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黄金魂  作者: 天野東湖
第03話 心を重ねて
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19

 背中への掃射は、幸いにも強靭な肉に食い込むだけで、臓腑を傷つけることはなかった。およそ致命的と呼べる負傷箇所はなさそうだが、かといって身に受けたダメージは軽傷と侮れるはずもない。


 白いワイシャツの背面が赤く染まる。それぞれの点が円に広がり、やがて重なり合って、幾何学めいた血痕模様へと拡大する。

 第一波でこの威力だ。第二波、第三波と連続して掃射されれば、国雄の敗北は免れない。


「だったら、前進あるのみだゴルァ!」


 いまだ一歩も動かぬアシュレイに向かって突進する。正面には無敵の神風がいるため、前方からの氷の弾丸は通用しない。懸念すべきは頭上や足許の結晶だが、これらはもはや停止中の障害物に等しい。


 撃ち出される前に走り抜けてしまえばいいのだ。森の中に出現する枝先や葉先のような障害物として認識すれば、ダメージは皮膚を裂く創傷程度で済む。背後からの追撃は頭にない。雑念が生み出すのは恐怖、恐怖が生み出すのは自爆覚悟の破れかぶれだけだ。


 そうではない。本多国雄の行動は、決して背水の陣ではない。


「肉を切らせて骨を断つ。確か、この国の(ことわざ)だったか」


 アシュレイは動じない。相手が捨て身の特攻に出るだろうことは、すでに予測済みなのだろう。


「しかし諺にはこうもある! 灯台は、その足元が暗いということを!」


 つるり、と本多国雄の足が滑った。危うく顔から地面と激突しそうだったが、その直前で両手をつき、難を逃れる。

 原因は一目瞭然だった。砂利道が凍結して、やや濡れた氷の坂道を形成している。緩やかな勾配と、凍った小さな石と石の起伏があるので体が滑り落ちていくことはないが、足場がこれでは相手に近づくのも困難を極めるだろう。


 互いの距離は四メートル。

 少なくとも今は、接近するより先に、氷の弾丸を浴びてしまう一瞬の隙が――。


「もう一度、全方位の氷弾を受けてみろ!」


 周囲の空気が小さく凍っていく。無数の氷の弾丸が、急速に確実に形作られていく。

 それでも本多国雄は不敵な笑みを浮かべた。


「ふん、お断りだ。ここまで近づけば何も問題はねえ。――神風(レジェンド)!」


 神風が蜻蛉切を氷の坂道に突き立てる。アシュレイの眼には、ただ突然、凍った坂道にぽっかりと穴が開いたとしか見えていないだろう。


 そして神風が動き出す。右手で槍の柄を持ち、左手を国雄と繋いで、あたかも高い壁の向こう側へと放り投げるように、蜻蛉切を軸にして、本多国雄をアシュレイの背後に投擲する。


 これにはさすがのアシュレイも眼を剥いた。本多国雄が、少しの助走もなしに超人的な跳躍力を見せたのだ。そして完璧な着地が背後で行われる。その青ざめた顔に向かって、国雄がにやりと口を歪めた。


「そんなに諺が好きならよォ」

「バカな、一体どうやって!」

「先んずれば人を制すって言葉も憶えとけ!」


 アシュレイが振り返る。その彼の腹部に向かって、鋭く突き上げる国雄の拳が命中した。童顔の少年の口許から唾液が飛散して、くの字に曲がった体勢のまま傍らの樹木に背中をぶつける。前のめり、その瞬間に神風の連打が追い打ちをかけた。樹木に張り付けられ、やがて地面に手をついて、体を強く抱え込む。


 赤い唾液が、幾筋も地面に滴り落ちた。


「がッ、く――ッ!」

「シンプルだぜ。オレの攻撃はシンプルに実行する」


 無数の氷弾が、跡形もなく霧散する。砂利道も元通りになり、国雄は確かにその坂道を踏みしめた。

 屈辱的な姿勢をとらざるを得なかったアシュレイが、憎々しげに彼を睨む。


「貴様、よくも――ッ!」

「漢への試練その一だ。殴られれば誰だって痛いんだぜ」


 見下ろす者と、見上げる者。


「――お前は、お前だけは、このボクの手で必ず倒す! 必ず倒してやる!」


 何を考えたのか、アシュレイは自らの背後にある樹木の影に回り込み、完全に姿を消してしまった。しばらく構えていたが、些細な変化もない沈黙が続く。

 逃げた、とは楽観的すぎるだろう。いかにも自尊心の高い相手だ。ここで背を見せれば、またダーツのような氷の弾丸が一斉に襲いかかってくるに違いない。


 夕空が色濃く滲み出す。夏至のおかげで、夜を迎える時刻にはまだ猶予があった。


 神風を(はべ)らせ、国雄は慎重に森の中を進んでいった。先ほどの樹木の影には、誰の姿も発見できなかったせいだ。おそらくアシュレイは森の中で待っている。必殺の戦略を張り巡らせて、獲物が罠にかかるのを手ぐすね引いて待っている。


