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旧作3-2  作者: 智枝 理子
Ⅲ.剣術大会編
63/149

70 仕上がり

 どうしよう。

 昨日、着るって言っちゃったけど。

 決心がつかない。

―違うよ!こんなのリリーじゃない。

―こんなの、全然リリーっぽくないよ!

 なんで着るって言っちゃったのかな……。

 着るの、また今度でも良いかな。

 赤はちょっと……。

 こっちならまだ着られそうな気がするんだけど。

 ベッドの方を見ると、エルと目が合う。

 え?

「おはよう。リリー」

「お……、はよう」

 起きてる?

「今日は何にするんだ?」

「えっ。あの……、その……」

 えっと……。

 持っていた服を掲げる。

「これで良い?」

「もちろん」

 エルが微笑む。


 ※


「良い天気ね」

「うん」

 キャロルと一緒にベランダで洗濯物を干して、プランターの植物に水やりをする。

 ルイスはお店で、エルは研究室。

 ……なんだか、急に日常に戻った気がする。

 皆揃って朝ご飯を食べるの、久しぶりだったな。

『あれ?ルイスが出て行ったよ』

「え?」

「どうしたの?リリー」

「ルイスが……」

 キャロルと一緒にベランダから外を見ると、ルイスが外に居る。

 出かけるのかな。

「ルイスー!どこ行くのー?」

「花屋!ガラハドの家にはまっすぐ行くよ!」

「わかったわ!いってらっしゃーい!」

「いってらっしゃい!」

「いってくるよ!」

 ルイスに向かってキャロルと一緒に手を振る。

「自分の誕生日に花屋に行くなんて」

 誰かにプレゼント……?

