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第二話 Just a dream 03

06 調査と捜査                シーンプレイヤー:菅野道明


「さて、と。そろそろ真面目にやんなきゃかねー……。」

菅野は回していた椅子を止め、呟いた。


菅野: さて、項目が多いし、そろそろ調べますか。事件についてを調べたいです。

GM: はーい。

菅野: 西森さんが退室したあと、でいいかな?

GM: うん。

菅野: じゃあ、くるくる回ってるんだけど唐突にぴたっと止まって、大神君を呼びます。

GM: では、大神がやってきました。「調査は完了しております。達成値を仰ってください。」(一同爆笑)

菅野: <情報:UGN>を使いまして、情報収集チーム一回目を使用!(ダイスを振る)低いか? 13!!

GM: まぁ、充分でしょう。では、襲撃事件についてです。

・基本的に夜中に発生している。

・回数は、PCがオープニングで襲われた分を含めて三回。

・襲撃されているのは全てUGN関係者。

・ただし、襲われたUGN関係者同士に、他での接点はないと思われている。

・凶器は見つかっていない。

・鋭い刃物での裂傷を受けた一人目の被害者は死亡。肉をもぎ取られたような傷を受けた二人目の被害者は重体。

・事件は人気のない住宅街と繁華街の裏路地で起きている。


菅野: うーん……なるほどねぇ。とりあえず小学校みたいでなんだけどさぁ、夜中に出歩かないように徹底しといてー?

GM: 「そうしたいのはやまやまなんですが……。」と、ここで、観鏡支部の弱点が露呈します。この支部は職員というか関係者が多いんですよ。

菅野: あぁ~……。

月島: そうだよね。だって、食堂のおばちゃんも関係者だもんね。

菅野: まぁね……。

GM: なので、事実上、そういった対策は取れないと思ってください。

菅野: 了解~。じゃあ、注意喚起くらいかなぁ……。

GM: 「こちらから、アクションを起こすことは出来ないんでしょうかね?」

菅野: そうだねぇ……。

GM: つまり、受身になっちゃってるわけだね。

冬也: ここで、登場します!

菅野: お? 少年、どうした?

冬也: “クロスブレード”隊長っ!

菅野: おっさんでいいよ、おっさんで(笑)

冬也: それは……っ! ちょっと、もうちょっと慣れてからにさせてください(一同笑)。で!! あの……自分、思いついたんスけど、自分が囮になればいいんじゃないっスかね?

菅野: ん~……半分採用で、半分却下。

GM: んんっ!? そ、それは、結果どうなるんだ?(笑)

菅野: 囮作戦自体はいいんだけど、我々はもう既に一回襲われていて、反撃される可能性があることが敵にバレてるわけだ。

冬也: 「今は」と言っていたので、準備を整えて、再度襲ってくる可能性はあるんじゃないっスか?

菅野: それもあるっちゃあるんだけど……。

伊勢: 登場します。いいんじゃなぁい? 好きにやらせればぁ。

月島: 来たぞ、適任者(一同笑)。

菅野: んー……じゃあ、と伊勢さんの肩をぽんと叩こう。

伊勢: えぇ?

菅野: いや、新鮮なほうがいいと思うんだよね。

伊勢: 何がぁ?

菅野: エサってのはさ(笑)。

伊勢: だからさぁ、ボク……えぇ!? ちょっと待ってボクは研究がぁぁ……。

菅野: ウチのチームに入ってるよね? キミ。

伊勢: そぉんなぁ~……え? え? 何、これ。ボクは捕らわれたの?(笑)

菅野: ここで頑張れば研究の資金増やしてもらえるかもしれないぞ?

伊勢: いや、研究資金とかそんな問題じゃなくて、ボクは肉体労働は苦手なんだよぉ~?

冬也: よろしくお願いします!“イルミネーター”さんっ!!

伊勢: ええぇぇ~?

菅野: 大丈夫。夜中に路地裏歩くだけだから、肉体労働じゃないよ。

冬也: ちゃんと後ろについてるっスから!!

伊勢: 嬉野くぅ~ん……。もぅ、頼みましたよぉ? 菅野さん。お金のこと……。

菅野: でも、予算管理、俺やってないから。

伊勢: (素になって)じゃあ駄目じゃん!?

