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魔王が危ない輩と会う


しばらく、歩くが他の町と大きく変わったところは無い。


「えーっと、ここの通りを抜けて……あった、ここ」

やがて、ボロボロのビルの手前でピタリと止まった。


「……なんだここは?」


「マニアショップ『アトリエ』は全てのマニアを満足させるをモットーに、幅広くマニアグッズを売買する店なんですって。交番長がここに来たら満足するだろうってさ」



あの交番長が……なら、試しに入ってみてもいいかもしれない。


中に入ると、そこには様々な道具が並んでいた。見たことも無いモノから、剣や盾。我の大陸で人間が着ていた魔術師の服装に似ているものも多々あった。非常に豊富な魔術雑貨屋だと見た。確かにここならば、魔族が襲撃するかもしれない。


その時、我の横に並んでいた男が何やら耳に妙なものをつけて震えていた。


「くっふぅ……やっぱりレーナの『フルーツ、俺と私』は最高でござるなー」

そうしみじみ呟いている男の横には、また一人腕を組んで厳しい表情をしている男がいた。


「しかし……まだ、デビューには彼女には早すぎる」


「啓太さん、そんなこと……あなたの口から聞きたくありませんでしたよ」

別の男が負けじと声を張り上げる。


「理想だけではダメなのだよ下矢。東京は……プロはそんなに甘いものじゃない」


「でも……彼女の可能性を信じればこそ」


「僕も彼女の可能性は信じてる。しかし、現時点での彼女の知名度から考えて、まだ早いと言わざるを得ないのだよ。それに、ただ万然とデビューして堕ちて行ったアイドルを僕らはどれだけ見てきた? 今は……悔しいがここ秋葉原で地場を固めるべきなんだ」

熱く拳を振りかざした。


「……さすがです、啓太さん。あなたの深い見識に感服致しました」


「いや、君の意見も素晴らしかったよ。僕らで彼女に天下統一を」

そう叫びながら啓太と呼ばれた男は、フルーツオレを一気飲みしだした。


なんて、熱い議論が行われていることだろう、内容はともかくとして。


「ちょっと、あんた! あいつら、危ない輩だから近寄ったら駄目よ」

花がそう言って、我の手を引っ張って外へ出ようとした。


しかし、その時、あの人間たちの持っていたものを見て思考が止まった。


――間違いない、あの女だ。


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