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番外編:夏だ!海だ!料理対決だ!(前編)

番外編は本編のパラレルワールドでお送りいたします。登場人物達の人格が変わってたりしますが…番外編なので!


ピンポーン


夏休みに入って三日目、茹だるような夏の暑さに俺(若林恵)は早くもノックアウトされ、自宅で腐っていた。


『男子高校生密室で変死』


そんな新聞の見出しが脳裏を過ぎる。


ピンポーン


……ん?チャイム?誰か来たのか?


ピンポーン


「若林さ〜ん、いらっしゃいませんかー?お届けもので〜す」


宅配便か、珍しいな…。


「あーい」


ガチャと音を立ててドアを開ける。


「よっ!夏休みに入って腐っているであろうめーちゃんにお届けものですわ♪勿論お届けものはワ・タ――」


バタン


俺は勢いよくドアを閉めた。


理由は簡単、そこにいつもとはまったく違って狂っているテンションのあの人がいたからだ。十中八九の間違いない確率で面倒臭いことになる。それなら部屋で腐ってたほうがいい。


ガンッ!


「うぉお!?」


物凄い音とともにマンションの鉄製のドアに穴が空く。不覚にもビックリして尻餅をついてしまった。


「もー!なんで急に閉めてしまいますの?」


その穴から銀髪の女性が顔を覗かせた。


「あのー……飛田先輩…なんかキャラ違くね?」


「細かいことを気にしてはいけませんわ。そんなことよりめーちゃん!海にいきましょう!」


「断固拒否!こんな糞暑い日に外出なんて誰がするか!」


ガコンッ!


音を立ててドアが外れた――もとい外された。


勿論、外したのは飛田先輩に外ならない。


「わーい!飛田先輩と海とかちょー嬉しいんですけどー!」


「ウフフ、ワタクシもめーちゃんと二人っきりでのバカンスとっても楽しみですわ♪」


「二人っきり?」


「………………」


満面の笑みを浮かべ拳を突き出し親指を立てる飛田先輩。


「うー……うっさいわねぇ…朝っぱらから何やってんのよ!」


不意にあらぬ方向から声が飛んできた。


「あっ、おはよう赤子」


騒ぎを聞き付けてお隣りさんの末継赤子がパジャマ姿のままででてきた。寝起きなのか目をごしごしと擦っている。


「おはようじゃないわよ!さっきからガタン、ガタンってなにやってんのよ!五月蝿くて寝てらんないじゃない!」


「起こしたのか?」


「起こされたわよ!」


「それは好都合、赤子よ。これから海に行こう!」


「はぁ?海?」


「駄目ですわ!海はワタクシとめーちゃんの二人っきりで行くんです!」


案の定、飛田先輩が口を挟んできた。


「恵がこの女と二人っきり?」


「そういうこと、だから赤子も一緒に行こう!海はみんなでいったほうが楽しい!それに俺と飛田先輩の二人っきりなんて絶対間違いが起こるから!健全、潔癖なこの小説においてそんなシーンはあってはならんのですよ!」


「なにが健全、潔癖よ。すでに平行世界では私との間に子供つくっちゃったくせに…朱芽よぶわよ!朱芽!」


「朱芽だと!あの幻の番外編『わんだ〜らんど』に登場した俺と赤子の娘の若林朱芽のことか!?」


「そうよ!私のなかったことにされた初体験の副産物よ!」


「そうだな今回は番外編なわけだし呼ぶか!カモン朱芽!」


「おとーさーん、きたよー」


「もう時系列だとか世界設定がどうだとか関係なし!?」


「番外編だから!そんなわけで今回は俺、ワカメと飛田先輩、赤子、朱芽の四人でお送りします!」


「イーヤー!ワタクシはめーちゃんと二人っきりがいいんですの!二人っきりで昼は甘く、切ない、ひと夏の想ひ出を!そして夜はそれはもうドロッドロッで言葉でも文面でも書けないような日々をエンジョイで、フィーバーで、ハネムーンでムラムラするんですの!」


「ねー、おかーさん。ドロッドロッってなにがドロドロなの?」


「朱芽!それはお父さんが教えてあげるから!」


「このッ――馬鹿ッ!あんたは自分の娘に手を出すきか!」


「五月蝿い!黙れ!消えてしまえ!今回、海に行くって聞いてツルペタな千亜と委員超の水着が拝めると思ったのに、肝心の二人がお休みで代わりに大艦巨砲なおまえと飛田先輩がメインで萎え、萎え、だった俺のマインドが、まさかのロリッ子参戦で爆発寸前なんだよ!あー!もう駄目だ!とめらんねぇ!朱芽!ちょっとこっちきなさい!」


「あー!もー!どいつもこいつもいい加減にしなさいよ!」


「あっ……ご、ごめんなさい……」


「ちょ!?朱芽?!ち、違うのよ!お母さんは朱芽を怒ったわけじゃないのよ!」


「だんだんと収拾がつかなくなってきたな」


「まったくですわ」


「原因どもが何を白々と言ってんのよ!」





「――と、言うことで……無事、海に到着!」


「うきゃー!」


眼下には見渡すかぎりの海水!そう、ここは誰がどう見ても海に他ならない。いろいろあったが俺達はついに海はまでやってきていた。


「…………ねぇ、そこのアンポンタンな二人に聞きたいことがあるんだけど」


海を前にてもいまいちテンションがあがらないのか、赤子は沈んだ表情で俺達を見ている。


「質問は後だ!今は夏をエンジョイしよーぜ!」


「そーですわ。細かいことを気にする前に楽しんでしまえばいいんですのよ」


「……夏って、言っても、その……寒いんですけど?」


「なんだ赤子、また風邪か?」


「折角の海外旅行でご病気ですの?」


「……………………とりあえず、ここどこ?」


「「海!」」


俺と飛田先輩の声が見事に重なった。


「……どこの海?」


「「オーストラリア!」」


またも見事に俺と飛田先輩の声が重なる。


「はかったな!海に行くのに高速道路走ったり、飛行機に乗ったりしたからおかしいとは思ったけど、まさか海外に連れて来られているなんて!くっ!末継赤子一生の不覚!」


「そんなことより飛田先輩。流石に寒いんだが」


家を出てから着替えなんかをしてるはずがなくみんな夏真っ盛りな服装のままだ。


「オーストラリアは南半球ですから、日本が夏なら普通に考えてオーストラリアは冬ですわね」


「……なんでオーストラリアなんかにきたのよ」


「綺麗で人が少ない」


「……はぁ」


赤子は一つ大きくため息をした。


「なあ、そんなことより、さっきから朱芽の姿が見えないんだが、どこにいったんだ?」


「朱芽ちゃんは飛行機に乗る時に身長制限に引っ掛かったから日本に置いてきましたわよ」


…飛行機乗る時にそんな規則あったか?


「それで、これからどうしますの?」


「とりあえず――」


「お腹空いたわ」


書いといてあれですが、オーストラリアは本当に冬ですか?実はうろ覚えではっきりしてなかったりします。もし、間違ってたらコメディだから、そんなもんだ!とゆうことにしておいてください!

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