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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
95/214

第95ターン 格ゲー、すれ違う青春

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 突然の夢原の告白に純の頭の中は真っ白になってしまった。今まで姉の音々から知らされていなかった己の出生の秘密。そして純と格ゲーの因縁。


 どうして、どうして。寂しそうに、切なそうに音々は夢原を睨みつける。俯き、拳を握り立ち尽くす夢原。我を失い、言葉も出ない純。


 クー子と花崎は心配そうに純を見つめている。驚きの展開に複雑な表情を見せる蛭田。今、格ゲーを通じて繋がった若者達が運命とゲームの神の気まぐれに弄ばれている。


 夢原の堕落と覚醒の物語。それは駿河の海の潮だ。今、相対峙する若き二人の格ゲーマーにはもて余す荒波だ。ずぶ濡れの純は、蛭田は夢原の言葉からその手に何をすくい取ったのか。



「プレイヤー達、コントローラーに握りなさい!」


 レフェリーのピカピカ先生が二本目の勝負を促す。心の整理がつかず動揺したままでコントローラーを手にする純。


「フンッ、なんだかややこしい話になっているみたいだけど、その待ちナントカでやっつけちゃいなヨ!」


 自分達の勝利を確信したのか、すこぶる調子のいい蘭子が蛭田に命令する。医療法人花崎会の跡目は自分が継ぐ、もう決まったかのようなご満悦だ。


 レディ〜ファイ!無常にも第二ラウンドのゴングが鳴った。双方、先程と同じ展開でのスタート、距離をとっての飛び道具だ。


「ソォウルビィ〜厶!」

「気流拳!」


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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