「おいおい、かくれんぼっつうのは、子供の時分で卒業するもんだぜ」


 道標はあった。進めば進むほど、大気の体感温度が低くなるのだ。これはアシュレイに近づくほど気温が低くなり、遠ざかるほど元の水準に戻ることを意味している。ゆえに、居場所がわからぬという事態には、意図せぬ限りはありえない。


 (くるぶし)、ともすると膝下まである丈高い下草がみっしり生えている。木々もその幹が高く、その樹冠は大地に隣接した黒い雲のように空を覆う。そよ風には冷気が混じり、じつにうすら寒い雰囲気を盛り上げていた。森は沈む黄昏の中に落ちている。しかし、だからこそ人の姿を晦ますには充分すぎる不安定感があった。


 鬱陶しい森である。しかも次の樹木を横切った瞬間、おそろしい異変が彼方まで広がっていた。緑の森の中に出現した雪の森の小世界。あたかも一定の領域が定まっているかのように、下草を真っ二つに裂いて緑と白が分かれている。それはもはや半径数メートルという範囲ではない。おそらく、数百メートルの単位で広がっている極寒の牢獄だろうことが窺い知れる異変であった。


「これが、あいつの切り札ってわけか」


 冷厳なアシュレイの世界――ならばこそ挑戦する価値がある、と国雄は考える。


 凍てついた白森の世界に踏み込んでみる。途端、猛烈な冷気が体を突き刺すように襲いかかってきた。たまらず心臓が止まりそうなほどの冷気だった。元の緑の森に引き返せば、まだ生きていられると実感できる暖かさが、優しいほど身に沁みる。


「野郎……。いいぜ、ここで決着をつけてやる」


 冬季の気温では生温い、極低温の氷点下。生物が生育できない美しい死の世界へ、本多国雄は確かに一歩を踏み出した。背中に浮かぶ流血の紋様が、ぱりぱりに凝固して凍っていった。






 視界が暗転する。首筋に伝わった衝撃すらなくなって、手足の感覚も消えていく。張り詰めた一本の意識の糸が、今にも千切れ飛びそうだ。あたしは負けてしまったのか……。


 ――何に? あたしは何に負けたんだ?


 誰かに頬を引っ叩かれた。そのように地面に顔をぶつけた。そうして、沈んでいくはずだった意識が一息に浮上する。倒すべき宿敵の靴先が眼の前に見えた。そして足許から腰、胸部へと這い上がり、落ち着き払ってあたしを見下ろす青の瞳と視線を激突させる。


 宿敵、アステリアの自信に滾った表情は、ここで初めて意表を突かれたように曇りを見せるのだった。気絶させた手応えに満足していた分、その衝撃はかつてない驚愕に溢れるものだっただろう。


 だから彼女は、初撃の要領ですぐさま間合いをとるのだ。不安を根拠にしたその直感は然るべく正しい。きっと、あたしが同じ立場でも、同じ行動をしたと思うから。


 ただ、その未知なる恐れが、追撃に踏み出せない時間を生んだ。あたしはゆっくりと、地面に伏した体を起こすことができた。


「……あなたは不死身ですか。その首を刎ねない限り、動きが止まることはないのですか」

「……さあ、どうかな。そこまでは『試した』ことがないから、正直わからない」

「試した? あなたは何を言っているのです?」

「際限がないから、たぶん何をしてもきりがないって言ってるの。あたしだって全部理解しているわけじゃないんだから」


 やはり睨み合いが続く。緊迫した距離感が、お互いの神経を研ぎ澄ませる。


「……一撃で倒せないのなら、倒れるまで倒すしかありません。ですがその場合、あなたには生涯背負ってもらわなければならない傷跡ができてしまう恐れがあります。手加減もできぬ以上、そればかりは覚悟してください」

「その言葉、そっくりそのまま返してあげる。アンタの能力の正体がわかった以上、あたしもぶっ倒すつもりで戦わせてもらうから」


 アステリアが漠として眉をしかめた。能力を悟られたから怪訝にした眼差しではなく、ようやく公平な戦いができるとさえ踏んだ強靭な意志を秘めた眼差しだ。


 やっぱり、想像する以上に手強い。だからこその宿敵なのかもしれない。


 戦闘再開。


 気配のない移動。首筋に伝わる衝撃で、初めて背後に回り込まれたと実感できるほどの移動速度。しかし、この次から始まる攻撃については予測可能だ。どれだけ速い移動でも、繰り出す攻撃速度だけは予測の域を出るものではないから。