「そうだわ。せっかくだから、テーブルを飾る花も買って行きましょうか」

「うん。そうだね」

 買い物のメモに、花を書き加える。

 ……あれ、キャロルなら教えてくれるかな。

「薔薇の本数の意味を教えて欲しいんだけど……」

 キャロルが笑う。

「告白の時に使うのは三十六本なのよ」

「三十六本?」

「昨日、エルから貰った薔薇の本数。数えてみた?」

 数えてない……。

「ふふふ。せっかくだから、ポプリでも作りましょう」

「うん。部屋から持って来るね」


 赤薔薇の花は全部で三十六本。

 良い香り。

 ちょっとだけ、部屋に飾っておくのに残しておこう。

 花瓶に数本挿して残りを台所に持って行くと、キャロルがテーブルにブリキの缶を出している。

「リリー。これ、見てくれる?」

「うん」

 熟成ケーキだ。

 もう一月以上経ってるから、良い感じになってそうだよね。

『結局、キャロルに任せっぱなしだったね』

「続けてくれてありがとう。キャロル」

「ラム酒を塗るだけだもの。でも、良い仕上がりになってるか不安だわ」

 キャロルがブリキの缶を開くと、芳醇な香りが溢れる。

「良い匂い……。すごく良い感じだよ」

「良かったわ」

「ちょとだけ味見してみよう」

「良いの?」

「うん。もっと熟成させても良いけど、もう食べても良い頃合いだよ」

 中からケーキを出して、包丁を当てる。

「少しだけ……」

『まっすぐ切れるの?』

 大丈夫。

 ……うん。出来た。

 切ったのを更に半分ぐらいに切って、キャロルに渡す。

「お酒のケーキよね?」

「大丈夫。アルコールは飛んでるはずだよ」

 芳醇な香りと独特のコク。

「んーっ。美味しい」

「大人の味ね」

「うん」

 エル、美味しいって言ってくれるかな。

「ラム酒を塗る作業はもう止めて良いよ。後は食べる時まで寝かせて……」

「リリー、キャロル」

 エルの声が聞こえて、慌ててブリキの缶の蓋を閉じる。

「エル」

「どうしたの?」

「アヤスギの所に出かけて来る」

『なんで?』

「刀が仕上がってるかもしれないから」

 そうだ。注文したっきりだよね。

「昼までに帰らなかったら、先にガラハドの家に行っててくれ」

「うん」

 刀が出来上がってたらアレクさんに届けに行くのかな。

「何か買っておくものはある?」

「俺が使うものは自分で買って行くよ。……リリー、何やってるんだ?」

「え?」

「秘密よ。ねー?」

 えっと……。そこまで秘密にしなくても良いんだけど。

「うん」

「また何かやってるのか?……ルイスも出かけてるから、店は閉めておくぞ」

「お休みにするの?」

「どうせ大した客も来ないだろ。いってきます」

「いってらっしゃい」

「いってらっしゃい」

 エルを見送った後、ようやく一息つく。

「リリーって嘘吐くの苦手よね」

『すぐ顔に出るからね。良く剣術大会に出場することがエルにばれてないよ』

 本当にばれてないのかな。

 でも、参加するって知ったら怒るよね。

「ね、可愛いポプリポットをお祭りで見つけたのよ」

 そう言って、キャロルが色んな種類のポプリポットを出す。

「可愛い」

 この陶器で出来たものは薔薇の飾りがついてるし、持ち運び用の小さなものもある。

「薔薇にお勧めの配合もマリーから聞いたことがあるの。一緒に作りましょう」

「うん」

 メルも作ってたよね。生乾きの花で作るモイストポプリ。


 ※


「どうせ帰って来ないと思ってたけれど。本当に大人しくしてないわよね。エルって」

『そうだね』

 じっとして居られないというか。きっと、やることが多すぎるんだよね。

 帰ってこないってことは、出来上がった刀をアレクさんに届けに行ってるか、何か別のことに巻き込まれてるかだと思うんだけど。

 キャロルと一緒にお昼ご飯を作っていると、呼び鈴が鳴る。

「誰かしら」

「行ってくる」


 お店側に行って、扉を開く。

「リリー!」

「え?ポリー?」

 抱き着いてきたポリーを受け止める。

「良かったぁ」

『ほら、無事だろ』

『これが妹?』

『そうだよ』

 氷の精霊のネモネと、知らない風の精霊が一緒に居る。

『ネモネ、刀の国に行くんじゃなかったの?』

『途中で引き返してきたんだよ。エルはどこに居るんだ?』

「え?アヤスギさんの店に行って……」

「生きてるの?あいつ」

「うん」

「もーぅ。なんて人騒がせなの!」

『どうせ死んでないと思ってたよ』

『もしかして、黄昏の魔法使いが死んだって噂を聞いて来たの?』

「そうよ。ギルドの依頼を急いで片づけて来たんだから!……あいつに何かあったら、リリーにも何かあったってことじゃない。店も閉まってるし本当に焦ったんだから!無事で良かったわ」

