天啓 もしくは責任転嫁
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いや、無理ですよ笑
無気力。器用貧乏。明るくないタッチのタっちゃん。そんな風に人は評する。長身痩躯の細マッチョだが、やる気が感じられない雰囲気が、貧弱な印象を持たせる。
付き合いが長い友人は、頼りになるけどその気にさせるのが難しい奴とか言ってるらしい。
趣味はとりとめのない事を考える事。特技は無し。好きな事は自分の時間で、嫌いな事は面倒事全般。
高校生で一人暮らしをしているのが珍しいかも知れないが、普通の枠から外れるほど特殊ではない。恋人無し、好きな人無し、初恋も無し。少々枯れた16才。
それが俺。宮崎遼だ。
下校中に意識が飛んで、気が付いたら目の前で何やら物憂げに語る女がいた。夢だろうか。
まあ、物語としてはそこそこ面白かった。
「私は間違えた」
そう言って沈痛な面持ちで黙った女を見て思うのは、夢としては面倒だという事と、面白く思った分だけ、面倒に付き合おうという事だ。
「何を間違えたか、分かってる?」
「それは…愛した事よ」
「違う。与える以外の事をしなかった事だ。子供に刃物を持たせる時に危険性を説く様に、危ない事をしないようにきっちり教育しなかったのが間違いだ」
理想論だし、簡単ではないが、神だと言うなら理想を実現させる為の能力も時間も有るはずだ。
「耳が痛いわね。でも、今さらそれが出来る程、私の力は残っていないの。時間はあるけど、それだけよ」
「そうか、ならそのまま後悔し続けろ」
俺の中に有る、面倒事許容範囲は売り切れだ。そろそろ起きてしまいたい。明晰夢は、自覚すれば醒める物だ。しかし、起きようとしても、一向に意識が覚醒する気配が無い。
「今更だけど、あなたは寝ているのではないわ。死後、私があなたの魂を招いたのよ。この世界を救って欲しくて」
俺は目をむいた。死んだ事はショックだが、世界を救うなんてロールプレイングゲームみたいな事は、どこぞの天気みたいな名前の奴等に任せてしまえと思う。そして何より、
「面倒臭い。断る」
即答した。しかし、相手は聞くつもりは無い様で、捲し立てる。
「時間はたくさん有るわ。長寿で死ににくい体も準備してあるし、きっとできる。あなたの知識だと、吸血鬼が近いかしら。まあ、体に入れば魂が理解するわ。宜しく、この世界を…」
「おい、ちょっと待…」
そして、俺の意識は再び途切れるのだった。
しかし、「レジェンド」の神無月 紅先生とか、どうすれば毎日更新できるんでしょう?
爪の垢でもくれませんかネ?