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魔王が人間の世話になる

状況がだいたい、読めてきた。どうもここは拷問部屋では無く、交番と言う身元取り調べ所らしい。『松田茂』と言う名の人間がこの交番という施設の長。『仙道花』と言う者が手下。だが、その女、凶暴につき注意だ。


どうも奴らは我を魔王と見なしていないらしい。こちらも、正体を隠すなどと言う卑怯な真似はしたくなかったがあちらが認めないと言うのならば仕方が無い。


――くくくっ、こちらの正体も知らずに情報を話す話す。この人間たちは何と愚かなのだ。


「ああ、もうこんな時間、あたし交代の時間だ」

そう言って花が席を立った。


「げっ、花ちゃん! この子置いてくの?」


「……他にどうしろってんですか!」

そう花が凄んで茂を睨みつける。


「……おい、お前! 行くところ無いんだったら家来るか? 俺んちはアパート経営もしてて一部屋空いてるんだよ」


「なっ、交番長! 正気ですか? こんな見ず知らずの子どもを自分のアパートに泊らせるんですか!」


「なあ、花ちゃん、頼むよ。東京に一人、寒空に放り出せないよ」


「うっ……その交番長の仁徳は素晴らしいと思いますけど!」


――冗談じゃない! 先ほどからこちらの意志を無視しやがって。


「誰がお前らなどの世話になるか! それぐらいならここで飢え死にした方がマシだ」

そう反論すると、花から拳骨が飛んで来た!


「うぐぐぐっ、貴様……魔王の頭を――」


「黙れ! 本来ならあんたみたいな家出少年は公園で野宿なんだぞ! 早くついてきなさいよ」

そう無理やり交番から連れ出された。


「さっ、行きましょう。私も交番長のアパートにお世話になってるから」

そう花は我の前を歩いて先導し始めた。


――こいつの狙いが、よくわからない。


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