 そんなに心配してくれたんだ。

「ごめんね。エルも私も、みんな元気だよ」

「元気そうで良かったわ」

「お腹空いてる?今、キャロルと一緒にご飯作ってたんだ」

「もうそんな時間?……あぁ。なんだか急にお腹が空いて来たわ」

『急いで来たからね』

『お疲れ様』


 ポリーを連れて台所に行く。

「キャロル、ポリーが来たよ」

「ポリシアさん?」

「久しぶりね、キャロル。相変わらず良い匂いだわ、ここ」

「待ってて。今、パスタを茹でてるところなの」

「何か手伝う?」

「大丈夫よ。そんなに作ってないから、足りなかったら今朝の余りのパンでも良いかしら」

「もちろんよ」

「お皿出すね」

 棚からパスタのお皿を出して、ブレッド缶から今朝焼いたパンをバスケットに移す。

「美味しそう。もうお腹ペコペコだわ。貰っても良い?」

「もちろん」

「ありがとう。いただきます」

 ポリーが胡桃パンを取って食べる。

「んー。美味しい」

『自己紹介しておくか』

『え?この子も見えるってこと?』

『当たり前だろ。妹なんだから』

『はじめまして。風の精霊のプークだよ』

「はじめまして。リリーシアです」

『ボクはイリス』

『よろしく。……なんだか変な感じ。こんなのが後三人いるんだっけ?』

「そうよ」

『アリシアとメルも王都に来てるよ』

「え?メルは、お姫様やってるんじゃなかったの?」

『外交大使としての公式訪問だよ』

「今はマリーの家に居るんだ」

「ちゃんとやってるの?メル」

「うん。頑張ってるみたいだよ」

「……リリーのそれは当てにならないわね」

『まぁまぁ頑張ってるんじゃない?アリシアの方が苦労してそうだけど』

『メルは我儘だからな』

「出来たよー」

 キャロルが並べたお皿の横に、フォークを出す。

「今日はルイスの誕生会をガラハドの家でやるのよ。ポリシアさんも来ない?」

「誕生日なの?あの子って何が好きなのかしら」

『なんだろうね?』

 ルイスの好きなもの……?

