1/2
そのいち
「矢野くん、おはよ」
学校の門で、クラスメイトから声をかけられた。
一応、女子だ。ちなみに、最近ちょっと気になっている。
「お、はよ」
ちゃんと挨拶できているだろうか。
気にせず彼女は俺の隣に寄ってきた。
「今日、初?」
「何が?」
「挨拶。今日の一番目?」
いってる意味がわからない。
「まぁ、初、かな。家以外では。」
「そっか。」
彼女は嬉しそうな、それでいて意地の悪そうな笑顔を見せた。
「矢野くんの一番、貰っちゃったね。」
「えっ」
「あ、みーちゃん、おっはよー!」
彼女は確かな余韻だけ残して、クラスメイト女子の元へ歩いていく。
心臓飛び出るかと思った。
最近、ちょっと気になっている。
電車チャレンジの一つです。