第一話 Trigger Pull 03
07 支部長と牛丼と シーンプレイヤー:嬉野冬也
夜。
今回の任務に付くにあたって割り当てられたアパートの一室に戻り、嬉野は何とはなしに、今日一日のことを思い返していた。
と、そこへ――――。
GM: じゃあ、大体二周したので。すいません、主人公!
冬也: はーい(ダイスを振る)2上がったー。
GM: 嬉野はどういうところに住んでるんだろう? まあ、一応寮みたいなところはあるんだろうけど、そういうところかな?
月島: イメージとしては、綾波○イみたいな感じ?
冬也: チルドレンとして訓練してたときは、そういう所に居たと思うんですけど、今回、ここに配属されるにあたって、適当なアパートを借りて……。
GM: その辺のイメージはお任せするけど?
冬也: イメージは古い木造のアパートです。
GM: 給料いいんだけどなぁ(笑)。じゃあまあ、そこで。
冬也: はーい!
GM: 今まで、UGNの訓練施設で暮らしてきた君は、なんと今回賃貸を借り、一人暮らしを始めてしまいました!
菅野: ああ、これ君の家の鍵ねー、っていう回想が入る。
冬也: おお、鍵をもらった! じゃあ、そこに行って。訓練施設に居たときは、家具とか備え付けだったんで、部屋に何もないことに愕然とします。
GM: 色々今回、慣れない情報収集任務とかをやっていて、気が付いたら夜になってたわけです。
冬也: はい。
GM: で、電気をつけてくつろいでいると、夜中にドアをノックする音が。トントンと聞こえてくる。
冬也: 不思議に思いつつ、はい! と言ってガチャっと扉を開けます。
GM: そうすると、八重樫が、白い袋を持って君の目の前に立っている。「やあ。」
冬也: あれ? し、支部長?? どうしたんスか?
GM: 「いやいやいや、とりあえず中に入れてくれたまえよ。」
冬也: あ! どうぞどうぞ!! とドアを開けて招き入れます。
GM: 「お腹が減ってると思ってね。はい、牛丼。」と袋を差し出す。
冬也: おお……、これが噂の……っ!(一同笑)
月島: 初めてなんだ、牛丼(笑)。
冬也: いただきますっ! と手を合わせます。
GM: 「UGNの訓練施設で出るご飯もいいけど、こういうのも美味しいものだよ?」とか言いながら一緒に食べてくれるね。で、まあ食べ終わって一息つくとですね、「どうだい? 最初の任務は?」と労うように聞いてくる。
冬也: そうっスねー。訓練のときと違って、自分の得意分野だけやってりゃ良いわけじゃないっスからねー……。
GM: 「エージェントというのは当然、戦闘任務もあれば、今回みたいな情報収集任務もある。(優しく)得意分野はあるだろうがUGNが大変な今、選り好みが出来る状況じゃないんだ。だからこういう経験を積んで、早く一人前になって欲しいよ。」
冬也: (嬉しそうに)うっす! 頑張りますっ!! と目をキラキラさせて言う。
観鏡支部には大きな特徴が二つある。
一つは、日本のUGN支部の中でも有数のレネゲイドの研究施設があること。その室長でもあるのが、支部長の八重樫だ。
月島: オーヴァード界の、つくば学園都市みたいな感じか。
GM: ああ、まさにそんな感じかも。
もう一つはUGNチルドレンを育成している大きな訓練施設があること。冬也も、ここの出身者だ。
この訓練施設は特殊で、訓練生一人に対して教官が一人付く。当然、他の教官から習うこともあるが、いわゆる“親役”がつくのだ。
GM: で、その嬉野の教官が、八重樫だったと。
冬也: なるほど!! じゃあ、超お世話になってるじゃないっスかー!
GM: 八重樫は、その忙しい合間を縫って、嬉野に色んなことを教えてくれている。だから、君にとっては親も同然な存在かもしれない。
冬也: うっす!!
GM: 「ただ、因果な商売だよ。」と溜め息をつく。
冬也: ?