「キャロルの誕生日も同じぐらいの時期よね」

「うん。ヴィエルジュの十五日だよ」

「どうして知ってるの?」

「シャルロがそんなこと言ってた気がするわ。ちょっと遅れちゃったけど、プレゼント」

 ポリーが荷物の中からぬいぐるみを出す。

「わぁ、素敵!」

 うさぎのぬいぐるみだ。

「リリーに作ったぬいぐるみとお揃いよ。あれよりは小さいけど」

「嬉しい。ありがとう、ポリシアさん」

「気に入ってもらえて良かったわ。食べて良い?」

「もちろん。どうぞ」

「いただきます」

「いただきます」

 今日はエビとアボカドのパスタだ。

「いただきます」

 美味しい。エビの食感がすごく良い。

「ねぇ、リリー。この子にも名前を付けてくれる?」

「また名前付けてるの?」

「えっ?その……」

「なんて名前?」

 ポリーから貰ったうさぎのぬいぐるみ……。

「笑わないから教えてよ」

『その聞き方が悪いんだろ』

「リリーが気に入ったものにしか名前を付けないことぐらい知ってるわよ。教えてちょうだい」

「教えてあげたら?リリー」

「……スピカ」

「あら。可愛いじゃない」

「可愛いよねー。リリー。この子は何にしよう」

 スピカとお揃いなら。

「ポリマかな」

「ポリマね。ありがとう」

「それはどこから持って来た名前なの?どこの言葉?」

「えっ?その……」

『そうやって突っ込むなよ』

「別に文句があるわけじゃないのよ。……あー、もうっ!何も聞かないから落ち込まないでよ」

「大丈夫?リリー」

『ポリーはいつも一言余計なんだよ』

「もうっ。……で?子供の誕生日だっていうのに、あの馬鹿は何やってるのよ」

「たぶん、アレクさんのところだと思うけど……」

「アレクって?」

『皇太子アレクシスだよ』

「皇太子のアレクシス様よ」

「……そう」

『驚かないの?』

「今さら何を驚けば良いのよ。エルの知り合いって貴族ばかりじゃない」

 確かに。


 ※


 三人で買い物をして、ポリーを送りにオルロワール家へ行く。

 結局、エルは帰ってこなかったよね。先に行ってるのかな。

「いらっしゃいませ」

 ロジーヌさんだ。

「こんにちは、ロジーヌ」

「こんにちは」

「こんにちは。メルとアリシアは居る?」

「いらっしゃいます。御案内いたしましょう」

「お願いするわ」

「じゃあ、ポリー、また後でね」

「あ、リリーシア様。お待ちください」

「え?」

「少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか」

「えっと……」

『なんだろうね』

 とりあえず、買い物した材料は置いて来た方が良いよね。

「一度隊長さんの家に行って来てからでも良いですか?」

「お荷物は私共が運んでおきましょう」

 ロジーヌさんが振り返ってメイドさんを呼ぶ。

「ガラハド様のお屋敷にお届けでよろしいでしょうか」

「はい」

「お預かりいたします」

「お願いします」

「では、こちらへ」

 持っていたものをメイドさんたちにお願いして、みんなでロジーヌさんの後を歩く。


「あの、私に何の用事ですか?」

 剣術大会までは、特にすることはないと思ってたけど……。

「少々不手際がございまして。マリアンヌ様にリリーシア様が剣術大会に出席することが知られてしまったのです」

「マリーに?」

『何か問題があるの?』

「そうだったわ!今って剣術大会の時期じゃない。今年も受け付けを逃したわ」

「ポリー、出たかったの?」

「毎年、出ようと思ってて忘れちゃうのよね」

『ポリーの拠点はティルフィグンだからね』

『そういえば、そうだったね』

「リリー、剣術大会に出るの?」

「うん」

『キャロルには話してないんだっけ?』

 ルイスには話したんだけど。

「リリーシア様が大会に出場することは秘密なのです。どうか他言無用でお願いいたします」

「秘密なの?」

「うん。エルに内緒にしたくて、オルロワール家に協力してもらってるの」

「あいつはリリーが怪我するのを嫌がるものね。良いわよ」

「キャロルにもお願いできる?」

「わかったわ」

 良かった。

「ねぇ、リリーは優勝したら何をお願いをするの?」

「え?お願い?」

「そうね。それ、興味があるわ」

『お願いなんて考えてないんじゃないの』

『まじで?』

「だって……。大会で優勝出来るかどうかなんてわからないのに」

「何言ってるのよ。考えておかないといけないことでしょ?」

 お願い……。

 なんだろう。

「国王が何でも叶えるなんてすごいわよね」

「ポリーなら、なんてお願いする?」

「私?そうね……。船でも貰おうかしら」

「船?」

「自由に航海できる船よ。乗組員を集めるのとか面倒だけど、自由にどこでも行けるようになるわ」

「素敵ね」

『維持費が馬鹿にならないだろ』

「使わないときは商業ギルドにでも貸しておけば良いじゃない。上手く使ってくれるわよ」

 そういう使い方もあるんだ。

『意外だな。ちゃんと考えてるのか』

『これでも、ずっと冒険者やってるからね』

 大陸の外に自由に行けるなんて夢があるよね。


「皆様、こちらへ」

 ロジーヌさんが案内してくれた部屋には、私の鎧が置かれている。

「これがリリーが着る奴なの?」

「うん。……あれ?」

 なんか、ちょっと変わってる?

 シンプルだった鎧に、細かい装飾が施されている。

「マリアンヌ様が少々仕立て直されたようなのです。合わせ直していただいてもよろしいでしょうか」

『もうっ。大会直前だっていうのにさ』

 少々……?

「わかりました」

「では、お手伝い致します」

 パーティションで仕切られた場所で、鎧の下に着る防具に着替える。

 あ……れ?

