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貧乏くじ

グオオオオオオン!!!!


そこら中にドラゴンの鳴き声が響き渡る。ドラゴンの吐いた炎で檻の鉄格子が溶ける。それなのに囚われていたヴァンパイアは四隅に座って震えたまま。


「死ぬしかない死ぬしかない死ぬしかない死ぬしかない」


そんなことをひたすら唱えていた。ドラゴンはそいつの懇願する声に反応して、ガブッと無惨にも食べてしまった。ドラゴンはクチャラーだった。その口の隙間からどんどんと人型を失っていくそいつの姿が見えていた。


「ヴァンパイア!これどーすんの??」


「あーーー、知らね!だって、明らかに強そうじゃん」


「そんなこと言ってる場合かよ!全員死ぬぞ??」


「じゃあ、ちょっとはお前考えろよ!!!」


その声が鶴の一声のように響き渡って、辺りがシーンとした。ドラゴンが逃げ惑う俺達に火を吹いた。


「わーー!!とりま、ドラゴンをぶった切れる剣とかないの!??」


「あ、私聞いたことあります!お父様から。ヴァンパイアの谷にはドラゴンの骨をも切れる最強の剣があるって」


「ナイス、セレーナ!でもまた行かなきゃなんないのー?」


とダルそうに話すカルマ。


「馬鹿かお前。ヴァンパイア達がここにいて、何で剣は置いてくんだよ。剣ごと持ってきたに決まってんだろ。ドラゴンがここにいるのがいい証拠だ」


「剣の存在知らなかったお前がよく言うわ」


「あれはヴァンパイア界隈ではおとぎ話でなあ?!」


と喧嘩している内にまたどんどんとドラゴンとの差が縮まっていく。攻撃魔法も意に介さないドラゴンはただひたすらに俺らを追っているんだ。


「あーもう、シノ出せシノ!」


「アイツはダメだ。死ぬ気でドラゴンに向かっていく」


「それがアイツの良いところじゃん」


「つくづく、人の心がないことで」


ルナに代わるとルナは案の定、ドラゴンに向かって飛んでいき、その目ん玉を蹴り飛ばした。ドラゴンがルナのことをロックオンする。飛び回って逃げるルナ。その間にここから逃げるその他。はあ、ため息が出る。いっつもルナって貧乏くじ引かされてんね。


「いいよ。俺が生きて、くじを引けてることが異常だし」

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