GM: 「本当なら、我が子のように育てた君を危険な任務にあたらせたくはないんだけど……それでは、UGNが掲げていることに反してしまう。」
冬也: ……元々、自分達が作られたのは「普通の」人達を守るためっスから。
GM: 君の「普通の人達を守る為」という言葉を聞くと、凄く嬉しそうな顔をするんだけども、その後に、若干悲しげな表情を見せるのも判るね。何か、悩んでいるようです。
冬也: …………。
GM: 「とりあえず、今日は一日目で疲れただろうから、明日に疲れを残さないように、早く寝てしまいなさい。僕も今日は失敬するよ。」
冬也: ……おつかれさまっス。とドアを開けて送り出します。
GM: というところでシーンをきるよ。
冬也: は! 支部長が帰ってから気付いた。この部屋には寝袋もない!! ……コンビニに買いに行きます(一同笑)。
月島: コンビニに何を買いに行くんだ!?
08 鴇村教授 シーンプレイヤー:菅野道明
翌朝。
菅野はウイルス学の権威である観鏡環境大学の教授の下を訪れようとしていた。
GM: では、次のシーンです。菅野のシーン。
菅野: シーンプレイヤーは、おっさんだ!
GM: おっさんはどうする?……てか34くらいでおっさんって言われるのも悲しいなー。
菅野: さてと。とりあえず、『ディレーム』のⅡについて、大学の教授にお伺いに行こうかな。
伊勢: じゃあ、ボクも出るよ。話したほうがいいでしょ? 色々と……(ダイスを振る)……侵蝕率10も上がったー!!
GM: レネゲイドがうずいてるのが、約一名(笑)。
月島: あ! ここ重要そうだから、私も出る!!
GM: はいよ。じゃあ、伊勢から、先程のシーンであったように、ウイルスに関する専門知識が必要だと言われた。
菅野: ああー……じゃ、ちょっと先生のところにお伺いに行こうかー。
月島: 教授さんのお名前は?
GM: 鴇村修一だね。では、君がその先生に当たりをつけようとしているところに、菅野チームのメンバーであり、副官でもある、大神古代さんという女性の方を出させていただきます。
月島: む! これは、ヒロインの座が危うい!?(一同笑)
GM: 因みにノイマン/モルフェウス。
月島: しかも支援系じゃないのか!? もしかして(←支援系)。
GM: 25歳。情報処理任務などの後方処理任務が得意なんだけども、いざとなれば二丁拳銃で背中を守る。
一同: すげー! 優秀だ。
月島: まずい、まずいわ!!
GM: 「鴇村先生の予約は取り付けておきました、隊長。」
菅野: 相変わらず仕事が早いねー。
GM: 「いえいえ。これが私の仕事ですから。」
月島: (ハンディカメラを構えて)はい、副官の大神さんでーす。
菅野: さて。ちょっと大所帯になってしまうけど、行こうかな。
GM: では、環境大学に着きました。今、目の前には鴇村教授がいる。
菅野: さすがに、きちんとしてるよ?
GM: では、ちょっとだらしない格好をした、便所サンダルを履いて無精ひげを生やした人が立ってるね。
月島: ああ、白衣は絶対アイロン当ててない感じの。
GM: そうそう(笑)。で、頭を掻きながら「今日は何の用ですかあ?」
菅野: 事前に情報を渡してあると思うんですけれども、件のウイルスについて先生のご意見を伺いたいのですが。
GM: 「どのようなものですか?」と言って情報を見せてもらう感じですね。では、鴇村さんの代わりに判定を振れます。【精神】8、<知識:ウイルス学>レベルを10持ってます。
一同: おぉー!!
GM: その代わりに、彼が振っても、その次に振る人の目標値が下がるというボーナスはありません。
月島: でも、ここは先生にお願いしよう。ここは《導きの華》でいきます!
伊勢: えーと、(GMに)一般人にエフェクトを使っても大丈夫なんですか?
GM: エフェクトの効果に書いてないから、よしとしましょう。
伊勢: 一人一回マイナーとメジャーが出来るんですよね? じゃあ、俺が先に判定して、それで先生が振るときの目標値を下げるっていうのは?
GM: 可能です。
伊勢: よし、じゃあ行きます! ……あっはっは。ボクは駄目だったよ。9! で、俺が調べたんで目標値が下がりました、月島が《導きの華》を使いました!
月島: なんか、伊勢の達成値で情報が出てこない前提で喋ってるよね(一同笑)。
伊勢: まあまあまあ、先生どうぞ!
菅野: 支援が入って、16からスタートか……。お、クリティカル! 12+16で28!!
GM: おおお……!
伊勢: 先生~!!《スポットライト》使います。
菅野: いや、他の人もいるから!! エフェクトぽんぽん使うな!
