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第三話 Border Line 02

Middle Phase


01◆ 緊急会議 


 その日、観鏡支部・菅野チームの面々は、八重樫によって会議室に集められていた。


GM: では、皆さん登場してください!

一同: はーい。

GM: では、皆さん! 気合いを入れてください!! ……気合い?

菅野: 自分で疑問形にすんなよ!?

GM: えー、観鏡支部の会議室にPCと八重樫、そして霧谷が、円卓に座っていると思ってください。

伊勢: ぶらーん、ぶらーん。

月島: ちょっと……今、円卓があって、そこに皆が背中合わせで足をぶらぶらさせてる絵を想像したヤツ、正直に手を挙げろ!(一同爆笑)

GM: それお前だけじゃないか?

伊勢: ボクは、周りがちゃんと座ってる中、一人でその座り方をしてるのを想像してましたぁ。

GM: で、えー……霧谷が言うには、「我々の仕事は通常のそれとは違い、特異性に満ちています。従って、現場での判断、当事者性の問題と色々な要素から鑑みて、基本的に現地に居た人間の判断を尊重したいと考えているのは事実です。この件の裁量は私に委ねられています。」

月島: うん。

GM: つまり、月島の身柄に関して等、全ての決定権を霧谷が持っていると思ってください。アクシズも了承済みです。

月島: しまった!《縮地》をとっておけばよかった! ……いざというときの為に(一同笑)

冬也: 何をする気だ、と。

GM: 「私としては、皆さんの意見・そして考えを参考にして判断したいと思っています。」と、いうところで、今回のギミックの一つです。


 と、ここでGMは各自に、四つの枠が作られている紙を配る。


月島: お?

伊勢: 投票用紙!

冬也: へー。

GM: これから、上の二つの枠を使って今現在のあなたの考えを書いてください。

月島: 枠が1と2に分かれているのはどうして?

GM: 質問が二つあります。一つ目、『月島の判断、(FHエージェント・ナイトウォッチを生かしたこと云々を含めて、前回の結果)について、貴方の意見を賛成か反対かで回答してください』ただし、グレー回答はナシで。

菅野: 今から書くのは、その会議室での自分の発言と考えていいのかな?

GM: はいそうですね。で、二つ目『上記判断の理由を簡単に』

月島: あ、1のとこに理由書いちゃった。

GM: まあ、分かるようになってればいいです(笑)今回この結果が、今回のシナリオの最終結果と次のシナリオに関わってきます。あともう一つ! 今回、月島に対する査問会みたいな位置づけのものになってます。

月島: うん。

GM: で、ぶっちゃけて言いますと、クライマックス直前に、月島に対する処遇が決まります。

月島: むむむむ。

GM: ただこれは、月島個人に対するペナルティではありません。ゲーム的には。

菅野: うん?

GM: 例えば、月島に対して厳しい処遇が決まったとして、それによる結果は、パーティー全体へのペナルティとなります。OK?

一同: (紙に各自意見を書きつつ)はーい。

伊勢: はーい、できたぁ(とGMに書いた紙を見せる)。

GM: はい……(紙を読んで)いや、帰っちゃダメだろ!?(笑)

伊勢: だぁってぇ~……。

GM: シナリオの最初と最後で、意見がどう変わるのかっていうのを、記録しておくとおもしろいかなーと思って、今回用意してみました(笑)。どうですか? 皆さん、もうそろそろ出来ましたかねー?

一同: できましたー。

GM: では、PC1から、回答を喋ってもらいましょうか!

冬也: はうぁっ!?

GM: 霧谷が言います。「キミの考えを聞かせてください。」

冬也: なんで年下の自分から聞くんだろう? 喋りにくいじゃん、と思いつつ……(一同笑)。

菅野: PC1の宿命(笑)。

冬也: 自分は、前回の……月島さん、の行動には賛成っす。

GM: 「そのこころは?」

冬也: (素で)………お笑い的な答えを求められてる気がしてしまった。

GM: 「大丈夫です、これは大喜利じゃありません。」(一同爆笑)

冬也: 自分達が守るべきものは、例えそれがFHであれUGNであれ、その人にとっての大切な人だと思うんス。だから……UGNの基本理念は、「FHを倒す」じゃなくて「日常を守る」こと。ならば、彼女のとった行動は正しいんじゃないかと……思う、んス。

伊勢: ブラボぉ~(拍手)!ボクもボクもぉ~!!

GM: 「なるほど。よくわかりました。」

月島: 髪の毛をいじります(一同爆笑)。

GM: 「では次、菅野くん。貴方の意見を教えてください。」

菅野: えー……前回彼女がとった行動に対する私の意見ですが、反対です。

GM: 「はい。では、理由を。」

菅野: 理由は二点です。現場において職権乱用とも考えられる行動をとったこと。「責任をとる」と言ったことに対して現在何も保障がないこと。

GM: 「はい。では、次。伊勢くん。」

伊勢: (やる気のない声で)はぁい、さんせーでぇす(一同笑)。

GM: 「そのこころは?」

伊勢: (同じくやる気のない声で)えっとぉ、だって~……ねぇ? 人間的な温かみというか何というか、そういうのが欲しいじゃないですかぁ~。じゃなかったらボク、ここに居れないしぃ~。

GM: ……喋ってる口調はすっげぇムカつくんだけど、言ってることは正しいよな(一同爆笑)。

冬也: なんか、ありありと「帰りたい」感が……。

伊勢: まぁ、う~ん……もうそれでいい? ボク帰ってもいいよねぇ?

月島: (素で)ゴメン、よく分かんなかったんだけど……。

伊勢: (素になって)つまり、人間的な温かみ、と点から見て、元々の関係性という部分があったので、あそこでとどめを差すというのはどうなのか、ということです。

月島: ああ、なるほどね。口調にだまされて、内容が頭に入ってこなかった(一同笑)。

菅野: こちらの地下施設に殴りこんできて、こちら側の人間に攻撃したのを無視して、相手の命だけ尊重するっていうのはどうなのよ? って話になるけど?

