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生徒会室には悩みを抱える生徒がやってくる。
「相談は、校内放送を盛り上げるための応援要請、ですね。たしかに生徒会長が参加すれば効果があるかもしれませんが……」
宮城は相談に来た生徒から事情を聞きつつ、冷静に頭を働かせて結論を出した。
「すみませんが、姫咲先輩は多忙です。生徒会が関与するものでは――」
「待って、宮城くん」
凛とした声が響いた。
窓際にたたずむ彼女は、ゆっくりと振り向いた。
「放送委員が困っているなら、協力するべきじゃないかな」
「しかし……」
「わたしなら大丈夫。生徒会は、みんなと学校を繋ぐ窓口だよ」
そう言って、生徒の前まで歩いて目線をあわせた。
「校内放送は大切なお仕事だよね。わたしでよければお手伝いさせてくれないかな」
「会長……ッ」
悩める生徒を、彼女は見捨てない。
どんな困難でも必ず救済の手を伸ばす。
それが、生徒の代表として立つ彼女の矜持なのだから。
「任せて。なんとかするから」
これは、模範な生徒会長が学校のトラブルを解決していく、華麗なる物語である。