第2話(12)
ドラマとかで刑事が推理するときにやるアレだ、俺はうむむと唸りつつ中指を眉間に当てる。
俺がこの子を好きだった?
気付いた時から一緒にいて、一番近くで俺を見ていたこいつの言うことだ。とはいえ、そんなはずは無い。よほど重要な事でない限りすぐ忘れてしまう(覚えられない訳ではない)俺の鶏頭でも、さすがに好きだった子の事くらい覚えている。実際、俺が小学1年生の時に好きだった子の事はしっかり覚えてるぞ。その子は1年の夏に転校してしまって――おっと、脱線してるな。俺は顔を上げて、
「何となくは覚えてるような気がするんだが、好きだったってのは無いと思うぞ」
すると何を思ったか麻弥は口を“へ”の字に曲げ、それでいて頬をやんわりと朱に染めつつジトっとした目で俺を睨み付けた。
「な、なんだよ」
「べーつにー。何でもないですよー」
その白々しい丁寧語と語尾を頭悪そうに伸ばす感じ、「何でもありますよー」と言ってるのと同じだろうが。癪に触るからこれ以上聞いてやんね。
「ふーむ」
俺は再び少女の写真と、黄ばんだ殴り書きの紙に視線を移す。
――――終わりの始まり、か。どういう意味なんだろうか。明らかに子供の字だし、あまり意味はないかもしれんがな。