伊勢: 正直な話、別に彼女の目の前じゃなかったら、殺してもいいと思ったよぉ?

菅野: ぶっちゃけすぎ(笑)。

伊勢: でもぉ、彼女があのときにとった行動については賛成だよぉ? ボクは。

GM: 「では、当事者の月島さん。貴方は?」

月島: 私は、賛成も反対もありません。私がやったことですから。ここで反対と言うのは、それこそ責任放棄になるでしょうね。

一同: ……。

月島: 私が前回ああいう行動をとった理由は一つしかないんです。「人を殺すのは、良くないことだ」と父が言っておりましたので。だから私はUGNに入って戦闘部門に配属されても、ただの一度として、人に銃口を向けたことはなく、それが良い悪いは別にして、出来ないものは出来ない、というだけの話なんです。

伊勢: ほう……。

月島: なので、それに対して「責任を取れ」と言われたら、粛々と責任を取るしかないと考えています。でも、私が、目の前に居る知人の心臓を抉り取るようなことは有り得ません。

GM: うん。

月島: ので、処分は如何様いかようにもしてくださって構いません。

GM: はい。では、最後に、八重樫です。彼としては当然、反対を明言します。


 八重樫は、FHという組織に温情を与える余裕が今のUGNにあるのかと、組織の面から断じているようだった。


GM: それらの話を霧谷は聞いて、「それでは、結果を四日後に私がまとめて発表します。」と。

月島: 4シーン後……(一同笑)。

GM: 違ぇ! えー、なので、「各人、別命あるまで待機していてください。」という形でシーンを閉じます。

伊勢: やったぁ~、帰ろ帰ろ。


        ◆       ◆        ◆


GM: では、ミドルのルールについての追加です。


追加ルールは以下のとおり。

 ・四日後に月島の処遇が決まったら、クライマックス

 ・トリガーシーンをGMが投げることもあるが、基本的にプレイヤーがシーンを作る

 ・トリガーシーンは別として、シーンプレイヤーが一巡すると、一日が経過する


一同: はーい。

GM: それからもう一つ! 強制的にトリガーシーンが挿入されることがありますので、やりたいことがあるなら、先にやっておいたほうがいいかもよ?(笑)

伊勢: 先にやっておいたほうがいいだって!? ……わかりました。

菅野: わかりました(笑)。


02◆三枝櫻        シーンプレイヤー:嬉野冬也


 「彼女に対する審判は、どう下されるんだろう―――?」

不安を覚えないではないが、自分に出来ることもなく、歯がゆい思いをしながら通常業務をこなしていた。そんな時――――――。


GM: では、いきましょう。まず、シーンプレイヤーは嬉野くん!

冬也: うーん……どうしようかなぁ……。

GM: まぁ別に深く考えなくてもいいですよ?(笑)

冬也: いえ、大人の皆さんの反対意見を、変えにいこうとか話しに行こうとか考えるのかなぁ? 自分、と思って。

GM: では、嬉野君にはこんなシーンを演出していきましょう。

冬也: お。はーい!

GM: まぁ、そんな悶々とした思いを抱えている、と(一同笑)。

冬也: はい、悩んでます。

GM: とはいえ、日常の業務というのはあるもので。

冬也: あ、そっか。

GM: キミはたまたまチルドレンの養成機関に用事があって、そちらに来たと思ってください。

冬也: おお、はい!

GM: で、その用事が終わって、―――僕の中では、この養成機関って、でかい学校みたいなイメージなんだけど。グラウンドがあって、校舎っぽいものがあって、みたいな。

一同: うんうん。

GM: かつて自分も通っていた施設を何気なく見ているわけですが。

冬也: 懐かしいなぁ……。

GM: そうするとですね、グラウンドの脇にフェンスがあって、その横を八重樫が歩いているのを見かけます。

冬也: お?

GM: 手には花束を持っている。

冬也: 支部長! って声をかけます。

GM: すると君の方を見て、「ああ、嬉野君か。」

冬也: どうしたんスか?

GM: 「うーん……ま、ちょっとね。」と、歩きながら話をするね。君はこの前まで通っていたので当然分かるんですが、このまま行くと、共同墓地があるね。

冬也: おぉ……。

GM: UGチルドレンの中で、例えば戸籍が抹消されている者がミッションで死んだときに葬られる共同墓地だね。

冬也: なるほど。

GM: 30分くらい歩くと、その墓地に着きます。当然表立って葬ることが出来ないので、酷くこじんまりしている感じですね。

冬也: はい。

GM: 八重樫は、持っていた花束を、とある墓標の前に置きます。

冬也: ……昔のお知り合いっすか?

GM: 「昔の僕の教え子なんだ……。」と、八重樫は言うね。で、キミが墓標に目をやると、三枝櫻さえぐささくらと書かれているのが分かるね

冬也: 三枝……櫻……。

GM: 八重樫は花を供えると、何かを語りかけるかのように黙り込むね。まるで、君の存在を忘れているかのように。

冬也: この方もやっぱり、任務で……?

GM: 「(うわの空で)ん……まぁ、そうだね。」

冬也: そう……っすか。

GM: 「ちょっと湿っぽくなっちゃったけど、君ならば大丈夫だよ。僕の教え子の中でも優秀だからね。じゃあ、僕は仕事があるから……。」というと、八重樫はキミに背を向けて歩き出す。

冬也: あ、支部長!

GM: 声をかけると歩みを止めて振り返るね「ん? なんだい?」

冬也: ん、と……前に、自分にとっての戦う理由が見つかるといい、って言ってたじゃないっすか。

GM: 「うん。」

冬也: そのお気持ちは、まだ変わってないっスか?

GM: 「そうだね。僕からの問いかけはもう既にしている筈だ。それに対しての答えは、まだ貰ってないと思っているよ。」と、かつてキミの教官だった頃の顔になって言うね。

冬也: ――――それが例えば、支部長と少し方向を違えるとしても……?