菅野: 管理してるのは、大神君。

伊勢: あの子かぁ~……。じゃあ、そっちに行こぉ~……。と言ってシーンから退場します(笑)。

菅野: 大神君は、厳しいよー?(笑)……行っちゃったよ。ま、とりあえず、伊勢さんを餌に釣りをしますか。

冬也: (心配そうに)……ちゃんとやってくれるっスかねえ?

菅野: まぁ、やってもらわないと。

冬也: では、自分は敬礼をして、“イルミネーター”さんを追いかけます。

菅野: で、もうちょっとやりたいことがあるんだけど。と大神を呼びます。

GM: 「何か御用ですか?」

菅野: 申し訳ないんだけど、一つ頼まれてくれないかなぁ?

GM: 「はい?」

菅野: 何でもいいから、両手剣を用意しといてくれる? ってことで。また別のシーンで<調達>判定はします。

GM: はーい。というところで、シーンを切りまーす。


07 日野篤                    シーンプレイヤー:月島涼


 夜のバーで、月島は日野篤についての情報を集めていた。


伊勢: じゃあ、次、夜に一回、ボク調べてもいい? その後で襲撃されに行くからさぁ。

GM: どうぞ!

伊勢: “ククルス”について②を調べます!

月島: ……なんかさぁ、これの判定に成功すると、次マスターシーンになりそうな気がするから、先に日野篤について調べてもいい?

GM: なんだよそれぇっ!?(笑)

菅野: マスターシーンが入るのは③調べたらなんじゃない?

月島: いや! なんかねー、②はトリガーイベントのような気がするんだよ、私。

GM: おい!? この(シナリオ書いた)紙の中身見えとんのか!?(一同爆笑)

月島: 見えてないよ、大丈夫だよ(笑)。というわけで、日野のことを調べに、夜のバーに行きます。19歳なので、ノンアルコールカクテルです。ここで私は、かつてのパートナーについて調べています。

GM: するとバーテンが、何かを書いた紙をすっと差し出す。

月島: だよね! それしかないよね!!

GM: じゃあ、その紙を読んでみてくれ。

月島: 情報収集チームと、要人への貸しも使用します! このバーテンは、世界バーテンコンテストとかで優勝して、UGNにも繋がりのある人物、ということにします。……ちなみに目標値いくつ?

GM: 言わねーよ!?(一同笑)

月島: (ダイスを振る)ん、12だね。

GM: それだと、以下のことが分かりますね。

 ・日野篤は、UGNのS級戦闘エージェント「だった」。

 ・とある任務で、ジャーム化。行方不明になった。

 ・クロスブリードで、ブラム=ストーカー/ハヌマーン。

 ・最近、FHエージェントとして出没している。


月島: これで分かった情報は全部かな? と考えてみる。

GM: その情報を渡すと、バーテンが「惜しいヤツをなくしたもんだな。」と言ってくる。

月島: 彼みたいな人には、生きにくい世の中なのよね……。

GM: すると、彼はすっと3.6牛乳を差し出す(一同爆笑)。

月島: ……頼んでないわよ?

GM: 「俺からのおごりだ。」

月島: マスターありがとう。でも、コレだけは言わせて。

GM: 「?」

月島: ……あっためて(一同爆笑)。


08 “ククルス”                 シーンプレイヤー:伊勢四郎


 待ち合わせの時間に月島が来たのを見て、伊勢はにっこりと笑った。


伊勢: じゃあ改めて登場しまーす! そして調べます、“ククルス”について!

GM: どぞ。

伊勢: ②を調べよう。つい最近ハッカーの友達が出来たんだ~。<情報:ウェブ>! あぁ~、<情報:ウェブ>の技能なんて持ってないよぉ。こんなとき、あの子が居てくれたらなぁ……と扉を見ます。

月島: 登場します(一同笑)。

伊勢: あぁ、来たぁ♪

月島: 約束ですからね!(笑顔)

冬也: なんか、怒ってる?

月島: 全っ然怒ってないですよ? さあ、ちゃっちゃとやっちゃいましょう!(一同笑)

伊勢: はぁ~い。(ダイスを振る)やったぁ、クリティカル! 出目が14の、達成値24ん~!

