、来させてもらいました」
気配? どういうこと?
うん、深く追求するのはやめておこう。
そう思いながら、トミーの頭にくっついた葉っぱをとった。
「それじゃあちょうどいいわ。合流しましょう。人数が多い方が今は安全でしょうし。皆様もよろしいでしょうか?」
「はい」
チームメイトに確認すると二つ返事で了承をもらえた。トミーに案内してもらい、トミーのチームと合流する。
「トミー、本当にスタンホープ侯爵令嬢を見つけたんだな。急に姉上がいるって言うもんだから、幻覚を見たんじゃないかと疑ってしまったよ」
チームメイトが呆れたような、驚いたような複雑な表情で話しかけている。
トミーのところは、令息2人と令嬢1人のチームだったようだ。……気のせいかな。令嬢から視線を感じる。嫌な感じではないからとりあえず良いか。
「僕が姉上の存在を間違えるはずがないでしょう?」
「トミー、それは怖いですわ」
思わず本音が溢れてしまう。トミーが何当たり前のこと言ってるの? みたいな表情してるのも相乗効果で怖いよ。それ、誰でも当たり前ではないですよ?
やはりアレか。ヤンデレ気質があるから、執着する相手を感知する特殊能力でもあるのかな? 何それ怖い。
「トミー達も魔物と交戦したの?」
「はい」
「流石飛び級で入学しただけのことはありました。蛇タイプの魔物が3匹現れたのですが、トミーが瞬殺してましたよ。恥ずかしながら、俺たちは何もできませんでしたから」
トミーの活躍を教えてくれる。蛇タイプって猛毒持っているから、攻撃受けると命の危険があるんだよね。
トミーのチームメイトも幾分興奮しているようだ。確かに殿下直々に鍛えられたのだから、他の人より飛び抜けているだろう。
それでもトミーの活躍に誇らしい気持ちになって、頭を撫でた。
「流石だわ、トミー。姉としてとても誇らしいわ」
「そろそろ撫でる以外の賞賛が欲しいですね」
「機会があれば、考えてあげるわ。とにかく今の状態は普通ではないのですし、おふざけはここまでにしましょう」
そういうと、先ほどまでのほんわかした雰囲気も締まった。
「便宜上、このチームのリーダーはわたくしとトミーでも問題ないでしょうか?」
「問題ありません」
皆様から了承を貰えたので、進み始める。
「姉上たちは、どのような魔物だったのですか?」
「交戦したのは、ワイバーンよ。1体だけだったからなんとかなったわ。ただ、熊タイプの魔物も5頭ほど見かけたわ。流石に逃げたけれどね」
「熊タイプですか……流石に戦うとなると苦戦しそうですね。殿下達と合流するまで交戦するのは避けるべきですね」
「トミー達は他に遭遇しなかったの?」
「はい。ただ、魔力が入り乱れている感じはするので、他も交戦はしているでしょう」
「よくわかるわね? 魔力の感知って簡単にできるものではないと思うのだけれど」
「……殿下に鍛えていただきました」
……遠い目をしているわ。よっぽどキツかったのね。殿下って柔らかそうな雰囲気に反して、結構根性論タイプなのかしら?
いや。この場合はどちらかというと、短期間で習得しないといけなかったからスパルタになったのね。
わたくし達に教える時も、優しく、的確だったからそんなふうに思わなかったけれど、よく考えたら割と厳しかったわ。
慣れるまで疲労が凄かったもの。
……つい考え込んでしまったわ。トミーのいう通りなら気を引き締めないと。
そして、合流ポイントに着く。
そこは身を隠せそうな場所があったり、逆に魔術を放ちやすいようにか、少しだけ開けたところもあった。
なるほど、ここを合流ポイントにするなんて殿下は流石だわ。
……きっとまた権力で地図の情報を手に入れたのかしら。うん、殿下の名誉のために考えるのはやめましょう。




