第4話 最初の戦い
今回で序章が終わるって感じです!
よければ読んでください!
「とりあえず校内は全て覚えられましたかね・・・・・・」
時計を見ると時刻は8時10分。
入学式が始まる5分前の14分前になっていた。
「さて、そろそろ体育館に向かうとしますか・・・・・・」
この場所から目的地の体育館まで、黒木の歩行速度だとかかる時間は12分、
そこから靴を履き替え指定場所に着席するには2分要するだろう。
つまりこの男 黒木はピッタリ5分前に着席するつもりなのだ!!
いついかなる時でも5分前行動を行う!
まさに5分前行動実行者の鑑なのである!!!!
そして黒木は始まりの地 «体育館»に向けて歩き始めた・・・・・・。
しかしただ歩くだけではない!!
校内情報再確認!
覚えている情報が正確かどうか確かめながら歩いているのだ!!!
しかも右耳にイヤホン!
必要な情報を覚えているのだ!!
黒木の脳内情報と実際の校内情報のシンクロ率・・・・・・100%!!!!
歩く学園案内マップの完成なのである!!!!!!!!
そうしているうちに体育館に到着。
辺りには体育館に入ろうとしている生徒が10数名。
黒木と同じく5分前行動をしているのだろう。
黒木は靴を履き替え館内に入った。
約半数もの生徒が既に着席していた、早くから来ていたのであろう・・・・・・
「なるほど・・・・・・底が知れますね」
そもそも5分前行動とは旧大日本帝国海軍伝統のものであり、相手への敬意、遅くもなく早くもなく、用意する相手への配慮、信用問題などの様々な意味がある。遅れるのはもちろんダメなのだが早く来すぎることも良くないのである。
やはり5分前丁度に来るのが最も良いいのだ。
しかも今日は入学式、黒木のように校内を覚えることが1番なのだが、各々しなければならない勉強をするというのも大いにいいだろう。
しかしなんだ!
今ここにいる早くから来た生徒達は勉強もせず!!
ただただ入学式を集中して待っているだけなのだ!!!
実に滑稽で間抜けなことであろうかっ!!!!!
黒木はその生徒達の間を堂々と、ただ堂々と歩き席に着いた。
その瞬間、時計の針が8時25分を指した。
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式が始まるまでの5分間にすることはもちろん生徒達の情報収集だ。
ただ集中して座っているだけでも分かる情報は沢山ある。
例えば集中力だ。
勉強にとって集中力は必要不可欠、式が始まるのを集中して待っているのにも関わらず続々と入ってくる生徒に集中力を切らしている者に勝利など訪れない。
他にも服の着方で真面目さが分かり、
座り方や髪型で意識の高さが分かる。
つまり入学式が始まる5分前が最初の戦いなのだ!!!
なるほど・・・・・・
やはり早くから来ている生徒は集中力が欠けていますね。
ここは1つ、探りを入れてみますか・・・・・・。
「ごほんっ!」
黒木はわざと咳をした。
静かだった空間に音が生まれると普通の人なら誰しも少し集中力が途切れてしまう。
今ので集中力を切らさなかったのは・・・・・・見える範囲で2人ですか・・・・・・。
この2人の集中力は、本物ですね。
そう!
黒木はたとえ後ろ姿しか見えなくとも少しの体や気の動きだけで集中力が切れているのかどうか分かるのである!!
再び静かになった体育館にアナウンスが響く。
「これから入学式を始めます。生徒の皆様はお静かにお願いします」
入学式が、始まる━━━━━。
次の話からついに物語が始まります笑