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10 呪印術の繋がり

聞きたいことがある。


「繋がり」って、どう思う?


良いものだと思うか、それとも――時には恐ろしいものだと感じるか?

俺は今、繋がりがこんなにも重いものだってことを実感している。




俺は夜の街を歩きながら、右手に視線を落とした。

ルビーの魔石が埋め込まれたブレスレット――これが俺の力を支える重要なものだ。

そのブレスレットが、不規則に脈動し始めていた。

「まただな。」

俺が呟くと、ブレスレットが微かな光を一瞬放つ。


その光は、まるで何かの異変を警告しているかのようだった。

「零、ブレスレット…何か言ってる?」

ハルが肩の上で小さく声をかけてくる。

「いや、ただの反応だろう。」

俺は軽くそう言ったが、内心では警戒を強めていた。


路地裏の呪印術が示すもの、それはまだ全容が見えない。

ただ、一つ確かなのは――誰かが意図的にこれを仕掛けているということだ。


「呪印術を操る者…そいつが何を目的にしてるのか。」

俺は歩きながらそう呟いた。

その時、スマホがまた震えた。

またしても知らない番号からの着信だ。


「零だ。」

俺が出ると、低い声が耳に響く。

「次の模様は明日、さらに強力な術式になるだろう。」

「…誰だ?」

「お前に忠告しておく。次は止められない。」


その言葉に、俺は即座に返した。

「止める。誰が仕掛けたかも突き止めてな。」

電話の相手は短く笑い、そのまま切れた。


君ならどうする?

こんな脅しを受けて、それでも前に進むなんて簡単なことじゃない。

俺も正直怖いさ。

だけど、これを止めるのは俺しかいない――そう思うと動かずにはいられないんだ。


翌日、俺は再び呪印術が現れる場所に向かった。

ハルを肩に乗せて、静かに気配を探りながら歩を進める。


「零、これ…昨日のよりもっと強い気がするよ。」

「ああ、俺もそう思う。」


路地裏の奥には、再び巨大な模様が刻まれていた。

それは、これまで見たものとは比べ物にならないほど複雑で、力強い魔力を放っていた。


俺が模様を観察していると、再び空間が歪み始めた。

「来るぞ!」

俺は咄嗟にブレスレットに力を込め、防御魔法を展開した。


その瞬間、巨大な魔物が空間の裂け目から姿を現した。

これまでの魔物とは違う、圧倒的な存在感――異世界でも上級中の上級に分類されるような奴だ。


戦いはこれまで以上に激しいものになった。

魔物の一撃は容赦なく、防御魔法を打ち破ろうとしてくる。

だが、俺も負けてられない。

「行くぞ…!」

ブレスレットが再び光を放ち、力が体に流れ込むのを感じた。


渾身の一撃で魔物を倒した時、俺の体は疲労で限界寸前だった。


「零、模様がまだ…!」

ハルの声で、俺は気づく。

模様は完全には壊れていない。

さらに何かが動き出そうとしている――そう感じた瞬間だった。





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