GM: じゃあ、ハッカー友達から情報がもらえます。

 ・“ククルス”とはカッコウの俗称。

(カッコウには特筆すべき特徴・托卵というものがある。托卵とは、他の鳥の巣に元々ある卵を捨て、そこに自分の卵を置いて、それを育てさせること)

 ・他のところでも“ククルス”という名前で活動をしている(学術機関の行っている研究に対し、技術を提供して、より発展させる手助けのようなことをしていた)


伊勢: なるほどぉ~。

月島: これは、何らかの目的を持って動いていると思ったほうがいいよね……。

伊勢: ボクとしては、真逆。何らかの目的を持って動いてないように見えてます。というのも、“ディレーム”についての研究も、“ククルス”からの情報提供によって進んだというのがあるので、様々なところに情報を行き交わせてる、レネゲイドビーイングなんじゃないかなぁ~と思ってます♪

GM: お前はそこにしか持ってかないのか!?(一同笑)

月島: まぁ、伊勢さんがそういう立場をとるから、私はどっちかというと無償で情報を提供するような人物というのは想像に難いので、伊勢のようなタイプの人間を利用して、何らかの目的を果たそうとしているのかなってのを勝手に思っておきます。

GM: そこは皆さんの想像次第、ということで(笑)。

伊勢: もうボクはレネゲイドビーイングに会いたくて会いたくて仕方ないんだよぉ~。

冬也: だからって捏造すんなっ!?

GM: 大丈夫だよ、出してやるから(笑)。

月島: ……なんか、今の線でいくと、襲撃者の線と“ククルス”の線が全然繋がらないねぇ。

伊勢: そだねぇ。

月島: GM! ここで、襲撃者の特徴と日野の特徴を照らし合わせて、相似点を探したいんだけど……。

GM: それは、<情報:UGN>か<情報:FH>で振ってみてください。

月島: となると、次のシーンってことになるのか……。

GM: そうだね。でも、その進言を待っていた!

月島: やっぱりか!


09 情報統合とGMの苦悩              シーンプレイヤー:月島涼


 月島が伊勢と日野について話をしていると、菅野が伊勢を迎えにやってきた。


菅野: 結構、こっちに来てない情報があるんだよなー……。

伊勢: え? ボク全部持ってるよ?

菅野: そりゃ、アンタは持ってるだろうけども(笑)。

冬也: あれ? 日野については知らないんじゃ?

伊勢: あぁ。そういえばそうだねぇ。(←あんま興味ない)

月島: じゃあ、ポツポツと語りだそう(笑)ここで、オルゴール的なBGMが流れ始めます。

伊勢: おお。

月島: あれは、私がUGNに入って半年くらい経ったときのことだったわ……。

伊勢: ……。

月島: かくかく、しかじか。(一同笑)

伊勢: そっかぁ、そんなことがあったんだぁ。ふぅん?

冬也: 興味ねぇ、コイツ!!(笑)

菅野: 登場します。ウィン!

伊勢: 菅野さぁん。どうしてここにぃ?

菅野: そろそろ約束の時間じゃないか。

月島: というところで、情報解析をするよ? 情報収集チームの二回目を使って(ダイスを振る)お! クリティカル!!<情報:UGN>で19!!

GM: まず月島がやったことで分かるんだけれども、昔の日野を知っている君は、“ナイトウォッチ”と日野が同一人物であることが分かるね。

月島: …………。

GM: 合わせて、“ナイトウォッチ”について情報が手に入ります。

月島: うん。

GM: FHのセルの中に『オリジナルシン』と呼ばれるセルがあります。そのミッションにしばしば登場するFHエージェントが、“ナイトウォッチ”です。

月島: ふむふむ。

GM: 戦闘能力が非常に高く、UGNのエージェントでは全然歯が立たないという状態ですね。

伊勢: ちなみにボクの戦闘能力はC級だよぉ。あっはっは。

GM: 厄介度はA級だけどね……(笑)。と、いうところで情報の整理をしましょうか。

 ・襲撃事件・襲撃者については大体の情報が出ている。(前シーン参照)

