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セブンティーン  作者: 高坂 美月
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1. 先生の秘密

 日本語クラスのタナカ先生は若い女性だ。


そんな彼女は普段は優しいけれど、怒ると怖いことで有名だった。


ジャネットもタナカ先生を怖いと思う生徒のうちの1人だ。


 チャイムが鳴り、日本語クラスの授業が始まる。


タナカ先生が教室に入ってくるなり、教室内には緊張感が走った。


普通にしていれば怒られることはないけれど、何がきっかけで怒らせるかわからないのでビクビクしている者もいる。


 ジャネットの隣にはお調子者のベンが座る。


このベンも最初は私語の多さでタナカ先生に大目玉を食らったことがあったけれど、今は知恵がついてきたのかタナカ先生の前では大人しくするようになった。


だが、タナカ先生が資料を用意しようとMacbookを操作している隙に、ベンがジャネットに話しかけてきたのだ。


「今日、昼休みにパンの移動販売車が来るらしいぜ」


ジャネットは心の中で、「それ今言うこと?」と思った。


そんなの休み時間とかに言ってくれたら良いのに。


何でこのタイミング?


これがきっかけでタナカ先生に怒られるのが不安だったジャネットは、ベンに向けて人差し指を口に当てるジェスチャーをした。


 次はベンがメモ帳に何かを書き、ジャネットに渡してくる。


私語だけでもアウトなのに、手紙回しとかもっとやばいでしょ。


ジャネットはそう考えており、いつタナカ先生に怒られるかヒヤヒヤしていた。


タナカ先生はというと資料を見つけるのに時間がかかっているのか、パソコンとにらめっこしている。


ジャネットが隙をついてベンからの手紙を読むと、そこにはこう書かれていた。


「タナカが自己紹介の時、メロンパン好きって言ってたのを覚えてたんだ。それで聞こえるように教えてあげようと思って」


ジャネットは手紙を読み、そういうことだったのねと納得する。

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