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異世界の酒場

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「どこだここ」

 目を覚ますと、俺は異世界に居た。

 俺はもと はじめ27歳独身。

 開業3年目の、至って普通のラーメン屋だ。

 スープは魚介。

 最近ラーメン屋が全然繁盛しない。

 まあ親父から引き継いで成り行きで始めたラーメン屋。

 親父には悪いが、店畳んで一般企業に就職した方がいいのかもしれない。

 そんな俺には、異世界へ転移するための大それた理由なんて何も無い。

 しかし俺は今、異世界にいる。

 つまりただの偶然でここに来てしまったに違いない。

「参ったな、漬け込んでるチャーシューが腐る前に帰れるかな」

 辺りを見回すと、そこは酒場だった。

 異世界の酒場のど真ん中に、俺は転移したらしい。

「おう兄ちゃん。何そんなところに突っ立ってんだ?」

 最寄りの座席に腰掛ける大柄の男に話しかけられた。

 気まずい。俺はコミュニケーションが苦手なタチだ。

「すみません。ここって何処ですか?」

「あん?ここは【酒場デ・ラルカ】だよ。自分で入って来てただろ?兄ちゃん旅の人かい?」

 酒場であることは確定したが、それ以外の情報が無い。

 それに酒場と言っても店の様相が元いた世界のそれとは大きく違った。

 まず丸い木のテーブルが所狭しと並べられている。

 そしてそれを取り囲む樽を椅子にし、客達が座っている。

 さらにそこに並べられた料理は、どれも見たことの無いものばかりだ。

 メニューも見てみたが【プグの酢漬け】【ゴルビ焼き】と言った内容を全く想像できない物ばかり。

「どうやら本当に異世界に来てしまったみたいだ。チャーシューが腐る前に帰らなくては」

「何処行くってんだい兄ちゃん。酒場でやることと言えば1つだよな?」

 俺は大男とその取り巻きのテンションに乗せられ、つい酒を酌み交わしてしまった。

 しかもよりによってビール。

 俺はビールを呑むのは金曜と土日だけと決めているのに。

 俺は大男達と少しばかり親しくなった。

 なので、帰り際にこの世界について聞いてみた。

 その結果、以下のような情報を得た。


・この国の名前は、【シュレッジ王国】である。

・政治体制は【王政】。

・人間だけで無く、獣人やゴブリンといった異世界特有の者たちが居る。

・文明が開花してから間も無いとのことで、誰もが旨い食べ物に飢えている。


「兄ちゃんもしかして異世界の人?」

 そうだと答えると、彼らは笑った。

「そうかあ。たまに来るんだよな、異世界人」

「そうなんですか?」

「おう。兄ちゃんで3人目だな。そうだ、これ」

 男に手渡されたのは小さな紙切れだった。

「それ俺の連絡先な。また飲もうぜ」

 そう言うと男たちは夜の闇へ消えた。

「連絡先を貰ったはいいが、どうやって連絡するんだろうか」

 紙切れには【33625-66】と書かれていた。

 俺は物は試しで、スマホを取り出してみる。

 ダイヤルに数字を打ち込んでみるが『お掛けになった電話番号は電源が入っていないか...』というお決まりの文句が流れた。

「まあそうだよな」

 俺は別にガッカリするでも無く、悲観するでも無かった。

 ただ飲み屋街の真ん中に敷かれた石畳の上でぐいっと伸びをしてみた。

 すると、俺の動作の何に反応したのか目の前には【ステータスウィンドウ】と書かれた板が現れたのだった。

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