 ・犯人は“ナイトウォッチ”と目されている。

 ・おそらく“ナイトウォッチ”=日野篤。


伊勢: そういえばボクの方で……と、ここで“ククルス”について話をします。

菅野: それは、初耳だねえ……。

伊勢: 情報提供者が居たんでねぇ~。

GM: 八重樫から、アンチディレームということで、その特効薬を作れという任務を受けていて、件の“ククルス”から情報提供を受けて、研究が進んでいると。

伊勢: そうだ! ボク研究しなきゃ~……。

GM: まぁ、研究の方は裏で進んでいると思ってください(笑)。

菅野: まぁ、情報漏えいはいかがかと思うけど、研究も進んだことだし、いいとするか。(伊勢に)バレたのがおっさんでよかったねー?

伊勢: そんなこと言っても、UGNの防衛システムが悪いんでしょぉ?

菅野: 強化しようか?(笑)

伊勢: あぁ、別に、強化しなくてもいいですよぉ?


         ◆       ◆       ◆


GM: ではですね、残ってる情報項目を発表します。

一同: はーい!

GM: まずは、“ククルス”の居場所の逆探知が出来ます。

伊勢: そうそう。

GM: そして、FHセルの“オリジナルシン”について調査が出来るようになりました

月島: なんだろう?“オリジナルシン”って……。

冬也: 原罪、って意味ですね。

GM: うん。

月島: やり方としては、“ククルス”に追跡をかけて、話をアドヴァンスさせていく必要があるね。

菅野: 2チームに分けようか。“ククルス”組と“オリジナルシン”組に。

月島: いや、今回困ってるんだよ~。ロイスが結べなくて。今回は私、日野としか会わないからさー。さっきのマスターにロイス結んじゃおうかなー?

GM: そうやってNPCのキャラが立ってくんですよね(笑)。

菅野: (月島に)伊勢さんとかに結べばいいじゃん。

月島: ん? それじゃつまんないじゃん、ストーリー的に。まぁ今回、私はこのまま誰とも絡まないんじゃないかなー。そして、“ククルス③”がトリガーイベントだから、これをやるとクライマックス一歩手前って言われちゃうんだろうなー、と。なのでそれまでに出来る限り情報を出しておきたいんだよね。

GM: …………。(相変わらずコイツは……。)

月島: 多分今回、トリガーが起こってから、なし崩し的に何シーンか挟んで、クライマックスになるはずなんだよ。

GM: あっはっはっは……。(←笑うしかない)

月島: あっはっはっは。(←GMに向かって笑み)

GM: (視線をそらして)では、次のシーンにいきましょうか。

伊勢: 流れ的には、襲撃されに行くのかな?

月島: でも襲撃されて『クライマックスです』って言われたら終わりだぜ?

GM: だから……! なんで……っ(笑)。

菅野: 先に情報を固めてしまってからでもいいかなぁと思うんだけど……。

伊勢: えーと、“ククルスについて③”は、それをする、と宣言をしなければ、何の技能を使うかすらも提示されてないし、“オリジナルシン”についてはここでも調べられるんで、こっちを先に調べて、“ククルス”を調べて、後に襲撃されに行くというのでいいんじゃない?

菅野: そうだね。とりあえず、それで行こうか。

伊勢: はーい、そういう流れですね~。じゃあ、まずは“オリジナルシン”についてですねぇ~。

菅野: ちなみに、“オリジナルシン”の<情報>技能は?

GM: <情報:FH>です。

月島: じゃあ伊勢さんだ。

伊勢: えぇ~? なんでぇ~? ボク別にFHっぽい情報網とか持ってないよぉ?

月島: え? だって伊勢さん、元は……(もごもご)。

菅野: まぁ、情報収集チームとかあるし、俺が判定するかい?

月島: それとも、【社会】能力値高い私が振る?

伊勢: いや、それよりは《導きの華》してもらったほうがいい(笑)。


10 因縁                   シーンプレイヤー:菅野道明


 「ちょっと、出かける前に調べものしてもいいかい? 伊勢さん。」

伊勢の部屋の端末をいじりながら、菅野は尋ねた。


菅野: では、シーンプレイヤーは私で行きます!

