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名も無き戦いの終わりに  作者: 吉幸晶
16/27

死後の国

一葉と四神獣に阿吽の命が消えて行く様を見ながら、最後は自身の命と引き換えに妖狐を倒した八坂は、死んで天国へ入る。

天国の前室で加茂保憲と初めて会い、先に天国へ入った仲間達を探す様に言われる。

広大な天国の地を舞台に、八坂の仲間探しの旅が始まる。

 八坂が目を覚ますと、闇が視界全体を占めていた。頭の中に霧がかかっているかのように、思考力が沸いてくることは無く、視点を何処に置けば良いのかすら判断できない。ただ漠然と闇の中を見ていると、目が慣れてきたのか、闇は段々と薄らぎ始め、近くに人の気配も感じるようになってきた。

「やっと、お目覚めかな」

 寝起きの所為なのか、まだ頭の中がぼんやりとしていて、状況が飲み込めずにいたが、その声と共に、薄暗い視界の中に、白く丸みを帯びた顔が突如浮かんだ。

「もう少し待ちましょうか?」男が一層、顔を近づけ訊いた。

 頭の中の霧が晴れるのを待って貰うつもりで、「お願いします」と八坂は答える。すると間近に有った顔が、無言ですっと視界から消えた。


「どうです気分は?少しは良くなりましたかな?」

 少しして、男は再び八坂を覗き込み訪ねた。

「お陰様で大分良くなってきたようです」

 八坂はそう言いながら、上半身を起こしてみた。

「痛っ」頭に軽い痛みを感じた。

「大丈夫そうですね。」

 男は起き上がりかけた八坂の背中に、そっと手を添え支えた。

「ここはどこですか?」

 辺りを見回しても、薄暗くて良く見えないが、結構大きな部屋の中に居るように感じ訊いた。

「ここはまだ受付ですよ。」

「受付?」

 意外な事を言われ、八坂は聞き返した。

「そうです。でもご安心ください。貴方が目覚める前に、私の方で受付を済ませて於きましたので、あとはあちらの扉から、中に入るだけです。」

 男が指す先の、ほの暗い闇の中へ目を凝らして見ると、確かに木製の重厚そうで大きな扉が見えた。

「ありがとうございます。お世話になってしまったようで……」

 八坂はお礼を言いながら、男の顔を始めてまじまじと見た。男には珍しい透き通るような白い肌に、丸みを帯びた輪郭。細いが垂れて愛らしい目と、胡坐をかいた立派な鼻に、顎まで伸びた口髭は、綺麗に整えられていて、顎から十センチほど下がっている。髪も櫛通りが良さそうに結われていて、高貴な方なのだろうと思った時、頭を過ぎる名前が浮かんだ。

「もしかしてあなたは、賀茂(かもの)保憲(やすのり)様ではございませんか?」

「ほぅ」と些か驚いた風を装い、二コリと笑うと、細く垂れた目が一層細くなった。それから保憲は、蓄えた口髭を右手で揉みながら聞き返した。

「わかりますか?」

「何となくですが、そうではないかな……と」

 保憲は笑顔でうんうんと頷いた。

「そうか、私は死んだのですね――。」

「やっと思い出しましたか。いやぁ実に見事な最後でしたよ。」

 八坂の頭の中は、忙しく回転を始めた。

「妖狐はどうなりましたか?一葉は?白虎達は無事ですか?」

「まぁ落ち着きましょう。焦る事も慌てる事も、もう必要の無い所へ来たのですから」

「はぁ」と頭を掻きながら「そうですね」、と返事をしたが、内心は急くばかりで、落ち着けようが無かった。


「まず妖狐は、ちゃんと君が封じてくれましたよ。もう二度と、人間界を脅かす事は無いでしょう。それから死んだのだから『無事』と訊かれると、上手い答えが無いのですがね……」