GM: 「僕としては、僕の考えを押し付けることはしたくないんだ。だから、キミにとって最善の理由が見つかったのなら、僕がそれを否定する理由はないよ。」

冬也: ……っ。

GM: 「もし、それが見つかりかけているのなら、是非見つけて欲しい。――――これだけは、僕の本当の答えの一つだよ。」

冬也: ……分かりました、八重樫支部長。

GM: お、コードネームで呼ばれなくなったんだ(笑)まぁ、そんなところで、八重樫は去っていく。

冬也: はい。


 一人残された冬也は、どこか戸惑ったような表情で、三枝櫻の墓標を見つめていた――――……。


03◆伊勢のお願い   シーンプレイヤー:菅野道明


 「失礼します。」

大神の声がした方へ目をやった菅野は、そこに珍しい人物を見つけた。


GM: では次ー。菅野ですね。

菅野: はいはい。やりたいことは先にやっとけって言われたからねぇ……。

GM: 別に無理やりすることもないんだよ?

月島: 菅野は、前回のセッション時に、購入判定のタイミングがなかったことを悔いているんだよ。

一同: ああ~。

菅野: そうそう。とりあえずね、購入判定をしておきたい。で、成功したらシーンを作りたい。

GM: 失敗したらどーすんだよっ!?(笑)

菅野: 失敗したら、違うシーンを作る。

GM: では、判定どうぞ!

菅野: <コネ:手配師>を使います! 手に入れたいものは、両手剣。目標値は13!!

GM: どぞー。

菅野: (ダイスを振る)よし、クリティカルして……お、OK!

GM: では大神君が、でかい箱を持ってくるね。

伊勢: あぁ、ボクも手伝うよぉ~(←登場)え? ここに運ぶのぉ? でも、これ運んだら“クロスブレード”になっちゃうよぉ~?(一同爆笑)

月島: (大神になって)いえ、彼は“クロスブレード”なんです、本当は。

菅野: なんか、悪いねー伊勢さん、私物持ってくるの手伝ってもらっちゃって。

月島: (大神で)いえ、経費で買ってるから、私物じゃないですよ?(一同笑)

伊勢: そうそう大神さぁん、ボクのバイクはどこやったぁ?(<調達>判定をする)あ、ある? うん。わかったぁ、ありがとぉ~。

菅野: 人の部下を勝手に使わないで欲しいんだけどなー。

伊勢: そぉんなぁ。大神さんは、皆の大神さんじゃないのぉ? 違うのぉ? ごめんなさい?(一同爆笑)これでい~い?

GM: 素直だな。

月島: そしてさりげなく胃薬を飲む大神さん(一同笑)。

伊勢: 大変だねぇ。

GM: きっと、色んな人のやってる仕事の重箱の隅をつつくようなことをしてるんだろうね。

伊勢: あ、そうそう。ボクちょっと出かけてくるから~。それをちょっとキミに言いに来たんだよ。

菅野: 何処に行くんですか?

伊勢: うん、ちょっとねぇ。野暮用~。

菅野: 野暮用はいいんだけど、四日後の――――……。

伊勢: ああ~、大丈夫大丈夫。一日で済む予定だからぁ。あ、一応住所、ここに書いてくねぇ?(一同笑)

菅野: 一応、セクションとしては、八重樫に報告するんじゃないの?

伊勢: まぁまぁ、いいからいいからぁ~。キミがとっといて。あ! ボクが帰ってこなかったら迎えに来てねぇ~? ばいばぁい。(一同笑)シーンから退場します。

GM: その住所っていうのは、桐生の研究所の位置ってことでいいんだよね?

伊勢: です。

菅野: じゃあ大神君に、もらった紙をピラピラしながら。ちょっとこの住所、調べてもらえるー?

伊勢: シーンに出ます(←もう一回登場ダイスを振った)。そぉんなぁ~、調べるなんて止めてよぉ~。明日でいいじゃなぁい。

菅野: 伊勢さんが、おっさんに頼みごとって時点で嫌な予感しかしないんだけど。

伊勢: 頼みごとじゃなくて、ただの報告だよぉ~。もうぅ、人のアラ探さないでよぉ~。じゃあ行ってきまぁす~。とシーンを退場します。

GM: 初めてだよ、同じシーンに二回登場したPC見たの。

月島: ていうか、ルール的に出来るの?

GM: ま、GMが認めればとかなんだろうけども、いいよ? 別に僕は止めやしないよ(一同笑)。

伊勢: 初めて1シーンで二回も侵蝕率あげたー!

GM: ま、上げなくてもよかったのかもしれないけど、勝手に上げてたからね。

菅野: まぁ、大神君に住所を調べるよう頼んでおくよ。


 「――――――ったく、伊勢さんは……。」

自分の言いたいことだけを言って去っていった伊勢に対してため息をつきつつ、菅野は肩を落とした。


04◆懐かしい顔     シーンプレイヤー:伊勢四郎


 伊勢は都築京香からもらった情報を元に行動を起こす。

「その場所」には、懐かしい顔があった……。


GM: では次、伊勢さん。

伊勢: はい。ボクは、バイクにまたがって、まっすぐ走ってまぁす。そして、とあるラボに来ました。で、入場するところで警備員さんに、あのぉ~桐生くんの友達なんですけどぉ~……。

GM: あ、警備員というかですね。メモの場所に行くと、オフィスビルみたいな感じですね。で、キミがその中に入っていくと、閉じていた扉が順々に開いていきます。

伊勢: 入れたぁ~。

GM: で、最終的に一番奥の扉が開くと、その部屋の中は薄暗く、コンピューターの電子音が響いていると思ってください。部屋の奥には桐生が座っています。

伊勢: では、ここで《スポットライト》を使用します(一同笑)。

GM: 桐生は苦笑して「変わらないなぁ。」と。

伊勢: やぁ、孝之くん。久しぶりぃ。

GM: 「ほんとに久しぶりだね。」

伊勢: お互い死んでなかったんだねぇ~。

GM: 「なんとかね。」

月島: 桐生孝之は、FHの人?