月島: じゃあ、ちょっとロールプレイを楽しみつつ私も登場しようかな。

伊勢: 皆、ボクの部屋で勝手に何やってるんだよぉ~。(←登場)

冬也: あれ? 襲撃されに行くんじゃなかったんスか?(←登場)

伊勢: まぁ、確かにボクの研究部屋ならネットも使えるけどさぁ……。

月島: ……なんか、ボケる要素の少ない場所だなぁ……(笑)。

冬也: コケてコード引っこ抜けばいいんじゃないっスか?

月島: そうだね。それで行こうか。おはようございます! シュンっ、つるっ!! ガンッ!! どんがらがっしゃーん!!(一同爆笑)伊勢さーん、何ですか? このバナナの皮はー!?

冬也: 自分は、囮作戦に行こうと思ったら、“クロスブレード”さんに状況が変わったと言われ、事情を説明されたので、今ここに居ます。

伊勢: そうぅ? まぁいいけどぉ~。

菅野: んじゃ、さっさと“オリジナルシン”について調べましょう!

GM: はいはーい。

菅野: そんなこんなで、話していると大神くんから連絡が入る、と。

GM: 「隊長! 大変なことが分かりました!! 具体的には達成値によって資料のページ数が変わります。」(一同笑)

月島: 《導きの華》使いますー。

菅野: 情報収集チームも使って(ダイスを振る)19!!

GM: 流石にそれはわかるなぁ。FHセル“オリジナルシン”は、新興のセルです。行動目的は、オーヴァードの解放を唱えているね。

菅野: うーん……。

GM: セルリーダーが、一ノ(いちのせ)晃一(こういち)

冬也: …………。

GM: この人実は、昔のコードネームが“コマンダー”でして……。

冬也: やっぱり!!

伊勢: おめでとぉ~(拍手)。

月島: いろいろ繋がったな。

GM: 新興のセルながら、その実力は折り紙つきで、結構一流のエージェントが集まっている。

月島: オールスターチームみたいな感じだ(笑)。

GM: そうそう。というのも、まずセルリーダーとして一ノ瀬が。この人はちなみに嬉野くんを『開発』した、元研究室長。

冬也: ですね。

GM: さらに、セルのブレーンとして、まぁ元々FHにいた研究員なんですが、桐生(きりゅう)孝之(たかゆき)が。

伊勢: 出た!!

GM: この人は、伊勢くんが知ってるんですが、他者・及び自分がレネゲイドビーイングになるための研究をしていました。

冬也: へぇ……。

GM: で、何かしらの成果を収めて、その戦闘部隊を作ることに成功したらしい。

伊勢: おぉ~!! すご~いねぇ!!

GM: そして、戦闘員として、“ナイトウォッチ”なり、この間の“マッドボマー”もそうですね。そういうのが居る、と。

菅野: なんか、うちのチームの人間に因縁深い名前がいっぱい出てきてるんだけど?

GM: は。詰め込んでみました!!

菅野: お歳暮じゃないんだから!!

月島: 完全にライバルセルだな。

冬也: (伊勢に)先越されちゃったんスね……。

伊勢: 違うんだよぉ? 彼の研究分野とボクの研究分野は違うんだから。だからぁ、別に先を越されたワケじゃないんだよぉ? 嬉野くぅん。

GM: で、桐生孝之の持ってる研究成果なんだけれども、“ククルス”の得た情報などを、兵器に転用していることが分かる。

月島: なるほど。

GM: つまり、何も知らない一般機関……学術機関なりに研究させて得た成果を、兵器に転用している、と。

一同: ふーん……。

菅野: 勝手に共同研究、みたいな?

GM: そんな感じ。

月島: まさに、自分の子供だと思って育ててたら、エライでかくなっちゃって、あ、これ私の子じゃねーな、っていう……。

GM: そうそうそう(笑)。

月島: だから“ククルス”なんだね。

伊勢: なんか、その目的とかが分かったときに、あれぇ? レネゲイドビーイングじゃないのかなぁ……? ってちょっとガッカリします。あ! でも桐生くんが何か成功したみたいだし、いっかぁ~。

GM: とまぁ、そんなところまで分かりました。

冬也: …………。

GM: というところで一度シーンを切りましょう。


11 罠                       シーンプレイヤー:月島涼


 支部からの帰り道。月島の前に再び、日野が現われた。


GM: さて、次のシーンプレイヤーは月島です!