「確かに……そうですね」照れ臭そうに笑って、重い体を持ち上げた。

「改めて、お礼とお詫びを言わせていただきます。本当にありがとうございました。そして、大変申し訳ないことをして、どう詫びたら良いのか、謝罪の言葉も浮かびません。」

 保憲はそう言いながら、立ち上がった八坂に、深々と頭を下げた。

「もう済んでしまった事ですから――。そんなに恐縮されるとかえって困りますよ。」

「本当?許して貰えます?」

 保憲の軽い性格に、八坂は少したじろいだ。

「はっはい。もう良いですから、それより一葉は何処ですか?」

「一葉さん……ですか?」

 保憲の歯切れの悪い言葉に「まさか、ここに来ていないとか?」と少し語気を荒げた。

「いえいえ。ちゃんと来ていますよ。他のお仲間も含めて」

「それでは何処にいるのですか?すぐに会いたいのです。会って詫びなければならないのです。」

「うーん。それはちょっと……」

「ちょっととは、どう言う事なのですか?ここに来ているのであれば、会わせていただけても、良いではないですか」

 煮詰まらない保憲の態度に、八坂は苛立ち始めた。

「まぁ、少し落ち着いて。さっきも言いましたが、ここでは焦る事も、慌てる事もしなくて良いのですよ。」

「でも僕は――。」

 興奮して執拗に迫る八坂を、一生懸命に(なだ)めるのだが、宥めようとすればするほど、八坂は苛々を募らせ保憲に詰め寄った。


「判りましたよ。判りました!」

 結局、保憲が押し切られた形で、八坂へ万歳をして見せた。

「ではそこの扉までしか行けませんが、付いて来てください。」

「本当ですか。ありがとうございます。」

 保憲は「こっちです」と言いながら薄暗い部屋の中を、先程見付けた扉に向かって歩き出した。

 先を行く保憲の、すぐうしろを付いて行きながら、八坂は保憲の身長の高さに気が付いた。

「保憲様は背が高いのですね」

 振り返りはしたが、歩みを止めることは無かった。

「僕はこれでも百八十センチ近くあるのですが、保憲様は僕より数センチも高いように見えるのです。」

「それが?」

「昔の人は、背が低いと訊いていたもので」

「ここは死界ですよ」

「えぇ。おおよその見当は付いております。」

「だから……。色々と面倒になるので、先に説明をしようとしていたのですがね。貴方が急くものだから……」

 今度は振り向きもせずに、前を向いたままで言った。

「説明――、ですか?」

「ここ死界やこの先の、あなたが行かれる天国の事などをですよ。」

 扉の前に着くと振り向いて、八坂の目を見ながら言った。

「今からでも、遅くはありませんか?」

 少し不安になり八坂が聞くと、保憲は「勿論」と笑顔で頷いた。

 

 二人は扉の横に置かれている、椅子とテーブルに向き合う形で腰を掛けた。

「まずその扉の向こう側が『天国』と呼ばれる所になります」

 腰掛けると、間を空けずに保憲が説明を始めた。

「天国には、規則と言うものは原則的には存在しません。何をどのようにしても、個人?いや魂の自由なのです。」

「えっ?」

 八坂の反応に保憲は少し喜んだ。

「どうしてかと言いますと、ここに来る人は『善魂』と言う魂種になるからです」

「ゼンコン?とコンシュ……ですか?」

「ここには、人間界で命のあるもの全てがやって来ます。例えば、地獄へ行った魂も、地獄で悔い改め、与えられた刑罰を終わらせると、魂から全ての『欲』を消した『善魂』に変わり、草木や虫となって天国へ入ることができるのですよ。」

「『欲』ですか?」

「そうです。物欲、性欲、独占欲、支配欲、とか食欲などと言った全ての欲が消えた、純真無垢な魂です。」

「何だか難しいお話しですね。」

 長い話しになりそうで八坂は少し後悔した。

「省きましょうか?」

 八坂の気持ちを察して保憲が訊くと、「できるのですか?」と安堵の色を露骨に表した。


「難しい部分を端折り簡単に言うと、この部屋に居るうちは、今までの記憶は残っているのですが、一歩あの扉から向こう側へ行くと、今ある記憶は全て無くなるので、天国へ来る全ての魂が無垢となり、善になるのですよ。」

 八坂は簡単に「そうですか」と頷いて見せた。

「理解できましたか?」

 保憲が八坂の理解度を気遣い訊いた。

「つまりそこの扉を出ると、記憶がリセットされて、新しい無垢な魂へ生まれ変わる。って事ですよね」

「そうです」

 満面の笑みで答えた。

「大丈夫ですよ、僕にも理解できました」

「本当ですか?」今度は心配顔になって、念を押して訊いてきた。

「だから――。あれ?」

 何かに気が付いて、腕を組み考え込み始めた八坂を見て、保憲はほっとした顔になった。

「ひとつ伺いますが、僕は記憶を無くして、一体どうやって一葉や白虎達を探すのですか?」

「そうです。正解です。そこなのですよ。実に良いところに気付きました。」

「そんな。僕や皆は、命を亡くしてまで妖狐と戦ったと言うのに。この先、例え運よく会えたとしても、お互いが誰だか理解できないのでは、まるっきり意味が無いじゃないですか!」

 八坂が憤然として言った。

「ちょっと待ってくださいよ。私が何もせずにいるとお思いですか?」

「えっ?ひょっとして……」

 保憲が垂れた細い目を大きく開いて、八坂の次の言葉を期待している。

「皆の記憶を――。」

「あっ、ちょっ、ちょっと待ってください。」

 保憲は慌てて、暴走しそうな八坂の期待を止めた。

「いくら私が、有能な第二神……。いえ神の使徒として、上に掛け合ったとしても、貴方達全員の記憶を留めるのは無理ですよ。期待を待たせてしまって申し訳無いが、私が許可を貰えたのは、貴方の記憶だけなのですよ。」

