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――主文を読みあげます。
主文が先に読み上げられていることで、法廷内の緊張は最高潮に達していた。
永かった闘いがようやく終わるのだという安堵感と、これが最大の山場なのだという緊張感とが、法廷に混沌を生み出していた。
原告は勝利を確信しているかのような不遜な笑みを浮かべているが、検察は目を閉じて俯いている。被告人側は何とも言えない複雑そうな表情だ。
陪審員の間で一応の結論は出たものの、それを知るのは裁判官のみ。誰もが判決を心待ちにしながら、読みあげられる主文に耳を傾ける。
いたずら企画「真夏の裁判」――いよいよ完結。
本編を書く予定は一切ありません。
それにしても、自分で創作したのにツッコミどころが多すぎて笑えます。