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~始まりの荷物~
どうしてこうも人は不公平なんだろう。
学校の帰り際、公園の親子連れの子供を見てそう思った。
高校一年生になったばかりで、勉強や部活といろいろ楽しみなことが多い時期のはずなのに、
私には全然楽しい気持ちにはなれない。
むしろ苛立ちを覚える。
学費はママのお金で通わせてもらっているが、どちらにせよ男と絡んだ汚い金なんだろう。
私には幸せというかけらもない。
そんな気持ちで毎日暮らしていた・・・・・・のだが。
まだこんな生活でも生きていけるからよかったのに、パパに地獄の底へと突き落とされた。
そう、一千万の借金地獄。
のんきに公園でぶらぶらしている訳にもいかず、急いで借金取りから逃げなければいけないのだ。
私はスクールバッグを片手に取り、入り口に向かって走り出した。
外はまだ、太陽の沈む前である。