『なんか短くない?』

 鎧の下に着る防具が何故か短くなっていて、お腹が出てしまう。

 他は大丈夫……、かな。

『とりあえず鎧も着てみたら?』

「うん……」

 防具を全部身に着けても、こっちは隠れない。

「どうしよう」

「困りましたね」

「終わったの?」

「えっ」

 ポリーがパーティションの脇から顔を覗かせる。

「あら、良いじゃない。……って、それ、」

 ポリーが中に入ってくる。

「どうしよう」

「目立つわね。リボンでも巻いておいたら?」

「リボン?」

 ポリーが荷物の中から大きな赤い布を出して、私の腰に巻いて、後ろで結ぶ。

『上手く隠れたね』

「でも、これじゃ戦う装備じゃないみたい……」

 後ろにリボンなんて明らかに邪魔だよね?引っ張られたりしなきゃ良いけど……。

「可愛いじゃない。キャロル、仕上がったわ」

 キャロルが顔を出す。

「わぁ、可愛い。女騎士みたいで恰好良いわ」

「え?騎士?」

 鏡を見る。

 騎士か……。

 アレクさんの近衛騎士って、みんな素敵だよね。

「武器は何を使うの?」

「バーレイグっていう大剣だよ」

「どっかで聞いたことある気がするわね、それ」

『アルディアの作品らしいからね』

「アルディアっ?またすごい名前が出て来たわね……。そういえばリュヌリアンはどうしたのよ」

「その……。剣術大会の間はエルに預かってもらうことになったんだ」

「よっぽどリリーに出場して欲しくないのね。……面白いじゃない。こうなったら絶対ばれないようにしなきゃいけないわ。私がこの鎧着てエルとリリーが居る前を歩いてみる?」

「そうですわ。ポリシア様は剣術大会の期間、王都にいらっしゃる予定ですか?」

「もちろんよ。こんなに面白いイベントを見逃す手なんてないじゃない」

「では、一つお願いをしてもよろしいでしょうか」

「お願い?」

「リリーシア様の代わりに、十三日に剣術大会の開会式と晩餐会に出席して頂きたいのです」

 晩餐会なんてあったんだ。

「出席って、何するの?」

「正体を隠して出席頂くだけです。開会式は参加者のお披露目です。その後、国王陛下主催の晩餐会が王城で行われます。国王陛下が主催されているものに欠席など出来ませんから」

「どっちも正体がばれなきゃ良いのね。リリーは何してるの?」

「リリーシア様には、エルロック様とご一緒にアレクシス様の観覧席にいらっしゃっていただきます。晩餐会にもそのままご出席頂くことになるかと」

「え?」

「私は、その間の替え玉ってわけね」

『全然知らないよね、リリー』

「本当、暢気なんだから。大会が始まるのってもうすぐじゃない。大丈夫なの?」

「えっと……」

「リリーシア様は大会までこちらに御滞在の予定ですから問題ありません」

『だってさ』

「ポリシア様には、後程アルベール様からも正式にご依頼があるかと思います」

「わかったわ」

「あの、開会式って鎧着て参加ですよね?」

「もちろんです」

「ポリー、この鎧、着られる?」

「リリーのサイズなら大丈夫だと思うけど。ちょっと着てみても良い?」

「待ってて、今脱ぐから」

「キャロルはロジーヌと一緒に向こうに行っててくれる?」

「わかったわ」

「かしこまりました」

 二人がパーティションの裏に行く。

「エルって本当にリリーが出ること知らないの?」

「知らないと思うけど……」

「エルって、余計なことたくさん考えてるじゃない。いろいろ勘ぐっちゃうわ」

 余計なこと?

 どれも大事なことだと思うんだけどな。

 でも……。話してくれないことの方が多いから、わからないことは多いよね。

「思った以上に軽いじゃない」

「プラチナ鉱だから。軽いし動きやすいんだよ」

「足は少しきついわね……。なんとかなるけど」

 ポリーが順番に鎧をつけていく。

「後は平気よ。これに大剣を背負って歩く自信もあるわ」

『あー、そういうことか』

「?」

『この鎧着て、大剣背負える女性を探すのが大変だったんじゃない?』

「そっか」

 剣士かどうかだって、仕草からばれてしまうかもしれないよね。

「このサイズならメルでも着られるじゃない」

『何言ってるんだよ。メルは国賓なんだぞ』

「そうだったわね。アリシアは……。背が高すぎるか。髪はどうするの?」

「栗色の鬘を被る予定だから、そのままで大丈夫だよ」

 ポリーの髪は綺麗な栗色だから。

「なら楽ね。国王主催の晩餐会って楽しみね。どんな御馳走が出るのかしら」

『ちゃんと誰にもばれないようにしてよ?』

「わかってるわよ。相変わらず説教くさいわ。イリスって」

 そうかな。

 


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