月島: 今日は出ずっぱりだ。でも、今日は登場の侵蝕率の上がりが小さいから(ダイスを振る)9!

冬也: すごいネタだ(一同笑)。

月島: 今日は支援は期待しないで下さい。

一同: なんだって!?

GM: 時間は夕方。帰宅途中だと思ってください。

月島: 私は、会社に何をしに行ってるんだろう? ということを自問自答しつつの帰り道(一同笑)。

GM: すると目の前にすっと現れるのが、日野君ですね。で「今、いいか?」と聞いてくる。

月島: それなりに充実しています、と答える。(一同爆笑)

GM: 「……そうか。」と言うと、「ついてきてくれ。」と言う。

月島: なんか、慣れてる。……心地よい(一同笑)。じゃあ、後ろをてくてくとくっついていきます。

GM: 歩いていると、昔もこんな感じにミッションに向かうにしても、日野が歩いていく後ろをキミがついていくという感じだったなぁと、いうことを思い出します。

月島: (モノローグ風に)私はこの背中が好きだった……。

GM: 着くのは、かつて日野が住んでいたマンションですね。

月島: 観鏡市の人だったのか……。

GM: そうだね。で、何事もなかったかのようにそのマンションの部屋に案内されるんだけれども、部屋の中は殺風景な感じだね。フローリングの部屋にテーブルがあってパソコンがあって、読みかけの本が置いてある……みたいな。

月島: うんうん。

GM: 「座ってくれ。」と言うと、日野は飲み物を出してくれるね。

月島: では、座って飲み物を飲みます。


 夕日が部屋に長い影を落とす中、日野がポツリと呟いた。


GM: 「日本を離れたんじゃなかったのか?」

月島: 日本は離れたのよ。

GM: 「今になって、何故ここに?」

月島: それは、私にも分からないわ(一同笑)。

GM: だよねぇ。

冬也: 不思議な会話……。

月島: 強いて言うと、業務命令?(一同爆笑)………(素になって)不思議系二人、みたいになってるけど、大丈夫かな?(笑)

GM: 彼は、何か喋ろうとするんだけれども、巧く喋れないという感じだね。指が、コツコツコツとテーブルを叩いてる感じ。

月島: その様子を観察したいんだけど、何で言葉が出てこないんだろう?

GM: <知覚>で振ってみてください。

月島: (低い声で)<知覚>だとぉ!?(一同笑)てい(ダイスを振る)6……。

GM: 感情的なもので喋れないのではなく、物理的に喋れない感じだね。

月島: 何か、喋るのを阻害する要因があるってことだな。

GM: うん。具体的に、それが何かはわからないけれどね。

月島: うーん……よし、とりあえずそのことは一旦置いておこう。筆談に変えても、無理?(一同笑)紙とペンを差し出してみる。

GM: そうすると、何かを書こうとするんだけど、字が歪む。

月島: そうなんだ……。

GM: 日野は時計をチラチラと見ているね。さっきまで出ていた夕日も、もう沈みきった頃合だ。

月島: 時計を気にしているんだよね? じゃあその様子を見て、いい時計だねって褒めてあげます。

伊勢: そっちじゃないだろ(笑)。

GM: 日野は、時計をもう一度チラッと見て、言う「すまないが、今日はもう帰ってくれないか?」

月島: 分かった……と言って、部屋を立ち去ります。

GM: はい。さて、夕日の沈んだ街に、キミは居るわけですが……。

月島: 続くの?

GM: 続きますよ。

月島: じゃあ、夜の街をコツコツと歩いてますよ、さぁ来い!!(一同笑)

GM: おう! 周りに、《ワーディング》が展開されます!

月島: うむ!

GM: 路地からすっと、長身の男が現れますね。

月島: むっ!!

GM: 暗いので顔はよく分からないんだけれども、ぶっちゃけると日野なんじゃないかな、というのは判る。

月島: 日野なのね? さっきとどう様子が違うんだろう?

