7.
「ん……」
何だか外が騒がしい気がしてスウは目を覚ました。
誰かが遠くで呼ぶ声がする。
ひどく慌てている様な声だ。
スウはシゼを起こすことにした。
すっかり眠りこけているシゼの肩を揺らすと、
「私は、まだ眠いぞ。セバスチョン……」
と寝言を言っていたのでスウは笑ってしまった。
セバスチョンとはいったい誰なのだろう。
「うーん……」
カイが目を覚ましそうだった。
声がだんだん近づいてきてる。
もしかしたら、シゼたちを迎えに来た人ではないだろうか。
今更の考えにスウは至る。
もう、これは二人を起こすしかない。
「シゼ、カイくん。迎えの人が来たんだと思う。起きて!」
ハッと目を開いてシゼが頭を振った。
「迎え、迎えが来たのか!」
「まだ、ぼく眠いよ~」
「カイ、起きろ! 帰れるぞ城に!」
まだ寝惚けているカイをシゼが必死に揺らして起こしている。
が、スウはちゃんと聞いていた。
「……城?」
再びシゼがハッとして途端慌てて言った。
「い、家だ。うん、家だ!」
「シゼ、何か変だよ?」
「そ、そうか? ははは」
乾いた笑いに、スウは気にしない方がいいんだなと何となく思うことにした。
「シゼーノ様ー‼ カイジ様ー‼ 居たらお返事してくださいー‼」
すぐそこでものすごく大きな声がした。
「セバスチョンの声だ!」
カイが目を覚まして飛び上がり、叫ぶ。
そのまま扉に向かって走り出す。
スウが扉を開けると、
「シゼーノさまあっ!」
「きゃあっ!」
バターン!
突進してきた人がいきなりスウに抱き付いてきて、そのまま勢いで倒れる。
「セバス、セバスはお二人を必死で探して参りましたー! もうもう寿命が縮んでしまうような心地で一晩待ちましたー! これで王様もご安心なさりますー! ってあ?」
「きゅう」
そこでその人物は自分が抱き付いた相手が目を回していることにやっと気付いたのだった。
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