異世界転移?がんばって
「ッ…いてて」
ふと目覚めた俺は、白い水平線がただ広がる謎の空間にいた。
「気が付きましたか…転生者、これからあなたは異世界へ帰還されます」
白い光の球が自分に語り掛ける。
「!?」
全く状況が理解できない。一体何が起こったっていうんだ?
自分のことを思い返す。
俺はただ普通の高校生で…今までのんびり生活を送っていて…成績もよい優等生で…
「まだ自分の状況が理解できていないようですね…ハァ、いいでしょう説明して差し上げます」
そういって、その白い球(おそらく神)が説明をする。
「あなたは、生まれつきの地球人だと思っているようですが、れっきとした異世界人です」
白い球の言うことで、俺はよりわけがわからなくなる。
「あなたは、異世界で生まれた後、運悪く時空の歪みに飲まれ、地球に転送されてしまったのです」
すると、白い球は続けざまに
「何か、他人と違う能力を自分は持っているように感じたことはありませんか?」
白い球に言われてふと気づく。
「そういえば、全然病気にかからなかった…とか!?」
「いいえ、全く違います」
(じゃあ、最初から聞くなよ…)
そう一瞬ため息を心の中で吐く。
「では最初から理由を申しあげましょうか?」
「!?…なぜ心の中が読めるんだ?」
「神ですので」
やはり神だったらしい。これから、心の中も気を付けたほうが良さそうだ。
「じゃあ、早く教えてくれ」
そう聞くと、少し間をおいて神が答える。
「貴方は少しの努力で上位のカーストになれる能力<集団適性>を持っているのです」
「…………は?」
さっきの説明を聞いて、考えに考えて末やっと出力された声はこんなものだった。