伊勢: FHの人です。

GM: 根っからです。「今度はUGNに鞍替えかい?」

伊勢: いやいやそんな、都築京香さんが居なくなったでしょぉ? その時にボクの立場も危うくなっちゃってねぇ……もう。

GM: 「今日は、キミのほうから来るなんて、何用だい?」

伊勢: そうそうそう。今の研究内容っていうかぁ……教えてぇ?

GM: 「君も知っての通り、ボクの研究内容は、レネゲイドビーイングになることだよ。」

伊勢: うんうん。成功したんだってぇ?

GM: 「まぁ、擬似的にね。」

伊勢: というと?

GM: 「具体的に言うと、レネゲイドビーイングになる為の種というか、そういうモノを抽出して、それを埋め込むことで、力を得る。」

伊勢: 抽出して、得る? なんか、随分と鞍替えしてるねぇ、研究の方向が。

GM: 「あくまで、レネゲイドビーイングとオーヴァードは別物で、その壁を越えることは出来なかったんだ。だから、そういう手段をとらざるを得なかったんだよ。」

伊勢: ふぅ~ん、なるほどねぇ。

GM: 「この研究を続けていくにあたって、両者の違いをありありと認識してしまったんだ……。」

伊勢: そっかぁ~。

GM: 「ただ、至ることの出来ない道ではない、と考えている。」

伊勢: うんうん。

GM: 「だから、レネゲイドビーイングがここまで進化している現状を鑑みるに、オーヴァードがレネゲイドビーイング化することは可能じゃないか、とね。」

伊勢: ふぅん?

GM: まあ、桐生は、人間が一階、オーヴァードが中二階、レネゲイドビーイングが二階という風に考えているようだね。

月島: 私たちは踊り場の存在ということか(一同笑)。

GM: 「今の人間、そして人間社会はどん詰まりにある。国家や日常社会という鎖に雁字搦めになり、進化の袋小路に居る。これを解放するのが、オーヴァードの責任だと思っている。」

伊勢: いいねぇいいねぇ、FHっぽいねぇ~。それで?

GM: 「僕ら研究者にとって、不必要なものは何だか、判っているかい?」

伊勢: んん~、なんだろうねぇ? 思いつかないなぁ。

GM: 「倫理観、だよ。」

伊勢: ん?

GM: 「僕ら研究者にとって重要なのは結果であって、その結果を出す為に不必要なものは倫理観。例えば、常識とかそういったものは不必要なんだ。」

伊勢: なるほどねぇ。

GM: 「ただ、そういう研究をするために、UGNというのは足枷にしかならない。」

伊勢: 確かにねぇ。

GM: 「……伊勢。僕と一緒に来ないか?」

伊勢: 忘れたのかい? ボクとキミの研究内容は、若干違うんだよぉ?

GM: 「だが、僕は君を、高く評価している。」

伊勢: あっはっはっは、嬉しいなぁ。でもぉ、“プランナー”から、若干不評は買ってるみたいだよぉ?

GM: 「彼女と僕はもう、袂を分かっている。」

伊勢: (小声で)袂、分かっちゃったのぉ!? えぇ~!?(桐生に)それでボクに来いっていうのはどういうことか、判ってるよねぇ!?

GM: 「そのつもりで言っているよ。」

伊勢: 大変なこと言っちゃってるなぁ……。

GM: 「我々、FHセル“オリジナルシン”は、近いうちに人間に対して覚醒を促す、ある作戦を実行する。」

伊勢: ほぉ~?

GM: 「それまでに君の協力が得られることを信じている。」

伊勢: あっはっはっは。あ、ボクが向こうに居ても、なるべく殺さないでねぇ? ボクはあんまりちょっかいかけないからさぁ。

GM: 「そうならないことを祈っているよ。」

伊勢: じゃあ、またねぇ~。ってとこで、GM! ここで、桐生孝之の研究によって、レネゲイドビーイングの存在が危うくなるものなのかどうかってのを調べたいと思います!

GM: あ、それは判定なしで大丈夫ですよ。結論から言うと、彼の行おうとしている研究は、擬似的にレネゲイドの特性を抽出して他社に埋め込むことで、ルール的に言うと、レネゲイドビーイングが、エグザイルで《融合》していると思ってください。

伊勢: はいはい。

GM: そういう状態を作り出して、擬似的にレネゲイドビーイング化するというものなんだけれども、それは、仮にレネゲイドビーイングに意志があるとしたら、それを無視する形になる。

伊勢: なるほどなるほど。無理矢理《融合》させてる状況になるんだね。

GM: です。だから、レネゲイドビーイングとしては、これほど迷惑なことはない。自分の意志は無視されるんだからね。

伊勢: あぁ~。

GM: という意味で、都築の言っていることは、事実かもしれない、という想像はつくね。

伊勢: あ~りゃりゃ~ぁ。ではここでですね。そうだぁ、桐生くん、言っとかなきゃぁ。ボクがここに来た時点でUGNにマークされちゃてるかもしれないから、気をつけてねぇ?

GM: 「UGNなんかに遅れをとる僕じゃないよ。」

伊勢: あっはっは。元々研究者肌だったのに、最近は随分逞しくなったんだねぇ~?

GM: 「昔の僕とは違うんだよ。」

伊勢: おぉ~。そいじゃ、まったねぇ~。

GM: ……軽いなオイ(一同笑)。

伊勢: あ~あ。

GM: という情報を得て、シーンを終了します。

伊勢: あ、GM! 最後に、UGNの情報の“オリジナルシン”に関するファイルの中に、隠しフォルダを作って、桐生孝之の研究成果についてを、達成値が……(ダイスを振る)<情報:UGN>で12出ないと見られないようにしておきます(笑)。

月島: 面白いことするねー。そんなのあっという間にクラックですけど、大丈夫?(一同笑)

伊勢: では、そんな感じで。

冬也: 巧いな……。


 「これでいいかなぁ~?」

あとは誰かがこれを見つけたら、それはそれで面白いかもねぇ。

伊勢の呟きは、誰にも聞かれることなく、虚空に消えていった……。


05◆ 誕生日      シーンプレイヤー:月島涼


 月島は、行きつけのバーで、その時を待っていた……。


GM: では、次は月島の番です。

月島: はい。何かシーンの指定はありますか?