GM: 姿かたちは一緒なんだけど、纏っている雰囲気が全然別人、だね。

月島: なるほどね。

GM: では……(コマを出しながら)セットアップに参りましょうか。

月島: あ、戦闘になるの?

冬也: 登場は出来ますかー?

GM: 出来ます。が、1ラウンド目のクリンナップで登場してもらいます。

菅野: 了解。じゃあ、1ターンは頑張ってくれ。


●第1ラウンド

月島: 相手の出方をしっかりと見ておこう。さぁ、来い!

GM: 待機します。

月島: ん、仕方ないな。行動を放棄します。

GM: 行動をこちらも放棄します。

一同: ???

GM: では、クリンナップです。登場は?

菅野&冬也: します!

GM: 全員するのね?

伊勢: これ、出なきゃダメぇ?

冬也: 別に無理に出てこなくてもいいんじゃない?

伊勢: やったぁ~♪ じゃボク出ないから、皆で頑張ってぇ~。

月島: 面白いものが見られるのになぁ……。

伊勢: ああぁぅぅぅ~!? ……大変そうだったら、次のラウンドに出る。

菅野: いやぁ、嬢ちゃんを餌にするつもりはなかったんだけどなぁ……。

冬也: 大丈夫ですかっ!?“プラスティックムーン”さん!!

月島: は!? みんな!!(冬也に)貴方が来たからには、ダメージコントロールは完璧よ!

冬也: あ、ありがとうございます(一同笑)。


●第2ラウンド

GM: では、第二ラウンドのセットアップ!

三人: することないです。

GM: こちらも、することは無いです。で、イニシアチブフェイズ!

月島: そちらのイニシアチブは?

GM: 21です。

一同: 早っ!?

GM: では、こちらの行動。待機です。

一同: !!

菅野: よし、ひとまず確保する方向でいくよー。

冬也: 了解っす!

菅野: 大人しく、捕まってもらうことはできないかねぇ? と聞いてみよう。

GM: 口の端に冷笑を浮かべるね。

月島: 会話で解決するのは、無理だと思います。何故なら、戦闘が始まる前に、前口上とかなかったから。(←ゲーム的な読み)

冬也: 多分、前のシーンとのギャップを出したいんじゃないかと思われるので、会話は出来ないと思いますよ?(←シナリオ構成的な読み)

GM: ……ホントに、厳しいねぇ。ここのプレイヤー達は(笑)(菅野に)では、それで行動終わりでいいのかな?

菅野: うん。

GM: では、次~。

冬也: 次は自分なんスけど……待機です。

月島: じゃ、次は私。私はちょっと下がるね。

GM: では、待機組の行動。まずは冬也から。

冬也: ……放棄、ですね。

GM: では、こちらも放棄。

菅野: 何なんだ? この千日手は(笑)。


●第3ラウンド

GM: では、第三ラウンドです。2ラウンド経過しました。

月島: これ、時間経つと困ること何かあるのかな?

菅野: 別の所で何かイベントが起きてる場合、そこに駆けつけるのが遅くなるね。

伊勢: そこに駆けつけるのはボク一人! になる。

月島: うーん……とりあえず、ここでお見合いしててもしょうがないから何とかしよう。

菅野: 了解。

GM: では、セットアップですることは無いようなので、イニシアチブ21のこちらの行動。待機です。

一同: …………。

菅野: では、しょーがないねー。と言いつつ、オートアクションでブレードアームを展開します。

GM: はい。

菅野: マイナーで接敵。メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アタックプログラム》で攻撃します!

GM: どうぞ。

菅野: 達成値は34!!

GM: すると、おっさんが繰り出したブレードなんですけど、抵抗無く胴体を真っ二つですね。

月島: ひ、日野くん……っ!!

菅野: あれ? ダメージは?

冬也: っ!(悔しそうに)あいつ、従者だ!!

GM: 風と共に、日野は塵になって消えていきます。


 日野の姿が消えると同時に、支部の方へと駆け出す三人。

その最後尾で、月島の心は揺れ動いていた――――……。


菅野: デコイ……か。

月島: うまいねぇ……。

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