やっと・・・
暗くてなんか全然大したことはないと思うんですけど、ちょっとだけグロくて、狂ってます。
テロのような行為が許せないって人や、そんなモノ見たくないって人はリターンした方が・・・
ずっと欲しかった。
その笑顔。それを見せただけでみんなを明るくできるそんな太陽みたいな笑顔。
ずっと欲しかった。
その髪。とてもふわふわしてていい香りがいつもする。さらさらしていて、そして、ちょっと癖っ毛なとこがまたカワイイ。
ずっと欲しかった。
その瞳。表情がコロコロ変わってずっと見てても飽きることのない楽しい君の表情。その中で一番すきなのがその瞳。澄んだ色をしていてとてもきれい。まるで宝石のよう。それは時として厳しく、けどやさしいぬくもりを持っている。そんなキレイな瞳。
ずっと欲しかった。
その表情。決して僕だけに向いてくれるわけではないけど、時たま僕にだけ向けてくれるそんな表情が大好き。だって、それは僕しか知らないんでしょう?
ずっと、欲しかった。
―――――君のすべてが。僕の手に。
欲しかった君は、どうしても僕だけに向いてくれなくて。言っても言ってもほかの人にもそんな顔を見せる。
本当は僕だけに向けていてほしいのに。
何度言おうが、君が聞いてくれることはなかった。
だから僕だって考えた。君が僕だけ見ていてくれるように。
そこでさ、思いついちゃったんだ。
君を僕のものにする方法。
ある日、とても大きな事件が起きた。
それは前代未聞で、新聞でもテレビでも大きく取り上げられるほどだった。
それは僕が君と一緒にいるために起こしたモノ。君が手に入るなら何も要らないと思ったから。だから、やった。
たとえ何人の命が犠牲になろうとも、それは些細なことでしかない。
だって、僕はそのおかげで君を手に入れることができたんだもん。
その太陽のような笑顔、さらさらとしてさわり心地の良い髪、美しい宝石ですら曇って見えるほどきれいな瞳、ころころしてて、見てても飽きることのないその表情。
全部、僕のもの。
今、隠れながらひっそりと暮らしているとこで、なんとなしにテレビに流れるそれを見る。
それは僕が君を手に入れるためにやったこと。
前々から目をつけていた、崩れやすそうでなおかつ大きなデパート。
こっそり慎重に。ちょっと小さいけど崩すには十分な威力をもったものを支柱に張り巡らせる。
そして、めんどくさそうだけど来てくれた君にはあらかじめ用意した危険のもっとも低い場所へ連れて行く。
位置、時間、周りの人、すべてを確認したうえで、話をしながらこっそりボタンを押す。これから笑い声など楽しげな声が聞こえるこの場所を、正に阿鼻叫喚、人々の悲鳴と泣き声しか聞こえてこないようなそんなモノに陥れるスイッチを。
はたして、それはみごと成功した。
建物は順調に崩れる。けど、僕たちがいる場所は少し崩れるのが遅い。
だから君を連れてさっさと逃げ道をたどってその場から脱出。人気のない安全な場所まで来たら、その建物が崩れていく様を呆然と眺める、ふりをする。
悲しそうに、だけどより多くの人を助ける手だてはあるはずだと言ってそのなかへ飛び込もうとする君を薬で眠らせて、最後の仕掛けに移る。
それは、デパートの各所に置いた発火装置。それを起動させて、身元不明の遺体を何個も作った。
僕と君が忽然と姿をけしてもおかしくないように。
そのすべてが終わった後、その場は本当に地獄絵図へと化した。
瓦礫から逃げ惑う人々、未だ崩れ切っていないために助けを求める人々、突然現れた炎によって生きたまま焼かれていく人々の叫び声、そしてそのせいでその場はいやなにおいが立ち込める。
僕はそのすべてを見届けると、繊細な君がこんな姿をみて傷つかないように目が覚める前に用意した車へと乗り込み、誰も僕たちを知らない遠い町まで移動する。
そんな一世一代の頑張りがようやく実を結んだ。
逃げてきた町で、僕は君を養うためもともと良かった頭を使って今ではいい職について何事もなく日常を送っている。
帰ったら僕の帰りを君が待っている。事故の際、薬で完璧に睡眠状態へと落ちることができず、聞こえてきた悲鳴や叫び声を聞いて、自分たちだけのうのうと逃げ延びて何事もなく暮らすことに精神的ショックが大きかったのか、死んだように眠っていた君が次に目を覚ますと、そこにはすべてを忘れ去った君がいた。
でも別にそれで困ったことはなかった。適当にでっちあげを説明して、僕は君と仲良く暮らすことができているから。
君はようやく僕だけに向いてくれるようになったね。
その笑顔も、瞳も、すねたり泣いたりといろいろな表情。すべて。
やっと、僕のものにできた。
久しぶりの投稿、こんなものですいませんでした。
最近ちょっと病んでるので・・・
久しぶりにPCの前でカタカタしてたらこんなものが・・・
それでも、ここまで見てくださった方には感謝感激です。
これからも宜しくお願いします。