GM: (笑)では、ウイルスを調べている鴇村先生なんだけど、だんだんと口の端が上がってくるね。
伊勢: ですよねー、そうなりますよねー!(←楽しそう)
GM: で、彼が一言。「これはまた……。このウイルスを作った人は、相当悪意を込めて作っているね。」
菅野: 人為的なものってことですか。
GM: 今回見つかった『ディレーム』なんですけれども、ウイルス工学的に手が加えられていることが判ります。この『ディレーム』、レネゲイドウイルスが持っているRNAが書き換えられています。簡単に言うとウイルスが持つ遺伝子のようなもの……。
月島: 遺伝子を複製するための道具みたいなものだね。
GM: いえす!
他にも、以下のことが分かった
・外郭部分は、豚インフルエンザ。獣や人間など、哺乳類全般に感染する。非常に飛沫感染で、感染力の強いインフルエンザウイルス。
・内部のゲノム情報はHIV。人の免疫不全を起こす。
・このウイルスの感染率は非常に高く、人・獣を問わず感染する。
・感染した場合、HIVのRNAで免疫体が破壊され、その状態で、レネゲイドウイルスの持つゲノム情報が転写される。
・通常のレネゲイドウイルスに比べて数百倍・数千倍の感染率を誇る。
GM: そんなものをオープニングのときに持ち歩いてた人が居ましたが(笑)。
伊勢: 大丈夫大丈夫(←根拠のない自信)。
GM: まあ、完全に密封されてたってことで。
月島: 要は、予測としてはエイズのパンデミックが起こるってことだね。
GM: そうだね。
月島: 私のさっきの予測を公表すると、誰かが感染症を起こさせることを目的として作ったとしか考えられないわけですよ。つまりその裏で手を引いている奴が居るんですね。
一同: …………。
伊勢: (研究データを見ながら)何が目的か、だよねぇ……。
GM: 因みに、今の月島の予測について、鴇村教授も同一の見解を述べているね。「間違いなくこれは、この遺伝情報を不特定多数の人間に感染させることを目的に作った、悪意のあるウイルスだ。」
伊勢: (笑いながら)でもさっきの予測、月島さんが言ったのか、朝比奈さん(プレイヤー)が言ったのか判んない……。
月島: じゃちょっと、ここでハンディカムを自分の方に向けて(ホームビデオっぽく)褒められちゃいましたぁ~(一同笑)。
菅野: でもって、今ウチの手元にある東事務所の研究内容と被る部分は?
GM: もちろんある。通常であればレネゲイドウイルスって空気感染以外の経路は発見されていないんだ。で、他にどういう感染経路だと、感染確率は何%とか、そういう情報が蓄えられていた。それらを統合した結果、こういったレトロウイルスによる感染も考えられる、と。
月島: なんかそういう話になってくると、私の感染の仕方ってすごい特殊なんだね(一同笑)。
GM: 君は例外だよ(笑)。とまあ、ウイルスの危険性について認識したところで、シーンを切りましょう。
冬也: しまった! 自分一人だけこのシーンに出てない……。
09 暗躍する者 Master Scene
時間は、夜。観鏡市の繁華街。
夜遅くに路地裏で溜まる不良たち。そこに、町の明かりを背に如月が現れた。
「……?」
訝しげに見上げる不良たち。
そこに向かって、如月が手に持った何かを放り投げた。
「が……っ!?」
咳き込み、もがき苦しむ不良たち。
――――数分後。
幾人かがむくりと起き上がった。その顔は一様に無表情。
「――コイツぁ楽しいな。」
酷薄な笑みを浮かべて、如月が呟いた。
GM: つまり、色んなところで手駒を増やしているわけですな。早く何とかしないと大変なことになるよ?(にやり)
一同: …………。
10 挑戦状 シーンプレイヤー:嬉野冬也
菅野達が大学で教授に話を聞いているのと同時刻。
冬也は支部長室で、慣れない事務仕事に悪戦苦闘していた。
すると――――……。
GM: では、ここから強制的に話がどんどん進んでいきますよー。シーンプレイヤーは冬也!
冬也: はいー……お、やっとダイスボーナスがついた。
GM: なんで冬也が一緒に大学に行ってないのか分からないんですが……。
菅野: いや、どっちかっていうと、さっきのシーンが予想外に大人数になっちゃった感じだから。
月島: でも、情報共有しとかないとまずい感じかな?