 保憲は面目なさそうに言った。

「本当ですか」

 嬉しさが半減しているのが、見て良くわかる。

「良いですか、白虎達は元々が妖怪で、人間を主食としていたのですよ。それを地獄堕ちも無く、直接天国への入国が許されたのです。」

 八坂はテーブルに右手で頬杖を着いて、左手でテーブルに丸をいくつも描きながら、不服を態度に表して聞いていた。

「では阿吽は?彼等は元々神の仲間ですよ。」と横目使いで保憲を見た。

「確かにそうです。彼等が妖狐の元に落ちた事については、大した(とが)めはありませんので、天国では人間の形を与えられています。」

「それでは一葉は?彼女は貴方の式神として、その命令を、文字通り命を掛けて成し遂げたはずです。」

 八坂が身を乗り出した。


「それは貴方の評価で、正確には、揃えた勾玉を回収するのが、彼女への命令ですから、その辺は加点対象にはならないのですよ」

「そんな、無茶な。」と保憲を睨んだ。

「それに彼女が幼少の時、一度助けてしまったので」

「やっぱり彼女は一葉だったのですね」

「はい。あっ!」唐突に核心を衝かれ返事をしてしまい、保憲は慌てた。

「助けたとは、妖狐に襲われた時……ですか?」

「いいえ。彼女は生まれつき、魑魅魍魎に憑かれ易い体質でした。」

 失言ついでに、渋々と話し始めた。

「魑魅魍魎?」

「そうです――。私は時より神のお許しをいただき、地獄より勾玉の行方を追っていたのです。その時、妖気の溜まり場に気付き、偶然彼女を見付けたのですが、すでに魂だけではなく、肉体の一部をも喰われて瀕死の状態だったのです。」

「なんて……」あまりの惨酷な話しに、悲痛を隠せない八坂を置き去りにして、保憲は飄々と話しを続けた。

「私は彼女に陰陽師の資質を感じたので、神から許しをいただき、彼女の魂を魑魅魍魎から取り戻して、体の傷が治るまでの間、この死界の入口で眠らせていたのです。」

「それが、『神隠し』ということですか……」

 保憲は頷くと回りに気を配りはじめた。

「したがって、彼女は一度死んでしまった事になるのですよ。」

「すると、一葉は幽霊ですか?」

「はい。正確には式神では無く、幽霊となります。」

「だから、見える人と見えない人がいたのか――。」

 