 ただし、あたしの攻撃は全てが空を切ってしまう。初撃で倒れないと悟ると、アステリアはまた気配のない移動をして反撃を躱し、首の骨を叩き割るような威力の手刀を淡々と振り下ろすのだ。おそらく移動のみに能力を使い、攻撃は素の技術を用いているのだろう。今まではそれで全ての敵を倒すことができたはずだ。しかし、あたしには通じない。


 移動のみに能力を使い、攻撃手段は努力で培った技術を用いる――アステリアの能力の正体を読み解くヒントはこれだ。そこに、あの強烈な閃光を放つ発光体も加えると、もうこれしかないと最初から判然とした答えに辿り着く。


 アステリアの能力の正体は、やはり『光』だ。ただし大前提として、その能力の行使が決して、光源を生み出す程度の応用力に留まらないことを認めなければならない。


 高校の合格発表が決まった夜だったか、懐かしくなって小学校入学式の時に彰と一緒に撮った写真を収めたアルバムを見て、ふと彼に質問してみたことがある。


 一メートルって、なんで一メートルなの?


 小学校一年生の初々しい彰の身長が、一メートルちょっとだったことを思い出して口にした疑問だった。当初こそ宇宙人を見るような眼で閉口されたけれど、やっぱり憎めない彰は、次の日になるとあたしにもわかりやすいように説明してくれた。


 現時点において一メートルとは、なんと約三億分の一光秒などという、さっぱり意味のわからない測定で定義されているらしいのだ。なぜなら長さの測定に対し、絶対的に高い精度を求めた結果だと彼は言うのだが、そもそも光秒とはなんぞや、との疑問にも彰は懇切丁寧に解説してくれている。


 光秒というのは、天文学の距離単位だ。一秒の間に光が移動する範囲を示した言葉で、地球を七周半する距離という例が挙げられる。もっと具体的にいうなら、地球から月まで光で移動すると、約一.三秒しかかからない計算になるという。従って当然、惑星間での距離を計測するために使用される光年とは、一年の間に光が進んだ範囲として定義されることになる。


 彰曰く、これらに共通する原理こそ、光速度不変なのだそうだ。


 現代における最速は、真空の光だ。光の速度は光速のまま、それ以上にもそれ以下にもならない。光はどんな環境でも静止できないし、誰が観測しても光の速度は光速となる。端的な話、光速の物質と光が競争しても、その一秒後には、光速の物質は自分より光秒も前進している光の存在を発見してしまう。


 さて、こうなると時間の感覚がおかしくなるのは承知のとおりだろう。同じ速度なのに、物質と光では観測位置が異なってしまう点だ。これをマクスウェルの方程式というのだが、次にどこぞの天才が、物質が加速すると時の流れが遅くなるという仮説を用いることで、光速物質と光の観測位置の違いを観測した。


 物質が加速すると時の流れが遅くなる。しかし、光はどんなに時が遅くなっても影響を受けない。だから光速の物質から見ると、光はさらに前進しているように見える。ただし両者を横合いから眺める第三者がいれば、どちらも同じ距離しか進んでいない。第三者は加速していない静止状態であるから、時の流れが乱れていないのだ。


 時が乱れても、光だけが一定の速度を維持する。

 即ち、不変。

 なら常に一定なのは時間でなく、光ではないか。


 ――あらゆる距離を、最短かつ最速で移動する。


 不思議な話だが、光速の世界だけが物理を狂わせるのである。従って物質はまず光速に到達できない。物質が加速すると時の流れが遅くなるので、物質の質量が無限大に増大し、加速に必要なエネルギーが無限に要求されるからだ。限りなく光速(ゼロ)に近づく加速(イチ)の限界。だから質量がある物質では、どう頑張っても光速度には届かないし、ましてや超越できるはずもない。


 では光とは何か。質量がある物質では到達できない、まるで時間が静止したかのような世界の住人こそが光であるならば、それは質量がないに等しい存在ではなかろうか。


 小難しい話はさておいて、あたしが取り上げたいのは、光の特徴は質量がない、光速の特徴はそれこそ加速の限界だという二点のみだ。他にも、光には波動だとか粒子だとか、よくわからない二重性の概念があるらしいのだが、とにかく、あたし自身も知恵を絞って開陳できる知識はここまで。たぶんまともな解説にはなっていないと思うから、後は専門家に丸投げしたい。


 しかし、これは大事なことだ。アステリアは『光』を操る能力者で、その応用が決して発光だけに留まらないのであれば、さらにその先――自らが『光の化身』となって、自由自在に光速で動くことができるとしたら、どうだろう。


