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4話:ご都合主義ほど最強なものはないはずがないなんてない


綺麗と言うのは裏を返せば汚くないということである。


たがら、どうしたということでもないんだが……。


まあ、なんだこの惨状は悲劇以外のなにものでもないわけで、ようするに汚い。


俺は帰宅したはいいが途方にくれた。


今までこんな汚いところで生活していたんだな……。


詳しい描写は危険だ辞めておこう……簡単に描写するならば、人が一人ぐらい埋まっててもおかしくないような汚さだ。


――現時刻4時32分――


6時に来るとは言っていたが肱岡のことだ多分30分前行動とか言って、5時半頃には来るだろう。あいつはそういうやつだ。


タイムリミットは1時間。


一時間。


いちじかん。


イチジカン。


…………無理だな。


でも、やるしかない。


いざとなったら奥の手を使えば一応どうにかならないことはない。


あくまで奥の手だ。出来るなら使わないことに越したことはない。


どれ、ぼちぼち始めますかね。



掃除を始めて10分後。


俺は奥の手を使うことにした。


言っておくが面倒臭くなったわけではない。


本当だよ?


さて、ここで質問だ。


何故?部屋は汚れてしまうのか?


そんなのは簡単でそこに物があるからだ。


綺麗な部屋なんてのはきちんと整理整頓されていてスッキリしているか、なにも物が置いてない部屋のどっちかだ。


さっきの10分で俺に整理整頓は不可能だということが分かった。


ならば選択肢は後者しかない。


この部屋の中にあるものを全部捨てる!


未練はない。


後悔はしない。


俺は俺の道を行く。


さよなら。


「うおおおおぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!」


そして、長きにわたる(所用時間20分)激闘に終止符が打たれた。


綺麗になった(なにもない)部屋を見渡して俺は干渉に浸っていた。


…………流石にテレビは捨てなくてよかったか?


途中から物を捨てるのが楽しくなりすぎて勢い余って電化製品やら布団やら部屋にあった物、全て捨ててしまった。


後悔先に立たず。悔やんでも仕方ない。忘れてしまおう。


もとよりこの部屋はこんな感じだったはずだ。


うん!間違いない!


さて、思ったより早く掃除が終わってしまったので肱岡が来るまで、まだ結構、時間がある。


何をしようか?


取り敢えず奇声をあげることにした。


「あギュか赤佐多やさあ屋さあ柵原やあマ゛差酢あヤ゛まあナ゛あにまさ穴矢原棚真奈また!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


「あぁん?」


乱暴に部屋のドアが叩かれる。


言ってなかったがここはアパートだったりする。学生の一人暮らしだ。一軒家なはずがない。


しかし、なんだ?俺が折角気持ち良く奇声をあげてるってゆうのに……誰だか知らないが俺のハートフルタイムに土足で踏み込んでくる野郎はどうなるか教えてやるぜ!


ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


ドアをはいまだに激しく叩かれている。


いい度胸だ誰だか知らんが少しお仕置きが必要なようだ。


ドアに突進するかの如く猛烈に駆け出す。勢いそのままドアをおもいっきり開いた。


「イタッ!」


確かな手応え。


「ちょっと!あんたいきなりドア開けないでよ!ぶつかったじゃない!」


ドアを開けた向こうにはウサギさん柄のバジャマを着た少女が一人額を摩りながらうずくまっている。少女には見覚えがある。俺の住むこのメゾンドヘヴン最上階の俺以外の唯一の住人。要するにお隣りさん。


「うぅ……いったいなぁ……見なさいよ!おでこ、赤くなってるでしょ!」


「黙れ!それはおまえの不注意だろうが!」「はあ!?何言ってんのよあんた!あんたが勢いよくドア開けなかったらこんなことにはなんなかったでしょ!?」


立ち上がり猛然に食いかかってくる少女。


「責任転嫁するんじゃねえ!小娘が!自分の身に降り懸かるものは幸福だろうが不幸だろうが全部自分のせいなんだよ!」


「訳わかんないこといってんじゃないわよ!あんたが普通にドア開けてればこんなことにはなってなかったでしょ!?」


興奮してまくし立てる少女は、はぁ、はぁ、と息を荒げて異常なまでに顔は赤くしていた。


「責任転嫁どうのこうのじゃなくて元をたどれば悪いのは全部あんたでしょ!」


「何いってやがる!そもそもの原因ならおまえだろ!俺のハートフルタイムに土足で踏み込みやがってからに!」


「ハートフルタイム!?何それ、あんた馬鹿じゃないの!?あんな奇声上げて近所、迷……わ……く……」


不意に少女の言葉が途切れる。


「ん?おまえどうかし――――」


少女の身体が急に力を失い傾いた。


「ッ!?」


慌てて少女の身体に手を回して倒れないように支えに入る。


俺の腕の中に収まった少女の顔を覗き込むと苦しげに顔を真っ赤にして、目を閉じ、息を荒げている。


そっと少女の額に手をあてると物凄く熱かった。どれくらい熱いかといえば39度ぐらいだ。


異様に顔が真っ赤だとは思ったが興奮からくるものだけじゃなかったようだ。


「……おまえ、熱があるのか?」


少女は言葉をはっせず小さく頷いた。


大分苦しそうだ。


このままじゃまずいな……。


「よっと」


取り敢えず玄関先ではアレなので移動させようと例の如くお姫様抱っこ。


少女の身体は小さくて、軽くて、いい匂いがした。


「――ッ!?ちょ……っと!」


「悪かった」


「――は?」


「俺が悪かった。ごめん」


「………………」


少女は黙って俯くとそのまま口を開くことはなかった。その反応はいまいちどう捉えていいのかわからなかったので勝手に許して貰えたことにしておいた。


「それじゃ、お邪魔するぞ」


「――は?」


言って少女の返事を待たずにお姫様抱っこしたまま勝手に俺の隣の少女の部屋に入っていく。


「かっ……てに……るな!」


なにか言っているが何いってるのかわからないので無視する。


部屋は綺麗に片付いていて物は少なく、女の子にしては少し質素な感じの部屋だと思った。


まあ、女の子の部屋に入るのなんて初めてだから比べようもないんですけどね。


ベットを見つけたのでそこに少女を寝かしてあげる。


「大丈夫か?えーと…………名前なんてゆうだっけ?」


前に一度聞いたことがあるきがするが忘れた。人の名前を覚えるのが極端に苦手な俺です。


「……末継……赤子」

新キャラが出ました。多分この先も寄り道ばかりというかなんというか……計画性0でその場のノリと勢いで進めてるのでこの先どうなるかさっばりわかりません……下手をしたら千亜はあと10話ぐらい出てこないかも……そんないい加減なワカメと悪魔ですが見放してくれないとありがたいです。

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