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熱血!格ゲーマー純  作者: 行者BUSYOU
82/214

第82ターン 第二戦、オタク族VSナルシスト!

不慮の事故から身体の自由を失った高校生、日乃本純は格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー根性物語。

 下町の太陽、沈む。大事な大事な初戦を失ってしまったチーム夢原。クー子が負けた、惜敗だった。


「オ、オタク族、ごめん。。」


 肩を落とし花崎に詫びるクー子。ドンマイ、ドンウォーリーと慰める花崎誇。それを横目で見てケタケタと笑う妹の花崎蘭子。


「フンッ、債務者の娘に手を借りての敗北。おあつらえ向きですわ、ア〜ハッハッハ!」


「チキショウ!オイッ、ランラン!次は俺が相手だ、その減らず口、黙らせてやる!」


 居ても立っても居られない、熱血漢の純が次の闘いに名乗りを上げる。が、そこに花崎がウエイト、と待ったをかける。


「日乃本クン、次の一戦に負ければ僕らの敗北は決定する。ここはミーが行かせてもらうよ。」


 決然とした表情でコントローラーを握る花崎、その高いインテンシティにいやが上にも会場の空気が昂る。


「アラヤダ、お兄様。早速登場でございますの?アハハ。」


 何かと兄を小馬鹿にする妹の蘭子。その執拗さはある意味、これはヤバいやつではないか。ほとんどビョーキな感じがするのは自分だけではあるまい、とマスター夢原は思う。


 こっちは誰が行くんだと蘭子親衛隊長の新井が問うとデスメタルのフロントマン、蛭田が傍らの学生に目配せする。


「行けよ、鳴木。」


 フフッと笑ったその男子は時代を超越したかのようなロングヘア、あえて言えば若き日の木村拓哉さんか、そんな風体のナルシスト。


 そしてコントローラーを握るや花崎を指差して口上を切って見せた。


「我が美意識に耽るがいい。」


 そう言うとサッとコントローラーを握り、プレイキャラクターを迷い無く選んでみせた。それに呼応するかのように、花崎もキャラを選ぶ。


 学院の名物教師、実は生徒からの評判はイマイチな、ピカピカ先生が第二戦の開始を告げる。


「ゲン VS ローグ、レディ〜ファイ!」


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。元は少林寺拳法に汗を流す高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリ中。バト2では日本人空手家リョウを使う。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。


・音々 ねね

 純の姉。両親を早く亡くした純の母親代わり。苦学して一家を支える博識。何か秘密を抱えているようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 医療法人花崎会の跡取り。純のライバルで格ゲー仲間。アメリカンな空手家ゲンを使う。一人称はミー。


・夢原 省吾 ゆめはら しょうご

 伝説のプロゲーマー。落ちぶれ飲んだくれに。純と花崎の指導者としてゲーム界に復帰。音々とは因縁が、、


・花崎蘭子 はなさき らんこ

 花崎の妹。兄を侮る高慢な女子高生。自分こそが花崎家の跡取りに相応しいと思っているようだ。一人称はアタクシ。


・蛭田恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。今はニヒリストを気取り文学と格ゲーに耽る。一人称は小生。


・Drケーシー花崎 ドクターケーシーはなさき

 医療法人花崎会の理事長にして、花崎兄妹の父。純に格ゲーによるリハビリを指導中。


・事務長 じむちょう

 医療法人花崎会の事務方トップにして、花崎家の執事。


・ロードバトラー2

 人気の格闘ゲーム。略称バトツー。リョウ、ゲン、ダル・シン、ハシミコフ、チャンリー、ゲイルなど多彩な格闘家が集う。某有名格闘ゲームとは無関係。

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