ノリノリですが、真面目ですのよ?
遂に大台の100話到達しました!
ここまで書けたのは間違いなく、呼んでくださる皆様のお陰です!
ありがとうございます♪
それから、放課後に集まって練習する日々が続いた。
時々メアリー様に向けられる視線が鋭いことがあるが、わたくしとパトリシア様が睨みつけて大きな騒ぎには至っていない。
メアリー様は恐縮しているけれど、周りに聞こえるようにわたくしたちは牽制している。
「あ、あの、お2人とも。私は大丈夫です。私のせいでお2人の評判に傷がついてしまうかも……」
「まあ、おかしなことをおっしゃるのね、パトリシア様もそう思いませんこと?」
「そうですわね。わたくしたちはお友達を大切にしているだけですわ。それでどうして評価が下がってしまうのかしら」
「え、えっとそれは」
「その通りですわ! それよりメアリー様。以前のように過剰なスキンシップは取られていないですか? ふふふ、もしわたくし達から隠れてそんなことをされていたら遠慮なくおっしゃってくださいね」
「す、スキンシップ?」
「ヘンリエッタ様のいう通りですわ。わたくし達からもお礼をしなくてはなりませんもの」
「お願いですからぁ……煽るようなことはやめてくださいぃ」
黒い笑顔のわたくし達に、メアリー様は涙目だ。
ふふふ、何人か顔を背けた方がいらっしゃいますわね。ここまでしてメアリー様に危害を加えようものなら……ふふふっどうお礼をしてあげようかしら。
わたくしが提案したことだけれど、パトリシア様もノリノリでやってくれている。
元々気にかけていたのはパトリシア様だし、当然か。
とはいえ、元の設定が悪役令嬢の2人がやっているからか、かなり様になっていると思う。多分、悪役面が似合うのよね。嬉しくないけれど。
そういえば、前世にゲス顔で興奮する友人がいたなぁ。何でも普段とのギャップにやられてしまうのだとか。どんな性格でも、ゲス顔は常に見れるものじゃないからレアで貴重なんだよって力説してた。相変わらず人の顔は思い出せないけれど。
それはさておき。
こんな軽口を叩いてはいるけれど、メアリー様に最近焦りが見えている。
それも当然だ。件の演習まで2週間を切っているが、まだメアリー様は魔術を使いこなせていない。
殿下曰く、強固な蓋がしてある状態でそこがどうしても取れないのだと言う。すなわち、それさえ取れれば使いこなせるようになるはずという事だ。
それがとても難しいのだけれど。
焦っていては余計に上手くいかないことは、メアリー様も分かっている。分かっているけれど、感情はどうしてもコントロールが難しい。
だんだんとストレスになっているはずだ。うっすら目の下に隈ができているし、寝れていないと思う。
それに加えて、メアリー様への周りの態度がまた悪くなっているのを感じての、先の対応だ。
出来ることからメアリー様のストレスを減らしていきたい。
次はこの悪循環をなんとかしないと。
「メアリー様、わたくしお菓子を持ってきましたの。この間も気に入っていただけたクッキーですわ。お昼休みに一緒に食べましょう」
「わたくしも邸から、茶葉を持ってきましたの。気に入っていただけると良いのだけれど」
「お2人とも、ありがとうございます……」
わたくしとパトリシア様は少しでも、気落ちが楽になれるようにと色々行動している。
メアリー様は笑顔を浮かべているけれど、いつもよりぎこちない。
こういう時はどうしたら良いのだろう。どうすればメアリー様の不安や焦りを緩和できるのだろう。
その時、お母様から聞いた言葉を思い出した。
『へティ。悩んでいる子にはどうするのが、その子の感情を出せるようになるかわかるかしら? ……そう。ただそばにいるだけで良いのよ。沈黙があっても気にしなくていいの。それも立派なコミュニケーションよ。相手が話しやすくなる空気を作って、話してくれるまで待つの。そして話し始めたら傾聴するの。これはどんな時にも使えるから、覚えておいて損はないわ』
そうだわ! 1番基本的なことを忘れていたわ!
これはパトリシア様と話し合って作戦を練り直さないと。
授業が始まったけれど、わたくしの頭の中はメアリー様で一杯だった。
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