GM: 今回は、誰かが調べたことは共有されるというルールで進めているので、しなくて大丈夫ですよ。
月島: ん。おっけー。
GM: では。時間は、菅野たちが大学に行っている時間と同じ頃にしましょう。支部長室で、事務仕事か何かを手伝っていたと思いねぇ。
冬也: ふむふむ。
GM: その時にですね、八重樫に一通の電子メールが届いたことが分かる。
伊勢: ピロリンロン(←着信音)。
GM: 八重樫が訝しげにそのメールを開くと。差出人は不明です。
冬也: 何でしょうね……?
GM: メールにはこんなことが書かれてある。
間抜けなUGNに伝えるぜ。
俺様主催のゲームに付き合ってもらう。
観鏡市のどこかに爆弾を仕掛けさせてもらった。
既に知っていると思うが、特製のウイルスを込めさせてもらったぜ。
爆発予定時刻は明日の0時。
万が一止めれば貴様らの勝ち。
止められなければ俺様の勝ち。そして、俺みたいな気違いが大量生産だ。
さぁ、止められるか?
GM: 因みに具体的なタイムリミットまでは、このシーンを除いてあと3シーンです。
伊勢: おお……3シーンしかないんだ。
月島: …………(←何かを考えている)。
GM: 当然、シーンプレイヤー制で動くので、あと三人しか行動できません。で、爆弾が仕掛けられているらしいと。それについて調査なり何なりをして、対策をとらなきゃいけないかもしれない。
月島: なるほどね。
GM: で、すいません。地図がないんで、口頭で説明します。探索箇所を今まで出てきたところにプラスして言います。
冬也: はい。
GM: 住宅街。観鏡中央駅。ミラーランド。倉庫地区。環境大学の五つ。因みに情報収集をしたいのであれば、残りの3シーンの中でしてもOKですが、それをした場合、爆弾を探すことは出来ません。
冬也: うんうん。
GM: あと3シーンでどういう行動を取るか、最善の手を考えてみてください。こういうこと出来るの? ああいうこと出来るの? ってのは当然聞いてもらって構いません。
月島: (町の地図を作っている)
伊勢: はーい、GM! どこら辺に爆弾が仕掛けられているのか、というのを情報収集によって狭めることは出来ますか?
GM: 闇雲に狭めることは不可能です。ただし、何かしらの根拠があって、ということならば、そのときは考えます。
菅野: 手が足りないなぁ……。
GM: 因みに、当然1シーンにつき調べられるのは一箇所なんで。
伊勢: この町の広さはどのくらいですか?
GM: 具体的には決めてなかった……。
月島: (作った地図を見つつ)ちょっと、ルール的な確認なんだけど、大学・UGN・住宅地・駅・倉庫・ミラーランドの六ヶ所で合ってる?
GM: ふんふん。
月島: 襲撃された東事務所は、地図上に載ってるけど、候補から除外しても大丈夫?
GM: 探索できるのは、地図上に載ってる箇所全て、です。
月島: 何を思ったかって言うと、私がGMだったら絶対UGNの支部に爆弾を仕掛けるなって思って。
伊勢: なるほど!
GM: …………(ヤバい。読まれている)。
月島: いやね、如月の性格から考えると、UGN支部の線が濃いな、と。
GM: ……………(いかん。鋭すぎる)。
月島: 住宅地とミラーランドも、人の多さから考えるとあり得るなと。研究施設があった東事務所は、もう壊されてるからないと考えていいと思うんだけど……。
冬也: うーん……。
月島: (GMに)要はこの六択、と考えていいんだよね?
GM: ……地図に出ている場所が全てです(笑)。
伊勢: じゃあ、七択……ですかね。
GM&月島: (顔を見合わせて笑う)
GM: こういうときに動じない表情筋が欲しい……(一同笑)。
月島: 私の中で今一番怪しいのはねー、UGN観鏡支部なんだよね。
菅野: 手分けしたいなぁ……。
GM: 『こういう風にして1シーンで2箇所とか調べたい』って言うのは、宣言してください。一応考えられるだけの状況について、対応は考えてあります。
冬也: 3シーンとも全員登場というのは、可能ですか?
GM: 可能です。
月島: でも、全員が分散して調べるってのは不可能ってことだよね。1シーンに一箇所ってことは。
GM: ですね。
伊勢: アレですよ! 全員分散して調べに行って、全員で同時に電話で登場。
GM: (即答)ダメだよ!!(一同笑)
菅野: “マッド・ボマー”の思考についてを調べたいけど……。
伊勢: それなら1シーン目に全員とかで登場して、他の人がUGN支部を調べつつ、その思考を探る……っていうのなら出来ますよね?
