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梅子と孫娘の結華

第1章 梅子と孫娘の結華

鬼灯の旧家の塀にある外玄関へと梅子(うめこ)結華(ゆうか)は到達した。

迷わずにたどり着けたのは繋いだ手の中にある鍵の存在にあるのはここまでの道すがら説明されていた。

「一定の霊力か、この鍵がなければこの屋敷には到達できないから半妖を守る場所でもあった」

 この外玄関まで着いたらもう安心だと繋いだ手を離して梅子は鍵を開いた。

「……梅子か」

「…………」

 白い割烹着を着た白い着物の恐ろしく美貌の男が声を上げているのを目に入れた梅子は言葉を出すことなく止まっている。

「……梅子? 息をしているか?」

 箒を片手に梅子の前まで歩み寄ってきた。

「……月様、一体貴方は何をやっておられるのですか?」

 梅子は務めて冷静に声をあげる。

「何をって、生活できるように掃除しているだけだ。借り受けることは伝えたはずだが?」

月はなんともないというふうに伝えてきていた。

「夜と天華様も多分向こうで掃除してるはずだが……」

 月の言葉に梅子は頭を抱えていた。

「あまり掃除をする暇がなく、お手を煩わせたようで申し訳ありませんでした」

 梅子は反省している口調でいう。

「……何を言う」

 月は務めて柔らかい口調でつづけた。

「お前たちは、使用人ではないのだから気にせずともいい。逆にこちらが何も知らせずに急遽、貸せと頼んだのだからこの位のことはしなければな」

 月は梅子の肩を軽く叩いていた。

「……天華様の所へ連れていこう」

 月は梅子と結華を見て居間への廊下へと歩き出していた。

 旧家の屋敷の作りは、今現在、梅子たちが生活している屋敷と似通っていた。

 ただ広さも部屋数も少し減らされているように結華には感じた。

居間の掃除をしている銀髪で金色の瞳の少女と黒髪と金色の瞳の女が掃除をしている姿を見て梅子がふらつく。

「天華様、夜。お客さんだ」

 月の言葉に天華は顔を上げた。

天井の掃除をしていたらしい夜は月の方へ目線を落としていた。

「……あ、ごめんなさい。埃っぽいよね」

「梅子だー!」

 夜は梅子の姿を認めると明るい声を上げる。

「ところで……後ろの子だれ?」

 夜は首を傾げて結華を見ている。

「まるで煉華さまみたいな……」

 夜はボソッと言葉に出していた。

「休憩……しましょうか」

 月は天華と夜を見て声をかけている。

「……そうですね」

「お菓子とってきますー!」

 天華はうなづいて、夜は台所にお菓子を取りに行く。

 何か大きな物が床に崩れ落ちた音と夜の悲鳴が聞こえてくる。

「様子を見てこよう……」

 月も台所に遅れて向かう。


 お菓子とお茶を持って月と夜は戻ってきた。

「さて、話を初めてもよろしいですかな?」

 梅子はニコニコと三人を見ている。

「はい、大丈夫ですよ」

 天華はうなづいていた。

「……後ろの娘に関することか?」

「孫娘の結華です」

 梅子はうなづいて後ろに控えていた少女を紹介している。

「こちらは天華様じゃ」

 梅子が紹介している一瞬の間に懐かしい空気を纏う少女、結華に天華、夜に月はふと煉華を思い出していた。

「あと、こっちの女性は夜に白い男性は月です」

 天華は“よろしくお願いいたします“と手を差し出す。

「よろしくお願いいたします!」

 差し出された天華の手を握り結華はガチガチになりつつ頭を下げる。

「気楽でいいですよ」

「物語の人物に会えるなんてなかなかないから!!」

 天華の気楽で……という言葉に気楽になんてむりー!っと心の声を漏らししながら結華は叫ぶ。

「よろしくー!」

 夜は両手を挙げて声を上げていたがその手を月は捕まえている。

「あれ? なんで??」

 夜は月を見て首を傾げていた。

「相手は人間だ。そのまま抱きつくと締め落とすことになるかもしれんからな」

 冷静に月は分析しつつ結華を守るのであった。

「あはは! 元気な方なんですね」

 夜を見つめて笑いかけている結華に月は夜の手を離して、夜はそのまま頭に手をやり掻く。


 そのまま楽しげに話している3人を横目に梅子に天華は声をかける。

「梅子、何故?」

 孫娘を紹介した梅子に首を傾げているのを梅子は笑っている。

「……人の生はいつ途切れてしまうかわからないものです。私も年ですし、教えれる状態で次世代へと席を譲る」

 “そのように決めたのです”と梅子の目が語る。

「……梅子、寿命の心配してるの?」

 夜が話に入ってきた。

「人間だからねぇ。 意外にもすぐくるやもな」

 夜の言葉に月は思いっきり夜の後頭部を叩いていたが、梅子はのんびり答えていた。

 のんびり答えている梅子と人の寿命を受け入れている月以外はしょんぼりとしていた。

「すぐ、どうなるってことはないですがね」

 梅子は暗くなりつつある雰囲気を払拭しようとしている。

「そうなんだ」

 ほっとした夜と結華同時に反応しているのを見て梅子は笑う。

「逆に夜様とお話しできたことを土産話として持っていけるのは光栄なことです」

 胸を押さえて梅子は笑っていう。

 しばらく話しているうちに夕焼けに色を変えて行く空を見上げて梅子と結華は2人は家に帰ると立ち上がり結華は、「また、あそびにくるねー」と手を振りながら今の鬼灯の家へと戻っていった。

 

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