GM: 今のところは、ないです。

月島: であれば、今回は多分、私の身の振り方が一つの大きなポイントになってくると思うので、それをなんとなく表現しつつすすんでいきましょうかねー。

GM: うん。

月島: じゃあまずは、そうだな。色んな人に意見を聞きつつ自分の考えをまとめていきたいので、前回登場しましたバーのマスターのところに行こうかな。

GM: いきなりそこか(笑)。

月島: マスターのキャラを立てに行きます!

GM: では、薄暗い――――……。

月島: そうだね。看板のない、バーなわけです。

GM: じゃあマスターはカクテルを作りながら、寡黙に……。

月島: あ、ちなみに! 私がここに入り込んだときは<調達>判定の前振りだったりもする(一同笑)。

GM: わかった。

月島: では。時間は11時58分。私は黙々と目の前のオレンジジュースを見つめながら時が過ぎるのを待っています。

GM: オレンジジュースなんだ、やっぱり。

月島: うん。19歳だからね。そして私はさりげなくマスターに聞きます。ねえマスター、今何時?

GM: 「……あともう少しで12時だねえ。」

月島: 私はその答えに満足して再びオレンジジュースを眺めます。そして時計の針は緩やかに進み、12時の鐘がボーンボーンと鳴るわけです……そんなバーあんのか?

GM: ハト時計みたいな感じ?(笑)

月島: そこで月島のテンションは一気に上がります! ……マスター!! カルーアミルクをお願い。

GM: あ、なるほど。じゃあマスターは、作っていたシェーカーからグラスに移して、「……二十歳の誕生日、おめでとう。」と。

月島: ええ。おめでとう、私! いただきます!! グビグビグビっ、カッ! ぷはぁ~!!(一同笑)

冬也: ……おっさんがいる。

月島: やはり、バーに出入りするんだったら、二十歳にならないとね!(一同笑)年が20歳になりました(と、キャラクターシートを書き直す)。

冬也: 今日、お誕生日だったんだ……(笑)。

月島: さて、本題に入ろう。マスターに意見を聞きたいんですよ。実はかくかくしかじかなことがあって、私はかくかくしかじかだと思ったんだけど、これって間違ってたのかなあ? と、否定できないことを前提にして、そういう聞き方をするズルい二十歳(一同笑)。

GM: 「……この歳まで生きていると、合っていることも間違っていることも多く経験するんだ。お前さんは、その分岐点にぶつかっちゃったわけだな。」

月島: つまりは、正解でもなければ不正解でも――――。

GM: ない、と。「ただ、その結果はお前さんにとってプラスになると思うよ。」

伊勢: バーの親父かっこいいなー。

月島: かっこいいねぇ、確かに。……ねぇ、マスター。ここのお店って何ていう名前なの? 看板がないから未だに知らないんだけど。

GM: じゃあ……『無名屋』で。「この店に名前なんかいらないんですよ。」と答える(一同笑)。

月島: そこで突然、看板も出していないバーなのに、人が入ってくるんですね。これは、私が頼んでおいた荷物が届いたからです!

冬也: また……っ!(笑)

月島: 二十歳の誕生日にですね、なんと! ザ・オールドワンさんが送ってくれたアイテムです。ここで私は<調達>判定を行って、目標値に達すると、防具が手に入るんです。目標値は14なんでいけると……(ダイスを振る)はい! 成功しました!

伊勢: 何手に入れたの?

月島: 戦闘用着ぐるみ(一同笑)。ここでは着ません。

GM: 戦闘に入るときにのそのそと着るんだ?

月島: いや! クライマックスに出てきた瞬間に、既に着ぐるみ着てるから。

伊勢: 最後の査問会、それを着て登場ですか(一同爆笑)。

月島: さて、それじゃあマスター、ありがとう! 自分が正しいのか間違ってるのかなんてわからないけど、味方が一人でも増えるのは嬉しいことだって感じるよね! ……日野君もそう思ってくれてると嬉しいんだけどな。と言って、お金を置いて帰っていきます。


 「そう思えること自体が、お前さんにとってプラスになってるってことを、分かってくれると嬉しいがね……。」

そのマスターの呟きが、月島に届くことはなかった――――……。


06◆ 脱走           Master Scene


GM: ではここで、マスターシーンが入ります。

月島: お、一日経ったからかな?


――――――深夜。

日野篤が収容されている病院。

病室で目を閉じている日野。その部屋に、何かが投げ込まれた。

「――――っ!?」

充満する煙。

鳴り響く警報。

「……。」

日野は煙の中で相手の姿を見極めようとするが、侵入者は手刀で日野を追い詰めていく。

「!」

窓際に追い詰められた日野は、窓を破り、夜陰に紛れて逃走した――――。


月島: そ、それは……なんか、口から色々出ちゃう展開だなあ……。

GM: おほほほほほ(笑)。


07◆ 緊急指令          シーンプレイヤー:なし


 翌朝、観鏡支部の面々は、とある場所に集められていた。


GM: では、次のシーンです。全員登場してください。

一同: はーい。

GM: 場所は日野が収容されていた病院です。

伊勢: ボクもう侵蝕率70%越えたよぉ~。

一同: 早っ!?(笑)

菅野: ここ数年背負ってなかったケースを背負ってるんで、よろしく。

伊勢: おお~。本気になった!

GM: では、君らが居るのは、日野が入院していた部屋だね。

月島: あぁ……最悪の誕生日を迎えてしまった……。

冬也: すごいPC1っぷりだ。

一同: PC1はお前だろうっ!?(笑)

冬也: ええぇ~?

GM: ええ、現場には、おびただしい量の血痕が残されています

菅野: 誰のかは分かってるのかい?