GM: はい。
月島: うん……そうだね。第一手はそれでいかない? 私もそれでいいと思う。
冬也: あ、ちなみにこの、自分のシーンって、宣言がありましたってところで終わりですよね?
GM: そうだね。
月島: このシーンって、私達が大学に行ってるのと同じ頃だよね。
GM: そうなりますね。
月島: じゃあ、登場不可か……うーん、何処でシールドを手に入れよう?
GM: 悩むのはそんなとこかい!?(笑)
伊勢: 情報収集の代わりに<調達>って出来ますか?
GM: んー……じゃあ、厳密にルール化しましょう。1シーンにつき、一人1行動が行えます。
月島: よし、じゃあまとめよう。!(←そういうキャラじゃないのに気付いた)……(菅野に)リーダー、どうぞ(一同笑)。
菅野: まず、第一手。UGNにて情報収集及び、UGN支部の爆弾の探索。
月島: 1ターン目でヒットさせられるといいなー……。
GM: ……(判定に成功しなきゃダメだけどな)。
伊勢: 1ターン目で何とかしたいんなら、俺の中ではミラーランドなんですよ。
月島: 賭け、だな。私の中ではねー、ミラーランドは囮なんだよ。
GM: あっはっはっはっは(←もう笑うしかない)。
月島: ここまで、DX3のリプレイと同じような展開を見せてるからねー、ここでミラーランドだと話が被るから、それはないと思うんだよ。
GM: それは、俺と君の長い付き合いがあっての発言だよね?
月島: そう。これはあくまで、シナリオ作った人の心を読んでるからね(笑)。
やめてください。
伊勢: なるほどー(笑)。
月島: 私は安全策主張だな。それに、UGNに爆弾がある可能性も限りなく高いと思ってるから。
11 捜索 シーンプレイヤー:菅野道明
かくして、爆弾探しが始まった――――……。
GM: では、シーン始めますよー。シーンプレイヤーは、リーダーの菅野で行きましょうか。
菅野: OK!
GM: 場所は?
菅野: UGN支部!
一同: 登場ー(ダイスを振る)。
GM: では、行動宣言をお願いします。
菅野: とりあえず確認を。まず、UGNで爆弾が何処にあるかを探す……。
GM: それで一人、だね。
菅野: あと、敵の思考を読むのをしたいんだけど……。
GM: 事前の情報収集で、プロファイリング結果が出てないので、そこから調べないとですね。で、それから、別の人が予測を立てる。
月島: ……よし、じゃあ順番に処理していって、情報の出具合によって、行動を変えよう。
GM: では、具体的に説明します。
●爆弾探しルール
・爆弾を探す → <知覚>で目標値14。
・爆弾がダミーかどうかの分析をする → <知識:機械工学>or<知識:爆発物>で目標値14。
・爆弾を解除する → <知識:機械工学>or<知識:爆発物>で目標値16。
※ただし、分析に成功していた場合、目標値が下がる。
月島: これ、ダミーが見つかるのが、一番馬鹿馬鹿しいってことだよねー。
伊勢: ですね。
月島: よし! ここは《要の陣形》の使いどころだ!! 戦闘に入ったらどうせ使わないし。
冬也: 直接攻撃系の人数、いませんからねぇ……(←他人事)。
月島: 《要の陣形》+《導きの華》!!
GM: 月島の持つ領域が広がっていき、皆さんに不思議な力が!! そして、伊勢の行動だ。
伊勢: はい! 8個振って、一個でも5以上があれば……(ダイスを振る)成功!
GM: では、爆弾は見つかります。
伊勢: あっちゃったよぉ~。
菅野: で、ここで俺の番だけど……。
月島: これさー、分析じゃなくて解除にしちゃわない? 成功しさえすれば、一手省けるんだよ。で、残り一人は情報収集。
伊勢: そうですねー。それがいいかも。
GM: それは可能ですね。ただ、目標値が高くなるけど。
菅野: じゃあ……如月にロイスを結んで、彼のことを調べてしまおう。<コネ:UGN>と情報収集チーム使って……4D+10!!
GM: きっと大神さんが頑張ったんだろうね。
菅野: いやーもう、彼女には頭が上がらないよ。彼女にもロイスをとろう……(ダイスを振る)お、クリティカル! 26!!
