表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/10

7.

「ん……」

何だか外が騒がしい気がしてスウは目を覚ました。

誰かが遠くで呼ぶ声がする。

ひどく慌てている様な声だ。

スウはシゼを起こすことにした。

すっかり眠りこけているシゼの肩を揺らすと、

「私は、まだ眠いぞ。セバスチョン……」

と寝言を言っていたのでスウは笑ってしまった。

セバスチョンとはいったい誰なのだろう。

「うーん……」

カイが目を覚ましそうだった。

声がだんだん近づいてきてる。

もしかしたら、シゼたちを迎えに来た人ではないだろうか。

今更の考えにスウは至る。

もう、これは二人を起こすしかない。

「シゼ、カイくん。迎えの人が来たんだと思う。起きて!」

ハッと目を開いてシゼが頭を振った。

「迎え、迎えが来たのか!」

「まだ、ぼく眠いよ~」

「カイ、起きろ! 帰れるぞ城に!」

まだ寝惚けているカイをシゼが必死に揺らして起こしている。

が、スウはちゃんと聞いていた。

「……城?」

再びシゼがハッとして途端慌てて言った。

「い、家だ。うん、家だ!」

「シゼ、何か変だよ?」

「そ、そうか? ははは」

乾いた笑いに、スウは気にしない方がいいんだなと何となく思うことにした。

「シゼーノ様ー‼ カイジ様ー‼ 居たらお返事してくださいー‼」

すぐそこでものすごく大きな声がした。

「セバスチョンの声だ!」

カイが目を覚まして飛び上がり、叫ぶ。

そのまま扉に向かって走り出す。

スウが扉を開けると、

「シゼーノさまあっ!」

「きゃあっ!」

バターン!

突進してきた人がいきなりスウに抱き付いてきて、そのまま勢いで倒れる。

「セバス、セバスはお二人を必死で探して参りましたー! もうもう寿命が縮んでしまうような心地で一晩待ちましたー! これで王様もご安心なさりますー! ってあ?」

「きゅう」

そこでその人物は自分が抱き付いた相手が目を回していることにやっと気付いたのだった。




お読みくださり、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