GM: まだだね。で、八重樫が言う。「“ナイトウォッチ”日野篤が逃亡しました。宿直で見回りをしていたガードマン殺害後、その拳銃を武器として奪い、逃走したようです。」

一同: ……。

GM: 「この血痕から見るに、“ナイトウォッチ”は何らかの傷を負っていると思われます。満足に動けるはずがないのですが……。どちらにせよ、ジャームと化した彼を、このまま放っておくわけにはいきません。」

菅野: ふむ……。

GM: 「従って、菅野チームには別命を与えます。“ナイトウォッチ”日野篤を探索・危険と考えた場合には排除を命じます。」

伊勢: はぁーい。

月島: なんか死にたくなってきた……。私は身を翻して、街に飛び出していきます!

GM: わかりました。

伊勢: ……でもさぁ、そんなユルいことでいいのぉ?

GM: 「ゆるい、とは?」

伊勢: だってぇ~、もうサーチ&デストロイでいいんじゃない? この惨状……。

GM: 「僕からの命令は変わりません。危険を感じたら排除、です。」

伊勢: わかったぁ……。

菅野: 了解。周囲探索後、日野の捜索に入ろう。

冬也: ……はい。

GM: 八重樫は、君たちに命令を下した後、足早に去っていく。

菅野: ――――日野君さ、わざわざ拳銃を奪っていく必要って、あったのかなあ?

伊勢: ないねぇ。

菅野: ちょっとそこらへんがひっかかるのよね、おっさん。っちゅーワケでそこらへんを調べようと思うんだけど、GM! 探索項目はある?

GM: (にやりと笑って)皆さんの任意でございます。

菅野: は。了解です。

月島: 私は、みんなとは別で動くことにしよう。

冬也: ですよねー……。

月島: 別に《導きの華》を使いたくないわけじゃないんだからね!(一同笑)

菅野: おっさん、嬢ちゃんに命令権ないからなー……。

GM: え? お願いすればいいんじゃない?

菅野: うーん……。

GM: では、状況の整理をしましょうか。まず、四日間のうち、一日目は終了しました。で、二日目開始の時点で、日野が逃亡しています。

菅野: はい。

GM: 出てきた情報を簡単に整理すると、まず一つ目。伊勢しかもっていないと思われる、桐生の研究内容と、作戦内容。なんか隠しフォルダに入れたみたいなんで、情報判定に成功すると、手に入るかなと。

菅野: 12だっけ?

伊勢: そう。FHの動向とか、桐生についてとかで調べると、出てくる感じがいいなぁ……(笑)。

GM: そして二つ目。八重樫のかつての教え子だった、三枝櫻という新たなキャラクターが登場しています。

冬也: はーい。

GM: 今の時点で、八重樫から菅野のチームに対して、日野の捜索・危険を感じた場合その排除命令が伝達されています。

月島: 因みに病室を見た段階で、マスターシーンで見た、侵入者と日野の争った形跡ってのは判っていいのかな?

GM: 判定を要しない範囲では、争った形跡は見つかりません。

月島: それだけ調べて出てくればよかったなー……でもしょうがないか。

菅野: さて、そろそろ動こうか……。

伊勢: ボクは《猟犬の鼻》を使用します。これによって、現場のレネゲイドがどんな状況になっているのかを見ます。

GM: では、<知覚>判定をしてください。

伊勢: はーい!!(ダイスを振る)……ぃよし! 達成値は17!!

GM: それなら分かりますね。今、日野にはもう二種類のレネゲイドはいないはずなんですが、この病室には、一人の中に二種類のレネゲイドが混在しているという痕跡が見える。

伊勢: これは、第三者がここに居たと見ていいかもしれないよぉ?

菅野: だとすると、日野は何者かに襲われて致し方なく逃亡した?

伊勢: ま、連れてかれたって思っていいんじゃないかなぁ?

菅野: 警備員は、それを見たので殺された……。

伊勢: 一人の中に二種類のレネゲイド……。これは、“オリジナルシン”が動いてると思って間違いないだろうねぇ~。桐生君は前回、そういう研究に成功したって言ってたしねぇ……。

冬也: じゃあ、調べなきゃっスね……。

伊勢: そうだよ~。ほら、動向調べなきゃ~。調べてよぉ~、にやにや(一同笑)。

冬也: じゃあまず、自分が伊勢さんの隠した情報を出そうと頑張ってみます。2Dで(笑)。

菅野: よし、頑張れ少年!

冬也: (ダイスを振る)9以上……ああっ、出ない!

伊勢: 残念だったねぇ~(にやにや)。

月島: なんでアンタが勝ち誇ってんだよ(一同笑)。

冬也: じゃあ調べつつ(世間話をするかのように)……ところで“クロスブレード”さん、三枝櫻って知ってるっスか?

菅野: 急に話を振ってきたな(笑)三枝櫻ぁ? ……(GMに)知ってていいのかな?

GM: そうか、菅野は昔チルドレンの養成をどうとか言ってたよなー。まあ知ってていいんじゃないでしょうか。ただ、菅野が担当していたわけではなかったね。

菅野: 居たのは知ってるって感じだね? ……知っちゃあいるけど。何で少年、その名前知ってんの?

冬也: いえ……昨日、八重樫支部長とその人のお墓の前で会ったんス。

菅野: (GMに)八重樫と三枝櫻の間に何があったかは、知ってていいの?

GM: それは、行動を使って調べてください。

菅野: どっちを調べるかなー……。

月島: ゲーム的には、その情報は後に回したほうが有利だね。ただ、ドラマ的には先に調べておいたほうが、ベストな選択が出来そうな気がするんだよね(←参謀的戦略)。

GM: (笑)。

菅野: じゃあ、嬉野の質問には、確かに居たよ、と。でもなー……なにぶん昔の話だから……。まあちょっと思い出してみるよと答えときます。

冬也: ……はい。詳しくは次の自分のシーンで調べるんで、誰か出てきてください(一同笑)。

菅野: まあそう言いつつ、もう一回<情報:UGN>で調べてみます。情報収集チーム使って。7以上……(ダイスを振る)13!

