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は?

この世界には魔獣が存在する。


「だから、道中で喰いちぎられ、再生不可のになったらゲームオーバーだ。了解?」


サンは銃に弾丸を装填する。


「嫌だあ。嫌だ嫌だ嫌だあ!!!やけに重装備だとは思ったけどさあ!!喰ちぎってくんの?痛くね??」


俺は顔を歪めて、その銃を床に捨てた。精神が入れ替わり入れ替わる。お互いの精神が喧嘩したら、お互いが身体の主導権を握ろうとするから、かなりの情緒不安定だ。


「覚悟を決めろ。さっさと行くぞ」


「で?俺のメリットは??」


「は?」


「俺にメリットが無かったらする意味ないじゃん」


サンに楯を突いた俺は、ここから一歩も動かないと言わんばかりに堂々と座り込んだ。


「メリット、メリット、メリット……って言っても、ルナの身体は死んでるしなあ」


「何もないの?」


「んーーー、あっ!」


「何?」


「セッ○スさせてやるよ。ヴァンパイアのは人間の数十倍、飛ぶらしいぜ?」


下心がギュンと唆られる提案をされたが、俺は決して下心で動くような人間では無いので……


「は?キッモ!!お前の脳内年中発情期かよ」


と興味なさげに貶してみた。


「特大ブーメランだけど??」


あ、俺の脳内も見透かされてるんだった。やりてぇやりてぇやりてぇやりてぇ、ただ今の俺の脳内、九割五分これだ。キモいだろ?俺もそう思っているが、下心には逆らえないのが、人間の性である。



ミレは体術、ジュリは魔術を教えてくれる。二人とも若いのにその優秀さを買われ、僕の家庭教師になったエリートである。だからといって、僕がエリートになる見込みはない。体術なんて、体育の授業でやった柔道以来だ。何から手を付けていいか分からないので、一回手合わせを願われたが、フルボッコにされそうで嫌だった。けど……あれ?何かスローモーションに見える。そのまま僕は、彼女の足を払った。彼女がよろけて僕の方へと倒れ込んでくる。


「ちょっ……!!?」


彼女を支えようと伸ばした指先が触れたのは、クッションよりも柔らかな……ソレだった。


「……ん?何触ってんの?この変態っ!!」


「いや、違、くて……」


「違くない!!」


「これは、たまたまで」


「何か卑猥に聞こえる……」


「そーゆー言い方は、ふふっ、やめてください」


僕は弁解する立場なのに笑ってしまっては有罪だ。


「いーよっ?そんなに触りたいのならご褒美に触らせてあげても……」


は?良くないだろ、それは。

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