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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
85/214

第85ターン 格ゲー、ダンス・ダンス・ダンス

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 学内一のナルシスト鳴木が操るローグ、カタルーニャ忍法の遣い手が攻勢を続ける。やや遠めからの中パンチを幾つか被弾し、体力ゲージが半分程になった花崎・ゲン。


「オイッ、オタク族!相手の技は大振りだ、反撃を差し込め!」


 純の言葉どおりに花崎は反撃を試みるも攻撃が届かない。


「う~夢サン!どうしてオタク族の技が決まらないのダ?」


 クー子が花崎の苦戦に堪らずマスター夢原を問い質す。業界のレジェンドは問いには答えず、愛弟子・花崎誇に啓示を授ける。


「ヲタ!思い出せ、ダンスだ、セッションだ!」


 師匠の短いメッセージに花崎は強化合宿での一コマを鮮烈に思い出した。

・・・・


「どうだヲタ、CPU戦は楽だろ。」

「ハイ、マスター夢。時に人間離れした動きもありますが、ツゥーシンプルです。」


「その通り。何故か分かるか。」

「、、、それは」


「ちょっと純!キミはなんでそんなに我儘なのダ?」

「うるへい!俺っちは邪魔くさいのが大嫌いなんだ!クー子はお節介なんだヨ!」

「何いってんのサ、手遊びのリハビリは一人じゃ出来ないのじゃ!ほら、リズムを合わせてもう一度、、」


「、、、ヲタ、純とクー子が今、答えを教えてくれたな。」

「、リズム、ですか?」


「まあ、そうだな。ダンス、セッションと言ってもいい。格ゲーは生身の相手と闘うのが一番面白い。少なくとも俺はそう思う。相手はお前の動きを読んで攻撃をしかける。お前も相手の動きを想定して防御したり反撃したりする。」

「つまり、対戦相手と闘いというダンスを踊る、セッションをプレイする、そういうことですか?」


・・・


 そう、そうだった!あの時師匠はその通りだ、という顔をして笑った。ダンスだ、セッションだ。ローグの中パンチ連打からリズムを探るんだ。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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