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やっちゃったね

サンは地下のバーで働いているウェイターだった。ここのマスターはサンがヴァンパイアだということを知りながらも雇ってくれた心優しい人なんだという。輸血パックもこの人が仕入れてくれているらしい。けれど、


「マスター、本当にお世話になりましたっ!!」


サンは今日付けでここのバーを辞める。俺達は旅に出ることにしたのだ。え?何の旅かって?それはサンの家族を助ける旅だ。この国の西の山を越えた、隣りの隣りの隣りの国にサンの家族は捕らえられているらしい。何故、今まで助けに行かなかったんだって?それは野宿した瞬間、焼死体になるからだ。


「ソルくん、若い女の子から人気あったのにねぇ」


耳を疑った。瞬きをした。そーだ、今このビジュじゃん。無双できんじゃん?


「え、じゃあ、あと一日だけ働かせてください!!」


俺は気が付いたら頭を下げていた。でもこれは、俺に主導権を握らせたサンが悪い。辞めたいのなら自分で言え。


「は?何言ってんだルナ!!」


「だって、俺だって、モテてぇんだよ!!!」


俺のその心の叫びは、サンに強く響いたようで、それ以上もう何も言ってこなかった。家に帰った後で、荷造りした鞄を見て、ちょっぴり虚しくなった。



お嬢さんは耳まで真っ赤にした。僕の悪いところは、ウブな反応が大好きすぎるってところだ。他の選択肢が見えないほど、盲目的に僕を愛してくれる人じゃないと僕は愛せないから。僕は彼女へと手を滑らせて、さりげなく近付きながら、彼女の柔らかな手を握る。


「か、カルマくん、それ以上は、ダメ、ですから……」


「え?何が??」


惚けて首を傾げて聞き返す。彼女と肩同士が重なって、触れ合った。


「は、恥ずかしくて、死んじゃう……!」


とベッドから立たれて、ヒール履いてんのに走り去って、逃げられてしまった。あーあ、でもまあ、ダブルベッドを独り占めできるから、いっか。それより、あの反応、超可愛かった〜♡

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