「あれから三十と数年」保憲は薄暗い周りへ、視線を動かしながら小声で話しを続けた。

「妖狐が動き出す気配を感じ、彼女を目覚めさせて、私の式神だと暗示を掛け、魔除けに金色(こんじき)(つるぎ)を渡し貴方の元へ送ったのです。」

「金色の剣ですか?」

「そうです。輝きは草薙の剣と同等ですが、霊力はかなり劣っているのが難点です」

「一葉は草薙の剣だと、貴方から聞いたと言っていましたよ。」

「そんな……。私は、草薙の剣と同じ御神剣の一振りだが、霊力は雲泥の差だと伝えたはずですよ。それを草薙の剣だと思って戦ったら――。」

 保憲は腕を組み、顔を(しか)め「思い込みが敗因だったのですかね」と溜息を吐いた。

 その言葉を聞いて、八坂がテーブルを叩いた。

「そもそも、貴方が妖狐を取り逃がさなければ、私や一葉だって、普通の人生を歩んでいけたのですよ!」

「ですから私は、歴史を変えた重罪を受け、二千年の戒めの刑で地獄に落ちたのですよ。初めにお話しした、『この扉までしか行けない』とは、そういったことからです。」

 保憲が売り言葉に買い言葉で、語気を強めて言った。

「まさか……」

 保憲の境遇を聞いて、八坂は呆然としたが、「まさか、鏡も偽物とか」と気になった事を聞いた。

「鏡……。ですか?」

 保憲が怪訝な顔で考え込む。

「草薙の剣を持った者に渡せと、元成様から白虎達が預かった三種の神器で、盾に変わる『鏡』ですよ!」

 迫る八坂にたじろぎながら、「そのような物は記憶に無いのだが――。」と答え、「天国で元成に会ったら聞いてみたらどうかな?」と続けた。

「元成様は保憲様の生まれ変わりですよね?」

「さっきも話した通り、私は地獄に堕ちた身。いくら第二神……。いえ神の使徒でも、刑が明けない限り、生まれ変わることは元より、天国へも入る事はできないのですよ。」

「では、元成様は――。」

「神のお気に入りの一人――。まったくの別人ということですね。」

 保憲は首を横に振って、少し不服そうな顔を八坂へ向けた。

「でもあなたは、神の使徒なのですよね。だったら僕達なんかに任せなくても、『神の力』で、妖狐の悪行を止められたのではないですか?」

「誰にでも色々と事情があるのですよ――。誰にでも……」

 保憲は八坂の訴えには答えず、静かに何かを耐え凌ぐかのように、自分への答えも合わせて濁した。


「それはさて置き――。」と今までの陰湿なムードを一掃して、話しの内容を変えた。

「彼女も人として入国は済んでいますが、阿吽も同様で記憶は消えています。それと姿や年齢も不詳です。そうそう性別もです。それと、化け猫達は動物か昆虫か、どのようなものになっているかは、皆目検討もつきません――。判らない事ばかりですが、あとは貴方自身で探すしか、皆に遭う方法はないのです。」

「探す……って、何処をですか?」

「そうですよね、天国は広いですから……」

「どのくらい広いのですか?」

「一般的に人間界と比べると、地獄は百倍、天国は百万倍の違いがあると言われております。ですから全員を探すのは、容易な事ではないはず。まぁ、人間界みたいに寿命が無い分、時間はたっぷり有りますから、頑張って探してみてください。そしてそれらしい魂を見付けたなら、相手から理解が得られるまで、貴方や相手の事を辛抱強く説明してください。」

「百歩譲って説明するのは良いとして、浅草界隈の名店だって、然程探して歩かなかったのに、地球の百万倍なんて広さ、一体どうやって探せって言うのですか?」

 想像を絶する広大な話しで、八坂には実感が湧いてこなかった。


「とにかく、まずは探す事ですよ。」

 保憲は深く考えたような思わせぶりな間を取り、結局は答えになっていない事を、さも正解かの様に整然と言って席を立った。

「空を飛べるなんて事――。できるのですかね?」

 後に続いて席を立ち上がりながら、若干の希望を添えて訊いてみた。

「それはありません。空を飛ぶのは鳥。水を潜り泳ぐのは魚。人間界と同じですよ。ただ違うのは、機械文明が無い事です。飛行機や船や自動車と言う物は、絶対に存在しないですし、作ろうとする人もおりませんよ。なんせ人間界の記憶が皆無なのですから、作れるはずもないですし、何より争いが起きないように、魂が寄り添いあうことが無いようにされていますから。」

「天国ってなんか寂しい所なのですね。」

 八坂は扉を見つめ呟いた。


 保憲が手招いて八坂を扉の前に立たせると。

「さぁ、そろそろお行きなさい。行って君が必要とする最愛の人と、七人の仲間を探しなさい。」

 保憲は八坂の返事を待たずに、扉のノブを握ると回した。すると大きく重厚な扉は、何の抵抗も音も無く静かに開いた。

 


 いままでの薄暗さとは対象的に、明るく温かな光が八坂を包んだ。眩し過ぎる光の中で、硬く閉じた目を、時間を掛けてゆっくりと開けた。


 開け放たれた扉の向こう側では、真っ青に澄みきった大空。時間が止まっているように浮かんで動くことの無い白い雲。地平線が三百六十度繋がっている緑色の草原の大地が、八坂を受け入れた。

「私はここまでです。扉が閉まれば地獄へ戻り、悔い改める時間に支配されるのです。」

 八坂が保憲の手を取り硬く握った。

「先程は本当に失礼な事を言った上に、横柄な態度まで取るなど、大人気ない事をしてしまいました。大変、申し訳無く思います。保憲様から頂いたこのチャンスを大切にして、必ず一葉と白虎達を見付け、僕の事を思い出させてみせますよ。そして一葉と一緒になる時は、招待状を出しますので出席してください。」

 保憲は温厚な顔をくしゃくしゃにしながら、笑顔で何度も頷いた。「勿論ですとも。その時は地獄の底から、お祝いに飛んで行きますよ。そうそう最後にひとつ」

 保憲が八坂の耳元に口を寄せた。

「真実がわかっても、くれぐれも神と私を怨まないように。」

 小声で告げ八坂の背中を押して、天国へ進ませ自ら扉を閉めた。

最後の言葉の意味が良くわからず、聞き返そうと振り返ったが、入ってきた扉はすでに消えていた。

 

 保憲の言葉は気になったが、大草原で一人になってしまった事の方が大問題であった。

「一体、どっちへ行けば良いのか、皆目検討も付かないな。」

 とりあえず、じっとしていても仕方が無い。とぐるっと辺りをゆっくり眺めてみると、遥か先の若草色が萌える草原の中に、一点の白い動くものを見付けた。

「これはついているな。この広い草原に、僕は一人じゃなかった。」

 八坂は、皆と出会える事を信じて、白い何かに向かって天国での一歩を踏み出した。

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