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第2話(2)

少し時間がたって現在授業の合間の休憩時間である。



次の授業まで寝るか――と俺が机に身を預けようとした瞬間、俺の顔を包む母なる大地たる机が突如姿を消しており、俺は前方に崩れた。



「おわわわわああああ!」



……失敬。倒れた状態で顔を上げると、2段階くらいキモさを増した恭介がニヤニヤと俺を見下ろしていた。恭介とは中学からの付き合いで(不本意だが)……って、前にも言ったっけか。スプレーでツンツンに固めた頭に、四角い黒縁メガネ、そして首から提げたデジカメ。それがコイツの常装備である。で、いきなり何しやがるてめえ。



「麻弥ちゃんの様子が気になってな。お前何か知ってんじゃないのか?」



あん? なんも知らんよ。麻弥は席を外しているようで、教室内を見渡しても見つからない。ほんとに恭介の言うように麻弥の表情が浮かばれないか確認しようと思ったんだが。まあ、でもこいつの観察眼の鋭さは確かだ。常にカメラを持ち歩いて女子をレンズで覗き込んでいるだけはある。



恭介が「麻弥ちゃんから本心を聞きだせるのはお前しかいない」とか言うし、このままでは安眠は得られそうにないので、とりあえず俺は麻弥とコンタクトを取ることにした。と、そこに丁度麻弥が何か思索にふけったような顔で俺の隣の席に戻ってきた。



「おい、お前なんかあったのかよ」



すると麻弥はあからさまに「!」という表情を作ったあと、また伏し目がちになって言った。



「なんにもないよ?」



いや、その表情はなんでもないようには見えんがね。俺でも分かる。朝はそこまでテンション低くなかっただろ?俺が低すぎただけかもしれんが。



「なんか言いたいことあるんだろ?聞くから」



麻弥の耳がここぞとばかりにピクン! っと動いた。なんだ?何を言われる……? 俺は身構えていたが、こいつから発せられたのは意外な言葉だった。



「じ、じゃあ今日の放課後、図書館行くから付き合って」



……え?



「ああ、いいけど」



「ほんとに? よかった!」



こいつはふんわりと微笑んでみせた。その瞬間、俺の心の中で小さな明かりがポッ、と灯ったように感じた。



すると途端にクラス中から惜しみない拍手が沸き立った。な、なんだこれは!? カシャ。フラッシュが俺をとらえた。……恭介、貴様……。奴はまんまと俺を乗せておいて、俺が目を離したスキにクラス中の注意を引き付けてやがったのだ。



てめえ、後で覚えとけよ。


「なあ、お前もなんとか言っ……」


って顔赤くして黙ってんじゃねえ!

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