GM: じゃあ、分かりますね。彼の犯罪歴から、彼のスタイルが判る。
・発破を使った戦闘能力の他、非常なしぶとさで有名で、自分達をも巻き込んだ爆発を起こす。
・ブラックドッグのシンドロームを持っており、戦闘任務のほかに、あらゆるセキュリティを無効化するエフェクトを使っての情報収集任務も請け負っている。
・基本的に目立ちたがり屋で、UGNに対して反感を抱いている。
GM: これらのことから推測すると、彼が提示した5箇所ではなく、UGN支部に爆弾を仕掛けている公算は非常に高いですね。
月島: よし、解除だ!
菅野: じゃあ、(冬也に)悪いんだけど少年、これ、ささっと解除しちゃって。
冬也: はうぅ!? 初任務なのにぃ~……。
月島: なんか冬也に自分と同じ境遇を感じて、親近感を覚える(一同笑)
冬也: (困ったように)うぅー……達成値+6がくるけど、3つ振ってクリティカルしなきゃいけないんだよね……? どうしようぅ……。
月島: 大丈夫。いざとなったら《妖精の手》を使うから。
GM: あれ?《妖精の手》ってメジャーアクションじゃないの?
月島: ううん。オートで、誰かが判定したときに、その出目を一個10にするの。
GM: おぉぉ……。
冬也: GM! ここで“マッド・ボマー”にロイスを結びたいんですが。
GM: 感情は?
冬也: 執着/■憤懣で。
GM: はい。では、解除の判定をどうぞ!!
冬也: よし! 自分のPC1力を見せてやるっス!!(ダイスを振る)っ!!
月島: おお!! 出た!! 素晴らしいPC1力だ!
GM: いやー、ははは。やるねぇ。では冬也が……マニュアルに載ってたんだろうか? その優れた力で爆弾を解除しました。
菅野: ほら出来た、少年(笑)。
冬也: ぜーはーしてます。
GM: 実際、中には、伊勢が見るとすぐに分かるんだけども、『ディレーム』が仕掛けられているね。
伊勢: あ、いたいたぁ~。
月島: ビンゴだったねえ(笑)。まさかの1シーン目だよ。
冬也: すごーい……。
12 戦闘用意 シーンプレイヤー:菅野道明
GM: では、次のシーンも強制です。クライマックス一歩手前。シーンプレイヤーは流れ的に、もう一度菅野になります。
菅野: はいはい。
GM: 全員登場してください。
月島&冬也: はーい。
伊勢: や~だ~!! 7も上がった! 今、90%。
冬也: 高い……。
伊勢: もうクライマックス何もやんないから、皆がんばって~(笑)。
GM: では、UGN支部の支部長室に、菅野チームが全員揃うね。で、支部の爆破未遂事件を受けて、最優先でFHエージェント“マッド・ボマー”を捕獲もしくは処理すること、という任務が下る。
菅野: 了解。
GM: で、如月の潜伏場所は、繁華街の一角にある廃ビルと分かっています。八重樫はいつになく厳しい口調で言う。「ここまでUGNがこけにされたのは初めてです。今、ここできちんとUGNの力を見せなければ、増長をさらに助長することになります。徹底的に、粉砕してください。」
冬也: では、珍しいなと思いつつ、はい! と返事をする。
伊勢: あっはっはっはっは。盾欲しいな(一同爆笑)。
GM: はい。そのためにこのシーンを作りました! 調達するならばこれがラストです。
ここで、月島は電磁シールドを調達して冬也に貸し出し。伊勢はジュラルミンシールドを、菅野は鎖帷子をそれぞれ自力で調達した。
月島: 今回のアイテムは、大神さんが用意してくれたって感じかな?
GM: そうだね。「隊長の背中を守るのが、私の仕事ですから。」って感じで。
冬也: かっこいいー。
伊勢: いいねいいね~。そういうのいいねぇ~(にやにや)。
月島: よし! じゃあここで、大神さんにロイスを結ぶと、この子のキャラが立ってしまいそうなので、八重樫さんに……(一同笑)。
冬也: 自分は、ここで“プラスティック・ムーン”さんにロイスを結んでおこうと思います。
伊勢: ボクは鴇村教授に結んだよぉ。
月島: 純愛、とかにしようかなぁ……。
GM: いつそんなフラグを立てた、お前は?
月島: 好意くらいにしておこうかなー(笑)。