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チューリップ

作者: 武田道子

チューリップ




チューリップはいつも

いち早く明るい日差しを

花屋に届け

店先に春の看板を立てる




足早に通り過ぎる忙しい人々の

足を止めさせ

称賛をたくさん受け

瞬く間に店先から消えていく



 

腕にしっかりと抱いた

チューリップの花を

愛おしげに見る顔は

初恋の人に出会ったかのように




すっかりと冬枯れした心に

まだ肌寒い風の中

雛壇に飾られたぼんぼりのような灯りが

ほわーっと灯る




シクラメンのおしゃれな品の良さも

サクラソウのあどけない可愛さも

春の光から生まれてきたような

素直で可憐なチューリップに

早春の街角で叶うものはない




花瓶の中で昼間は

優雅な踊りを見せていたチューリップは

夜になると

顔を寄せ合って

うっとりと見つめ合いながら眠る


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― 新着の感想 ―
[一言]  あの色彩。  あのかたち。  チューリップは、唯一無二の存在かも。  香りは……よくわかんないです。  嗅覚、あんまりないので(汗)
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