魔王が人間にえぐられる(再び)
仙道花と言う女(恐らく女)は我をさもいないかのように扱ってくる。何たる屈辱。処刑だけでは済まさん。三族……いや、六族抹殺してやる。
「花ちゃん、そんなに怒らないであげたら?」
そう千草がとりなす。さすがは、他の者より多く胸があるだ女だけある。こいつは特別に我が部下に迎えてやっても、いい。
「千草ちゃん……そんなに誰とでも優しいと、こういう危ない輩に惚れられちゃうよ。唯でさえ、可愛いんだから」
そう言いながら飲料を飲む。
「だ、誰が危ない輩だっ!?」
「ただのおっぱい好きは黙っときなさい!」
「おっぱい……おっぱいとはなんだ?」
千草に尋ねた。
「……胸の事です」
「だ、誰がおっぱい好きだ!? 我をそこらの人間と一緒にするな! と言うか、おっぱいが無いぐらいでカリカリするんじゃない、人間の器量は決しておっぱいでは決まらん! いや、むしろそんな事でカリカリするから貴様はおっぱいが無いんだ!」
ぐわあああああああああっ、足をグリグリされとる!
「き、貴様ぁ、どういうつもりだ?」
「あら、すいませんねぇ! 私はおっぱいが無いもんですから! 瀕死を装うあんたにこんな事も出来ちゃうんですっ!」
そう言って、花は思いきり我の足を踏みつけた。
「うぐぐぐっ……わ、わかった! ある、お前にはおっぱいがある。これでいいだろう?」
「――ろすっ」
花が声が聞こえぬほど小さな声量で呟く。
「んんっ? なんて言ったのだ。物事ははっきりと話せ――」
何やら、昨日の記憶が深く読みあがって来た。何やら嫌な予感が――
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ―――!」
ぐわああああああああ、き、傷口がえぐられる――――! やっぱり同じ展開だったぁ!




