巨鎧伝説
魔導歴4021年、それは突如出現し、国々を襲い、蹂躙した。
それは山のように巨大な鎧の姿で、抗いようのない威圧感を纏い、多種多様の魔物を引き連れ各地に現れ、現代でも最高峰と言われる魔法の数々をものともせず進んだ。
やがて巨大なそれらの名は《魔鎧》と名付けられ、恐怖の権化として人々を震え上がらせた。
目的は何なのか。
意思はあるのか。
どこから来るのか。
何も分からぬまま、人々はただ逃げ惑い、対抗する意志を失くしていった。
魔鎧出現から半年経ち、世界はこのまま終わってしまうのかと誰もが諦めた頃、ある一国のもとに一体の巨鎧が天から舞い降りた。
あれが噂に聞く魔鎧かと、国民が固唾を飲んで巨鎧を見守る中、その巨鎧から厳格な声が響いてきた。
『人の子よ、諦めてはならぬ。そなたらに我が力を授けよう。かの邪悪なもの共を退け、再び平穏な日々を取り戻すのだ』
巨鎧の声を聞いた国王はその巨鎧を身に纏い、迫り来る魔鎧を次々と倒し、その領地を広げていった。
人々は巨鎧を崇め、魔鎧に対抗し得るものとして、敬意を持って《聖鎧》と呼んだ。
その後、各地に続々と聖鎧は現れ、魔導歴4173年、遂に魔鎧が我が物顔で闊歩する世は幕を閉じた。
魔導歴5006年現在、未だに魔鎧は出現し続けているが、出現する度に聖鎧が駆逐するため甚大な被害を被ることはほとんど無くなった。
どうも、肉付き骨です。題名の読み方は『デウスエクスマキナ』のつもりで付けてみました。
今作はSFとファンタジーを混ぜたような作品になっていくと思います。
思いつきで書き始めた作品ですので、至らぬ点が多々あると思いますが、暖かい目で見守っていただけるとありがたいですm(__)m