GM: では、先程、伊勢君のシーンで表現されたことが判ります。

伊勢: 具体的な研究内容が書かれているんだけど、それは専門家じゃないとわかんない感じで、“オリジナルシン”が近々大規模な、人間をオーヴァード化する計画を立てているというところまでが分かります、と。

菅野: ……伊勢さん、自分のまとめた資料に名前書くの止めたほうがいいよ?(笑)

伊勢: 資料の最後に「伊勢四郎」って書いてあって、あぁぁ~~!! 消し、消し、消し、消し。よし!これでボクじゃない~(一同笑)。

菅野: で? ここの難しいところは何が書いてあんの?

伊勢: オーヴァードにレネゲイドビーイングを埋め込むとか、そういうのだね。

菅野: で、それを見もせずに言えるんだ?

伊勢: うん、もうすらすらと(笑)。

菅野: ……ま、いいか(一同笑)。少年にも今の情報は伝えておこう。

冬也: はい、分かりましたー。

菅野: ま、とりあえず散開ってことでー。何かあったら連絡すること。

冬也: うっす!

伊勢: はぁ~い。


 (さて、嬢ちゃんをどう説得したものか――――……。)

懸案事項の多さに、菅野は密かに、頭を抱えていた。


08◆ 八重樫の過去    シーンプレイヤー:嬉野冬也


 三枝櫻――――。墓石で見たその名が、頭から離れない。

散開後、冬也は密かに調べることにした。


GM: では、二日目の嬉野のシーンです

冬也: さてと。きっと日野の行方については“クロスブレード”さん達が調べるので……(一同笑)。

GM: はい、なので?

冬也: 三枝櫻について調べようと思います!

GM: はい。技能は<情報:UGN>または<情報:噂話>で!

冬也: では、<情報:UGN>で! ……無理だったら伊勢さんに頼ろう。(ダイスを振る)10です。

GM: では。三枝櫻は観鏡市支部所属のUGNチルドレンでした。物静かな性格で、いつも外のベンチで本を読んでいるような女の子でした。

冬也: はい。

GM: 数年前、FHの研究所を襲撃するミッションチームに参加したんですが、そのミッションに失敗し、生存者ゼロという結果になってしまいました。

冬也: おぉ……。

GM: 別働隊が救出に向かったんですが、彼らの回収を行うことは出来なかった……という事件があったみたいだね。

冬也: ……結構大規模な作戦だったんスかね?

GM: いや、数名単位で動いていた感じ。上層部が相手の力量を見誤って突入かけちゃった、みたいな感じだね。

冬也: うわぁ……。

GM: しかも、三枝櫻はどっちかっていうと後方支援系だったので、前線が倒れたらあっちゅーまに……。

冬也: あぁー……。

伊勢: まだ情報隠されてるのかな?(←登場)

冬也: そりゃあ、あるんじゃないっスか?

伊勢: ……(嬉野に)頑張ろうか?

冬也: お願いできますか?

伊勢: 情報収集チームと、要人への貸しを使います!

冬也: アレだ。一人で調べてて行き詰ってたら、伊勢さんが後ろからキーボードを叩いたんだな(笑)。

伊勢: (ダイスを振る)……一個クリティカルして、18!!

GM: それなら、分かりますね。…伊勢がどうやってこの情報を得たのかすっげー疑問なんだけども……。


 三枝櫻は、八重樫が教官を務めていたチルドレンだった。

年は一回り以上離れていたが、物静かな三枝と八重樫は気が合ったらしく、よく外のベンチで一緒に座っている姿が目撃されていた。

ただ―――下世話な噂として、「八重樫と三枝が好き合っている」という醜聞も流れていた、という。


冬也: これは……。

月島: こういう組織にもあるんだねぇ。そういう類の噂は。

冬也: いや、だからこそなんじゃないっスかねー……。

伊勢: 情報収集チームと、要人への貸しまで使って、この情報……想像がついたわ!!(一同笑)もう超疲れちゃったぁ~。

冬也: ありがとうございました(笑)。

菅野: そんな情報調べるのに、躍起になったなぁ、また……(←登場)。

冬也: 今、八重樫支部長のスキャンダルを二人して調べてるところに、“クロスブレード”さんが入ってきて、すっごい気まずい感じになってるよね? ……とっさに違う画面に切り換えます。2ちゃん○るの画面に(一同爆笑)。


 それもそれでサボってるんじゃないか?


菅野: 日野の行方はどんな感じ? って言いながら入ってきた。

冬也: ……スイマセン、まだ分かってないっス。

菅野: じゃあ、日野の行方を追おうか。

GM: そうすると、何の手がかりもなく闇雲に追う状況なので、目標値は高いです。

菅野: うーん……じゃあどこをとっかかりにしていこうかなー……。

冬也: さっき、“オリジナルシン”の情報をもらったことですし、FHの動きから探るとか…

月島: 誰が襲撃してきたの? ってところから逆算してくと、情報が出し易くなるはず。つまり、日野を連れて行く動機があるヤツが必ず居るはずなんだよ。私の中では、今のところ二択なんだよね。

菅野: 前回の日野と同じようなヤツが襲ってきてるのはさっき分かったから、十中八九“オリジナルシン”の手駒だと思うんだけど……。

月島: あー、私は残りの一割の可能性を今すごく考えてる。

伊勢: お?

月島: UGNの中でそういう人が居ないとは限らないよね?

冬也: ああ、一番最初にソレ考えました。

月島: 私だったら話を盛り上げる為にそっちに持ってくってだけの話……あ、GM後ろ向いちゃった。

GM: いやいやいや(一同爆笑)。

冬也: まあ、可能性のでかいところから潰していくのが常套かと。

菅野: うーん……侵入経路って分かってるの?

GM: いや、あくまで八重樫から来てる情報は「日野がここから脱出した」ってだけだね。

伊勢: で、さっきボクが侵入者が居るかもって喋ったから、侵入経路を調べるのはできますよね?

