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鬼の矛先は《人間》  作者: 桜
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第九話 「ダンジョンの罠」

 

 私の考えが当たっていたらしくかなり進んで行ったが途中でモンスターと出会う事はなかった。

 何回かの別れ道に差しかかったけど、少し進んだ所で血の匂いがするかを確認すればどこが正しいのかが分かった。

 それと行く先々の道の横に色々な種類のモンスターが手や足を切断されて殺されていた。

 これである疑問が解けた。

 血の匂いを嗅いでいる時に少し行く度にモンスターの死体と少し違った血の匂いがしていた。

 多分この道しるべの血はモンスターの手足を切って作ったんだと思う。

 酷い事だとも思うかもしれないがこの方法は効果的でもあり逆効果でもある。

 先に言っておくけどこれは私の勝手な予想なんだけど....

 血は乾いて固まるとそう簡単には落ちない。だから道しるべとしてはそれなりにいいの。

 でも、血の匂いはモンスターが大好き?な匂いなの。その匂いにつられて別の道にいるモンスターが近寄って来る事だってあり得るの。

 そうなれば余計な戦闘を強いられてしまうため、死ぬ可能性だってある。

 また死なずに済んでもボスの時に不利になる事だってあるから本当ならやらない方法だと思うんだけな。

 そしてこの考えを述べている時に思ったんだけど、これ私もヤバくない?

 自分の目的を果たすために上がってきたのにこんな所で死ぬのは嫌だ。

 そう思い私は早足で先へ進む。その間、ずっとモンスターに遭わない事だけを祈っていたのは言うまでもない。

 そんな思いで迷路を抜けると次は長さが大小それぞれの岩というか足場?が乱雑に飛び出た所に出た。

 その足場以外の場所は何もない。

 そぉっと近づいてそこの下を覗こうとしたんだけど暗くてよく見えない。

 魔法を使えば見えるかもしれないけど私は光属性の魔法は苦手なの。

 初級は全属性練習したから使えるけど『ライト』の持続時間がかなり短いの。だから下まで照らすのは無理かな。


「気をつけて渡らないと」


 そう決めて一番近くの足場に跳ぶ。


「⁉︎あっつ⁉︎」


 足場に着地すると猛烈な暑さが発した。

 足元からの暑さを感じるから多分この足場に何らかの仕掛けがされているんだと思う。

 だから足を交互に上げ続けているけどこれかなりシンドイ。

 これ以上は流石に...次の足場に跳ばないと!

 暑いのを我慢して次の足場に跳ぶ。


「っ!危なっ!」


 ギリギリの所で着地となったので危うく落ちかけたけど、なんとか踏み止まれた。

 あんまり長く止まっていると暑くて辛いから端まで行ったらまた跳ぶ。そして走って端まで行ってまた跳ぶ。

 これを繰り返す事にしよう。

 そう作戦を立てて実行する。

 これの難しい所は跳んで次の足場へ移る際に次はどこへ跳べるか、跳べばいいのかを把握しないといけないの。

 しかも足場の暑さで汗もかなり出てるからジャンプした時に時々眼に入りそうになったりして怖い。

 数回着地からのジャンプを繰り返してようやく広い足場が見える。

 やっとゴールのようね。正直これは本当に辛い。

 休みたくても暑い足場のせいで止まる事も出来ないから、これはいかに早くゴールに着けるかが鍵になってくると思うの。

 ずっと動きっぱなしなのでここを越えたら少し休みたいわ。

 そう考えていると最後の足場が見てきた。あれを越えれば休める。

 本当は休まずにあいつを追いかけてネクロの仇を取りたいけど今の私にはそれを叶えるほどの実力がない。

 それくらい私にだって分かる。だから今はまだこの想いを留めておかないと。

 そう自分に言い聞かせて最後の足場を跳ぶため足に今までと同じくらい(・・・・・・・・・)の力を入れる。


「....っ⁉︎」


 私は跳んですぐに後悔した。


(距離が遠い...!)


 足場が乱雑とはいえそれはあくまで横列での話。縦列の間の距離は等間隔で存在している。

 一見遠くから見ると全てが乱雑に存在しているように見えてしまうのがこのダンジョンの道のイヤラシイ所でもある。

 全ての足場がいずれも上下左右にやや反っているのでまるで距離が違うように感じるのだ。

 この錯覚は足場の上でも感じてしまうが遠くから見るよりかは多少はましである。

 なのでその現象に慣れ始めていたリーナが全部同じと考えてしまったがため飛距離が足りず....落ちた。


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