 あたしは断言する。光を眼で追跡できる人間は存在しない。ましてや、その移動に呼吸を合わせて反撃するのは不可能だ。先も言ったとおり、光は一メートルを一ナノ秒で移動する。もちろん大気中では屈折率が適用されるので厳密にはやや速度が減衰するんだけど、あまりに微差すぎて見劣りしないから正直どうでもいい。大体、こんな大前提の塊めいた速度を相手に、生身の人間がどうにか追いつこうと考えるほうが頭がおかしくなるというもので。


 ただし、何事にも例外はある。

 少なくともあたしは、その例外に属している。


 けれどあたしは、それでも光速で動くことができない。理由は簡単だ。当時、そういう経緯で光速に興味を持ったあたしがそれを実現しようとして、彰にこっぴどく叱られたので痛いほど理解している。別にあたしが、光と同じ速度に到達できないわけでも、超えられないわけでもない。簡潔に、生身で光速を実現できても、それは絶対に、少なくとも地球上で実行してはならない理由があるからに他ならない。


 言われてみれば当然なのだった。超音速ですら、ソニックブームと呼ばれる衝撃波が発生する。戦闘機がビルを横切った際にガラスが爆散するイメージの、あれだ。その超音速の、じつに約八十八万倍以上に相当する速度が光速なのだ。そして光は質量をもたないが、人体には体重が存在する。ではでは、質量をもつ人間が超音速の約八十八万倍以上の速さで動いた時、果たして地上はどのような物理現象を発生させてしまうのだろうか。


 おそらく、その瞬間に世紀末を迎える。むしろ、その程度で済んで心底良かったとさえ思うかもしれない。彰の話では、光速の鉛筆ですら核兵器にも見劣りしないエネルギーを生み出しかねないという。加速した質量は光速を超えられないので、もしも光速に達してしまったら、莫大なエネルギーになるからだ。だから仮に人間ほどの質量が光速で動いてしまうと、地球環境を完膚なきまでに破壊してしまう未曽有の人災を引き起こす。


 かくして、通常ならアステリアを倒す方法は、光化移動を終えてから素の攻撃に転じる瞬間にこそ限定されるわけだが。無論、それが簡単にできれば苦労はしない。


 まず、光化移動の直後は当然だが狙えない。大事なことだから何度も言うけれど、敵は約三億分の一秒を支配する能力者だ。さらに、これでもかと執拗に首許を鋭打する手刀も、実際おそろしく速い。その攻撃時間はコンマを切り、必然、このコンマに照準を絞っても反撃の時間はさらに区切られることとなる。おまけに他の部位にもフェイントの如く攻撃してくるので、首許への反撃だけに集中するわけにもいかない。


 物理限界に挑戦し続けるアステリアの超人性。

 だったら彼女を打倒する方法は、ただ一つだ。

 あたしが、光を捕まえる存在に、なればいい。


 能力解放。


 一瞬だけ質量を――密度を無限大に高める。

 光でも逃げられない、超小型の時空特異点(ブラックホール)

 相手が一撃離脱なら、こっちは一撃必殺だ。


 全てを引き寄せる事象の地平面。

 露わになる、宿敵の実体と油断。

 能力を抑制し、時空が元に戻る。


「な――ッ!」

「遅い」


 渾身のボディブローが炸裂する。やっと逆転の糸口を掴んだと喜び、腹部へ直撃させた相手の顔を見てやろうと眼を向けた瞬間、あたしは絶句した。体中の血液が逆流していくようだった。なんの冗談だろうと、何度も何度も我が眼を疑ったのに。


「彰!」

「ぐ……『鋼鉄意志(アイアンハート)』……なんとか間に合った、が……」


 二の句も告げず、彰はすさまじい勢いで後方に吹き飛んだ。大理石の円柱を破壊して宙に放り出され、二階廊下の真下にあたる壁にぶつかってようやく床に転がる。その光景を、あたしはただ呆然と見つめた。


 即座に反応したのはアステリアだった。おそらく能力を使って光化したのだろう。床に横たわって動かない彰に近づくが、頭部から出血しているらしく、顔面が血塗れで、アステリアが何度と呼びかけても応答しない。彼女は老執事さんの名を呼び、またしても瞬間移動さながらの機敏さで現れるアルフレッドさんになんらかの指示をして、意識不明らしい彰の移動を一任した。老執事さんは手際よく彰を抱え、そのままエントランスホールを後にする。


「……確かに、あなたの能力は凄まじい。しかしそれと、彰様にふさわしい女かどうかは、また別問題です」


 殺意すら込められた青の眼光を見返すほどの気概は、今のあたしにはなかった。唯一の気がかりである彰の負傷――そこに身を挺して彼がアステリアを守ったのだという事実がごちゃまぜになって、混乱する頭から離れてくれない。今でも眼に焼き付いている、至近距離にいた彰の苦悶の表情があたしを絶望のどん底に突き落とす。


 ――なぜ? どうして?


 彰はどうして、あたしの前に現れたの?

 あたしより、アステリアのほうが大事なの?


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