GM: うん、そうだね。さて、どうする?

菅野: ……もう一回部屋を調べられる?

GM: どういう観点で調べるかを教えてもらえるかな?

伊勢: さっきボクが調べた方法は、ボクにしか分かんないからねぇ……。

菅野: よし! 殺された警備員の死体を回収して、その手口が日野のものかどうかを調べることにします!

GM: わかりました! では<情報:警察>で。

菅野: コネはないので、情報収集チームを使って……8。

GM: では、キミが遺体を調べる手続きをとろうとすると、まだ解剖調査が終わってないと言って断られます。

菅野: ここって、ウチの息がかかってるんだよね?

GM: もちろんでございます。

菅野: 途中経過でもいいんだけど、もらえないかなあ?

GM: 「まだ調査が終了していませんので、申し訳ありませんが……。」って一辺倒だね。

菅野: ん、了解。じゃあ出来たら資料を届けてもらえる?

GM: それはOKです。では、そんなところでシーンを切りましょう。


09◆ 西森と八重樫    シーンプレイヤー:菅野道明


 頭の中を整理しようと休憩室に来た菅野。

そこには、先客が居た。


GM: では、次は菅野のシーンです。

菅野: はいはい。

GM: さっきのシーンが終わって、キミが休憩室に来ると、頬杖をついて煙草を吸ってる女性の姿が目に入ります。

菅野: おお。

GM: キミはすぐに分かるんですが、西森さんですね。

菅野: じゃあ、彼女が好きな飲み物と、自分の飲み物を買って、近くに行きます。

月島: 絶っ対ブラックコーヒーだよね(一同笑)。

GM: 近づくと、彼女が片方の手で目尻を拭っているのが判りますね。

菅野: んん? ……無言でコーヒーを置いて、隣に立つよ。

GM: すると、少し驚いた様子で、そのコーヒーを受け取って「ああ、菅野君か。どうしたの?」と何事もなかったかのように言う。

菅野: ちょっとね、仕事の休憩。

GM: コーヒーをすすりながらちょっとした会話をする感じだね。

菅野: ……で? 八重樫がどうしたんだい?

GM: 「……私、八重樫くんのことなんて何も口に出してないけど?」と、明らかに無理してる感じで(一同笑)。

菅野: で? 何言われたの?

GM: 「んー……。私だって三十路過ぎた女よ? 少しセンチになるときだってあるわよ!こんちくしょー!!」って言ってる(一同笑)。

菅野: ま、何言われたか知らないんだけど、今のヤツは明らかに余裕がないからさ。

GM: 「(パンとひとつ手を叩いて)よし! 菅野君!! 今夜私に付き合いなさい!!」

菅野: お? 珍しいお誘いだね。

GM: 「久しぶりに飲むわよっ!!」

菅野: いいよ? じゃあ、無名屋?(笑)

月島: え? 来るの!? 表立っては営業してないんだぞー! 私の隠れ家なんだぞ!! ……ま、西森さんならいいや(一同笑)。

GM: 「今夜は私に付き合いなさい!!」

菅野: 拒否権はなさそうだね。

GM: 「あるわけないでしょ! キミに」(一同笑)

菅野: じゃあ……と約束をして。

月島: お、ついに菅野にも春が。でもこのカップリングはないだろうなぁ……。

一同: うーん……(難しい顔をしている)。

GM: 「じゃ、私も仕事があるから。」と言って彼女は去っていくね。

菅野: 八重樫の指示が、他の皆にどういってるのかを知りたいなあ……。

GM: お、面白いねえ。

月島: (菅野になって)大神君、八重樫から何か聞いてる?

GM: 「え? い、いえ……別に?」(一同笑)

月島: みたいなことだよね? 多分ね。

GM: そうそう。もし、その指示を調べたい場合は、<情報:噂話>で振ってみてください。

伊勢: あ! 西森さんが退場した時点で登場します。とう!

菅野: また登場侵蝕率高いね。大丈夫?

月島: ちゃんと《フラッシュゲイズ》しても大丈夫なようにしとけよ?(一同笑)

伊勢: ああ、どうぞ。調べてください。

菅野: じゃあ、お言葉に甘えて(ダイスを振る)……8!

GM: 少なくとも、菅野チームに対して緘口かんこうれいが敷かれてるとかいうわけではないです。

菅野: ほう。

GM: ただ、少し前からなんですが、支部の権限が、八重樫に集中してきています。どんどん中央集権化してる感じだね。

菅野: 唯一残ってんのが、この辺(PC達)ってこと?

GM: うん、だからまあ、八重樫が指示を出せば全体がそれに従うような感じになってるんだね。ま、それが正しい形の強権的な支部長なのかもしれないけど。

月島: トップダウンの組織になってきてるんだね。

GM: 裏を返すと、上から指示がない限り、情報を隠したりってことはないと思うよ? ってことだ。

伊勢: 達成値が足りないだけだってぇ~って言いながら、さっきのシーンで調べがつかなかった遺体のことを、情報収集チームを使用して調べます!(ダイスを振る)う~ん……11。

GM: それなら分かりますね。まあ、ハッキングして調べたと思ってください。解剖が終わっていないって言うのは嘘ですね。

月島: つまりその事実が隠匿されてたってことだね?

GM: です。で、詳しい解剖結果までは、11では判らないです。

月島: でも、それが明確に菅野チームに対して隠されていた、と。

菅野: その大元までは?

GM: たどり着けません。まあ、予想はつくかもしれないけど。

伊勢: 達成値が足りないだけじゃなかったぁ~。あっはぁ♪

冬也: なんでそんな嬉しそうなんだ……。

GM: と、そこまで判りましたと。ただ、今、この情報を知ってるのは、菅野と伊勢だけですので!

一同: はーい。


 「伊勢さん、とりあえずこのことは、少年には秘密で。」

苦虫を噛み潰したような顔で、菅野は伊勢に口止めをした―――。

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